スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

また、やられた! 現金強奪!

2005-11-05 20:38:04 | コラム
ヨーテボリはやはり大きな町ということで、パトカーがサイレンを鳴らしながら走っているのをよく見かける。青い非常灯を回しながら、数台で路面電車やバス専用のレーンを思いっきり、たまには逆走もしながら走っているのを目撃すると、また何事かあったのかと気になる。いや、本音を言えば、ちょっとワクワクする・・・。

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今年の夏に数件の現金輸送車の襲撃事件があり、今後は警察のエスコートも検討せねばならないが、警察にはそれだけの余裕がない、というニュースが流れたその日だった。

木曜日に、ヨーテボリ北部、30kmのところにあるStenungsundという町で、また現金輸送車が襲われた。手口は以前の事件と似ていて、高速道路を降りるときに、誘導路の細い部分を走っている最中に襲われた。民間の警備員二人は引き摺り下ろされ、犯人は車両の後部にある金庫を車両ごと爆破。こうして大量の現金が盗まれた。

統計を見ると、今年に入ってから34件の襲撃事件があったという。しかし、近年では年によって36件や50件も起こったこともあるから、数自体は急増したわけではない。ただ、一件あたりの被害額が急増しているとのこと。夏には、現金の集積所自体が襲われたこともあった。

今回の事件を受けて、警備員が所属する労働組合が声明を発表した。「従業員の安全を第一に考え、警察のエスコートが確保できるまで、当面、現金を輸送させない」公共の利益が損なわれることが懸念されたが、この労働組合の声明に対し、国の機関である「労働環境庁(Arbetsmiljöverket)」も支持を表明した。これに対し、警察側は急にそんなことを言われても無理だと、消極的。

日常生活に対する影響もでてきた。ストックホルムやヨーテボリなどの大都市周辺を中心にほとんどの現金輸送車がとまったままなので、現金引き出し機(ATM)の現金が当面、補充されないとのことだ。商店の現金も不足する。カードによる支払いが日本とは比べ物にならないほど進んでいるスウェーデンとは言え、手元にいくらかの現金がないと困ることが多い。金曜日の午後町に出てみると、案の定、ATMの前に行列ができていた。あるうちに引き出しておこうと、みんな必死だ。

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3 コメント

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こっちも行列 (iju)
2005-11-09 23:52:56
おひさしぶり。

先月は学会発表やらなんやらで日本に帰ってました。帰りにコペンハーゲンからそっちにお邪魔することを計画していたんだけど、結局KLMを使ったので、また次の機会に。

でもかならずお邪魔します。予告なしで勝手に島に上陸します^^

ウプサラもかなりのATMが閉じていて、いくつか使える街中のATMの前には長い行列ができています。
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犯罪 (goto)
2005-11-09 23:56:36
同じ犯罪でも、日本の犯罪はちょっと変です。JR西日本の鉄道事故の直後にはレール上に置石や置自転車があったり、横に並んだ車に突然発砲したり、弱い老人を狙った悪質リフォームや詐欺事件など・・・。なぜなのでしょう。
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犯罪 (Yoshi)
2005-11-10 06:07:15
>Ijuさん

ウプサラでも行列ですか? 今週初めから再び現金輸送が警察のマシンガン護衛つきで始まり、現金不足は解消されつつあるようですよ。家賃を払うためにATMを使いましたが、問題なく出せました。



ぜひともきてください。部屋が散らかっていますが、お客さんが来るとなると、掃除のためのいい動機付けになります。



>Gotoさま

便乗してイタズラをするというのは理解できませんね。世間から槍玉に挙げられた対象だからと、いい気になって狙っているのでしょうか。



私としては、引きこもりが、近い将来どんな影響を社会に及ぼすのか、それがちょっと気がかりです。



話は変わりますが、今年は台風襲来のニュースを日本からあまり聞きませんでしたが、どうですか? 私が見逃しただけでしょうか? それとも、日本を遠慮して、アメリカのほうに襲来したのでしょうか?
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