顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

朝露の散歩道で…

2018年07月15日 | 散歩
この時期は明るくなるのが早いので時々眼が覚めてしまい、つい散歩に出ることがありますが、朝の冷気は日中の酷暑が嘘のような爽やかさを与えてくれます。

ハマヒルガオ(浜昼顔)は、日本全国、海外にも広く分布し海岸の砂浜に群生すると図鑑に出ていますが、ここは海から直線で5キロの田んぼのあぜ道です。みずみずしさが炎天で咲いているいつものイメージとはずいぶん違います。

ツユクサ(露草)はツユクサ科ツユクサ属の一年生植物でどこでも見かけますが、朝咲いた花が昼しぼむことが朝露を連想させることから、名前がついたという説もあります。
朝露のいちばん似合う花かもしれません。

草刈り後に花茎が伸びたので命拾いしたノカンゾウ(野萱草)が開き始めています。ニッコウキスゲなどの仲間で、夕方には萎んでしまう一日花です。似ているヤブカンゾウ(藪萱草)は花が八重で上向きに咲きます。

イヌゴマ(犬胡麻)は、胡麻に似ているが食用にならぬ役立たずという命名、湿性の環境を好むシソ科の多年草ですが、まさにピッタリの環境で大きく育っています。

ユウゲショウ(夕化粧)は、夕方に花を開かせるので付いた名前ですが、いまは一日中化粧を落とさず開いています。南アメリカ原産の帰化植物で、明治時代に観賞用として移入されたものが日本全国に野生化しています。

坂の途中の山百合は、草刈りをする人に残してもらえるように、仙人が事前に棒を立ててヒモで縛っておいたものです。無事に7,8本の山百合が花をつけ、甘すぎる匂いを振りまいています。

この山百合を見た近くの人から、うちでも見事に咲いたからぜひ見に来てといわれ撮って来ました。午前9時、朝露はすでに消え、今日の猛暑が始まっていました。

山百合が目覚めといふをくれにけり  細見綾子
山百合のうつむきがちに霧流れ  伊東宏晃

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