顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

柴栗の一生

2017年09月23日 | 散歩
散歩コースに柴栗(山栗)がたまたま目の高さにあったので、その成長ぶりを撮ってみました。

5月27日、まだ蕾の段階では、あの独特の匂いはなく、可愛いらしいものです。雌、雄同株で長い花穂はほとんど雄花、下の方に短い雌花がつきますが、まだこの段階では区別が分かりません。

6月11日、花は黄色くなってきました。間もなく雄花だけの花穂は根元からとれて落花しますが、根元に出ている雌花の確認はまだできません。

6月23日、雌花の根元に小さな栗の実が顔を出しました。

6月25日、栗の実が着果した花穂は、着果部分から先の花穂は茶色になって離れ落ちます。

7月7日、だんだん成長する栗の実、もうすでに一人前の顔をしています。

8月11日、野生のものはこの時期になると、病気や害虫で落果するのが多くなります。

9月22日、イガの口が開いて栗の実が顔を出しました。イガはさらに開いて、栗の実も自らも地面に散らばせます。

落ちたところはアスファルト、これでは子孫を残すことはできません。拾ったら27個ありましたので、茹でてカチグリに挑戦してみます。約4ヶ月の柴栗の記録でした。

季語では、栗の花が夏、実は秋、緑のイガは夏に入れてもいいのでしょうか。

中年に中年の修羅栗の花  伊丹三樹彦
木曾仔馬青栗のいが道にでて  森澄雄
柴栗の破顔一笑野良着干す  今井茅草

【カチグリの報告10月5日】

約15分茹でてからザルに上げて、約2週間秋の太陽に干しました。確かにカチンカチンのカチグリです。渋皮をむくと細かい破片になり口に入れると歯が欠けそうな硬さです。かすかな甘味は残りますが、小さい頃糸で通して干したのとはまるで違う味です。保存食とはいえ、水で戻さないと使えないような失敗作でした。

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