顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

涸沼広浦公園のヒルザキツキミソウ

2015年06月28日 | 季節の花

涸沼の広浦公園は、バンガローやキャンンプサイトなどのある施設で夏休みなどはハゼ釣りやバーベキューで賑わいますが、この時期は日曜日でも人影はほとんどありません。
いまあちこちで見かけるヒルザキツキミソウ(昼咲月見草)が咲いていました。昼間に咲くのでこの名前が付いています。



私たちが月見草と普段言っているのは、黄色い花のオオマツヨイクサ(大待宵草)のことが多く、花は夕方咲き始めるのは同じでも、月見草という名前の植物は、色は白色、翌朝のしぼむ頃には薄いピンク色になると載っています。この他にもマツヨイクサ、コマツヨイクサなどすべて同じアカバナ科マツヨイクサ属の仲間です。



さてこのヒルザキツキミソウも北米原産の帰化植物、観賞用に輸入栽培されたものが野生化しました。面白いのは、花弁中央からせり出している雌蕊、完全に十字の形をしています。
この花に良く似たやはり帰化植物、アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧)は、形はそっくり、ただ雌蕊は十字でなくて4つに分かれているのがちょっと違います。

初夏の帰化植物 パート2

2015年06月25日 | 季節の花

涸沼湖畔サイクリングロードの土手に咲いていたヤヨクサフジです。マメ科 ソラマメ属のこの多年草はヨーロッパ原産、多くのマメ科の外来種と同様に、牧草や緑肥として輸入されたものが野生化したものです。よく似た在来種のクサフジ(草藤)同様、紫色で藤の花に似ていること名づけられ、しかもより弱弱しい感じがするからヤヨが付きましたが、とんでもない!繁殖力旺盛でクサフジを追いやってしまう勢いです。

また最近とみに土手などで見かけるナスやジャガイモに似た小さな花を咲かせるワルナスビ(悪茄子)、牧野富太郎先生が名前を付けたそのものズバリの最悪の帰化植物となりつつあります。

北アメリカ原産で、アメリカ、カナダ、インド、オーストラリアなど世界各地に広く分布し、日本では明治初期に千葉県の牧場に侵入しているのが見つかり、現在では北海道から沖縄県まで全国に拡がっています。全身に鋭いトゲを有するため抜き取りにくく、効果のある除草剤も少なく、防除することがとても難しく、耕耘機などですきこむと、切れた地下茎から芽が出てかえって増殖してしまい、また、果実は球形で黄色く熟し、プチトマトに似ているが、全草がソラニンを含み有毒であるため食用にはできず、家畜が食べると場合によっては中毒死することがあると最悪の性質が書いてあります。英語でも「Apple of Sodom(ソドムのリンゴ)」、「Devil's tomato (悪魔のトマト)」などという悪名で呼ばれているそうです。

蟹の災難

2015年06月21日 | サイクリング
いつもの涸沼川沿いのサイクリングコース、大きめのカニの死骸を路上で発見、外の世界を覗こうとの好奇心に耐えかねて、のこのこ道路まで出てきたのが、何かの災難で戻れなくなってしまったのでしょうか。
こちらの方は、残った脚に毛が生えているので、モクズカニと分かりました。海近くの涸沼川一帯でも捕れますが、さらに那珂川上流の御前山辺りで捕ったのをご馳走になったことがあります。濃厚な味、特に蟹味噌が印象に残っています。カツオの頭を沈めておき、翌朝カニがいっぱい取り付いているのを捕ると聞きました。



もう一匹の方は、調べたらクロベンケイカニと分かりました。「弁慶蟹」という和名は、甲羅のゴツゴツした質感を武蔵坊弁慶のいかつい形相になぞらえたもので、田の畦に穴を開けて、田の水もれを招くと言うことから、害カニとされるとか、残念ながら食用にはしないようですが、飼育用として、ホームセンターで一匹800円で売っているという記事もありました。
この二匹の死骸も、まもなくカラスに天から降ってきたご馳走として供される運命です。合掌。


涸沼自然公園のアジサイ

2015年06月20日 | 季節の花
涸沼自然公園は涸沼湖畔にある24.5haの自然豊かな公園です。梅、桜などの季節の花のほかに杉、雑木などの自然林も残っており、特にこの時期は10,000株のアジサイが咲き誇ります。ここの特徴は山の斜面一帯に植えられていることで、下から見上げると迫力があります。
また、涸沼から吹き寄せる涼しい風の影響で、他所より少し遅めの開花も特徴で、アジサイ祭りは7月12日まで、イベントも、7月第一土、日曜に予定されています。



斜面を登った高台のあじさいの谷を見下ろす林間コースの両側にもアジサイの通路が続きます。どちらかというと、背の高いアジサイが多いような気がします。
さらに足を延ばして南側の芝生広場に出ると、眼下一帯に涸沼が大きく横たわっているのがよく見えます。



高台の林間コースには、最近流行りのカシワバアジサイだけの長い通路がありました。水戸市では70歳の記念樹にこの苗を贈っており、庭先にこの鉢植えなどを見かけると、なぜか微笑ましくなります。



ところで、アジサイの種類は多いですね、一説によると、3000種以上、しかも改良で新しい品種がどんどん出てくるようです。とても覚えきれませんが、個人的には、小さめのヤマアジサイの園芸品種が、可憐で色もいろいろあり好感が持てます。



面白いのは、アジサイの花言葉、なんと「移り気」「浮気」とか、土のph(ペーハー)、酸性、アルカリ性によって色が変わったり、成長過程でもだんだん色が変わったりするためのようです。因みに酸性は青色の花をより青くし、アルカリ性は赤、ピンク系になると言われています(例外あり)。


初夏の弘道館

2015年06月07日 | 水戸の観光


弘道館案内当番の日、親と子の論語塾が館内の至善堂で開かれていました。お子さん連れの参加者も多く、三の間まであふれる盛況です。藩校弘道館時代の最重要科目の論語を今の世で親しんでいる姿を見ると、水戸の精神が綿々と受け継がれているのがよくわかります。
ここは、斉昭公の七番目の子、後の最後の将軍徳川慶喜公が5歳から11歳まで勉学し、また明治維新後の3か月、恭順謹慎をしたところです。当時のまま残っている御座の間の床柱は、おそらく笑顔で平成の子供たちの授業を見ていることでしょう。



園庭の梅の実はたわわに実を付けているのもあれば、アンズ系などの花梅で実が見当たらないものもたくさんあります。その中で花も大輪な「滄溟の月」が、いちだんと大きな実を付けていました。また売店入口の臥龍梅、皮一枚で支柱に支えられて活きている状態ですが、実はたくさんつけているのには驚きました。老木まだまだ健在です、頑張れ!ご老公。
この梅たちも収穫されて13日、14日の二日間、偕楽園の梅の実と一緒に一袋1.5Kg300円で一般の方に売り出される予定になっています。



至善堂の復元便所の北側の梅林で変わった実を見つけました。なんと蝋梅の実でした。花は知っていますが、ついぞ実を改めて見た機会がなかったので撮ってみました、梅の名がついていてもバラ科ではないロウバイ科、さすが独特の雰囲気の実です。実は食用にはならず、種子などは逆に有毒だそうです。