スウェーデンの今

スウェーデンに15年暮らし現在はストックホルム商科大学・欧州日本研究所で研究員

「棚からぼたもち」君?

2005-10-01 20:37:47 | コラム
スウェーデンでの若い世代の活躍の一例として若い国会議員の話を取り上げたものの、なんだか日本では「棚からぼたもち」君が世間を騒がしているとか。ワイドショーでやたらと取り上げられる一方で、軽率で、熟慮のない発言が反感を買っているらしい。

しっかりしてくれ~。こんな未熟さ丸出しじゃ、世間の「何の知識も経験もない若い奴じゃ話にならん」「これだから若者は役に立たない」という態度がますます高まりかねないよ~。

今回のブログの記事はちょっとタイミング悪かったですね。でも、私が伝えたかったのは、ある事柄や問題に積極的に携わってきて、その分野に深い知識があるか、または問題意識とやる気と行動力があるならば、いくら若くともチャンスを与えられ、適切に評価されるべきだ、ということです。

この「棚ぼた」君がどういう人なのか分からないけれど、日本の若者の悲しいところは、若いときは下積みに甘んぜねばならず、なかなか行動力と独自性・独創性を試す機会が与えられない。で、いざそういう能力が必要になったときに、今までそんな機会がなかったものだから、周囲の期待に応えられない。だから「今の若いもんは行動力もなければ、自分で問題を見つけて解決する能力にかける」と、大人たちが冷たい視線を浴びせることになる。これこそ悪循環ですね。

さらに付け加えれば、学校教育や大学教育の中で、そのような能力を育てられてこなかったことも、スウェーデン社会と比べたときの大きな違いかもしれない。

さらに、若者の活躍を適切に評価する、という点に関しても、周囲はその人のやったことを冷静な目で判断してやるべきだと思う。巷のワイドショーなどのマスコミのように、ある特定の個人を過度に持ち上げて、一躍、時の人にまつり上げておいて、そして、いざ失敗をしでかしたりなんかすると、寄ってたかって叩き潰すようでは、その人にとっていい迷惑だ。このようなマスコミじゃ、ジャーナリズムの意味をはき違えているだけではないかと思う。

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3 コメント

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別にそういうわけではなさそうです。 (とおりすがり)
2005-10-03 14:30:32
管理人様、こんにちわ。



太蔵君のことを言っておられると思うのですが、日本のほとんどの人は彼に対して好意的ですよ。反感を持っているのは、政治家と一部の人たちだけでしょう。



多くの人は彼の言動に素直さとまじめさを感じています。マスコミの報道も一部偏りがあるから管理人さんがそういう印象をもたれのかもしれませんね。



多くの若手議員は、松下政経塾出身の方々に代表されるように、立派な経歴を持ち、見識の高い人々です。だからこそ、国民感情として、そういった典型的な若手議員でない彼に共感を覚えたのではないでしょうか。
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ご指摘ありがとうございます (Yoshi)
2005-10-06 04:29:50
こんにちは。

そうなのですね。新聞や他のホームページを見ていましたので、日本での今の論調を肌で感じる、ということができなかったかもしれません。



私も彼のように積極的に社会の問題に関わろうとする人が出てきてくれることには大いに賛成です。そうすることで、一般の若者が政治や社会に関心を持つようになり、自分たちの手で何かが変わるんだ!というやる気を持つようになれば、と期待しています。まずは、彼の今後に注目しましょう。



それから、このように若い人でも当選できるところが、比例代表制のよいところだと思います。
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こちらこそ (とおりすがり)
2005-10-06 14:41:14
少し大げさな書き方をしてしまったようで恐縮です。親切な返事ありがとうございます。



太蔵君のおかげで政治家になることを考え始めた人も結構いるみたいなので、第二、第三の意外性のある(もちろんいい意味でですが)若手議員の登場を期待したいですね。



若手議員はどうも紋切り型フレーズ(規制改革とか小さい政府だとか)を叫ぶような人が多いので、自分の言葉で政治を語る人物がもっと現れて欲しいです。
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