自転車旅行から戻ってきてから、初めて自転車に乗った。Grännaの少し先までの往復で90kmを走った。持久力が落ちているのではと心配したが、とても楽で坂道もスイスイと走ることができた。今なら何の問題も無くVätternrundanを走れそうな気がした。旅行中はテントや衣類、キャンピングの道具など、重い荷物を携えてバランスを取りながら走るのに慣れていたから、自転車一つ単身で走ってみると、今度は逆にバランスを取るのが難しかった。今日は土砂降りと晴天が交互に続いた。なぜか今日は、国道わきに馬糞や牛糞がゴロゴロしていて、雨がしみてグチャグチャになっていた。たまにうまく避けきれず踏んだりすると、自転車に泥除けがないものだから、タイヤで跳ね上がって背中にかかることもあったようだけれど、晴れるとすぐ乾いてしまって、なんのその。
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60年を迎える原爆の日。公共テレビであるSVTは時たま土曜日の夜に様々なテーマを決めて、それに関連したドキュメンタリーをいくつか放送し、関連した映画を最後に流す、という特集をすることがある。今日のテーマは「原子爆弾」。特にヒロシマに焦点が置かれ、イギリスBBCが作成した「ヒロシマ前後」を放送した。前半部分の、広島への投下にいたるまでの主にアメリカ側での準備の部分は見逃してしまったが、後半部分の、投下直後の広島の惨状を扱った部分は、再現シーンが生々しくて、また、被爆者の体験談が折々に登場し、悲惨さを強く印象付ける内容だった。(残念ながら、惨状は投下の数日後までを扱っただけで、中途半端だった)
それに続いたドキュメンタリーは、冷戦中にスウェーデン政府が作成した「原爆から身を守る方法」からの白黒映像など。“閃光を見たらすぐに顔を伏せて地面にうつ伏せになるか、何か頑丈な建物で自分を守りましょう”見本演技として、市民に扮した人が合図とともに這いつくばいになったり、乗っていた車から突然降りて避難したりする映像や、兵士に扮した人が、一斉に近くに用意してあった塹壕に身を隠すシーンが映されたが、BBCのドキュメンタリーの再現映像や被爆体験者の話で明らかなように、閃光に気づいてそれが原爆だと判断する頃には、爆風が襲ってきて手遅れだ。実際の惨状を知らない人たちが作った、のんきな広報映像だなと思った。それから、ある町に原爆が落とされたとの仮定で、被爆地域に数人のスウェーデン兵士が駆けつけ、消化をし、負傷者を助ける映像とともに“スウェーデン軍の素早い行動のおかげで、被害は最小限に食い止められ、被害を受けた市民にも最大限の手が差し伸べられるであろう”というナレーターが入ったときには、おいおいおい、のんきなプロパガンダだだな、と思ってしまった。ここまでテレビを見てきたスウェーデン人はどう感じたのだろうか。
第一次・二次世界大戦に巻き込まれずに済んだスウェーデン人にとって、戦争の記憶というのは無いに等しいようだ。あるとすれば、フィンランドでの対ソ連戦やノルウェーでの対ドイツ戦に義勇軍として参加した人や、国連軍の兵士として紛争地に滞在経験のある人くらいだろうか。だから、今日のドキュメンタリーの中の、広島の再現映像などは、強い印象を与えたのではないだろうか。(余談だが、50年代にはスウェーデンでも核兵器保有論を大声で唱える人がいたようだ。例えば、当時の保守党の党首や大手日刊紙DNの編集長。特に、軍隊同士の戦闘に用いる小型核兵器に関心があったようだ。)
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この間、誕生日の日に友人が夕食に招待してくれたが、ビールとワインで酔いが回り始めた頃にこんな話をした。スウェーデン人にとって第二次世界大戦といえば、ナチス・ヒトラーのヨーロッパ侵略やユダヤ人の悲惨な運命に関する間接的な記憶だ。一方で、太平洋戦争に関してはアメリカを始めとする欧米の目を通した見方(特にハリウッド作の戦争ヒーロー映画)ばかりしか、スウェーデン人は知らないのでないか、という話になった。日本人はあの戦争をどのように体験したのか?
そういえば、日本映画の中でスウェーデンでも知られているものといえば、黒澤明の映画や、最近ではアニメやホラーばかりだが、日本国内には太平洋戦争を扱った映画、それも、被害者として、加害者として、そして戦地に赴く一兵士として、という様々な視点から、当時の日本を描いた映画がある。むしろそのような映画もスウェーデン人は関心を持つのではないかと思った。そんな話をしたら、私のスウェーデン人の友人も興味津々に、自分はむしろそういう日本映画を見てみたい、という話になった。彼に限らず、他にもそういうテーマを扱った日本映画に関心を持つスウェーデン人はいるかもしれない。何かよい映画を選んで、スウェーデンにも近い将来紹介してみたいので、何かお勧めがある人は、何なりとコメントに書いてくださいね。
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60年を迎える原爆の日。公共テレビであるSVTは時たま土曜日の夜に様々なテーマを決めて、それに関連したドキュメンタリーをいくつか放送し、関連した映画を最後に流す、という特集をすることがある。今日のテーマは「原子爆弾」。特にヒロシマに焦点が置かれ、イギリスBBCが作成した「ヒロシマ前後」を放送した。前半部分の、広島への投下にいたるまでの主にアメリカ側での準備の部分は見逃してしまったが、後半部分の、投下直後の広島の惨状を扱った部分は、再現シーンが生々しくて、また、被爆者の体験談が折々に登場し、悲惨さを強く印象付ける内容だった。(残念ながら、惨状は投下の数日後までを扱っただけで、中途半端だった)
それに続いたドキュメンタリーは、冷戦中にスウェーデン政府が作成した「原爆から身を守る方法」からの白黒映像など。“閃光を見たらすぐに顔を伏せて地面にうつ伏せになるか、何か頑丈な建物で自分を守りましょう”見本演技として、市民に扮した人が合図とともに這いつくばいになったり、乗っていた車から突然降りて避難したりする映像や、兵士に扮した人が、一斉に近くに用意してあった塹壕に身を隠すシーンが映されたが、BBCのドキュメンタリーの再現映像や被爆体験者の話で明らかなように、閃光に気づいてそれが原爆だと判断する頃には、爆風が襲ってきて手遅れだ。実際の惨状を知らない人たちが作った、のんきな広報映像だなと思った。それから、ある町に原爆が落とされたとの仮定で、被爆地域に数人のスウェーデン兵士が駆けつけ、消化をし、負傷者を助ける映像とともに“スウェーデン軍の素早い行動のおかげで、被害は最小限に食い止められ、被害を受けた市民にも最大限の手が差し伸べられるであろう”というナレーターが入ったときには、おいおいおい、のんきなプロパガンダだだな、と思ってしまった。ここまでテレビを見てきたスウェーデン人はどう感じたのだろうか。
第一次・二次世界大戦に巻き込まれずに済んだスウェーデン人にとって、戦争の記憶というのは無いに等しいようだ。あるとすれば、フィンランドでの対ソ連戦やノルウェーでの対ドイツ戦に義勇軍として参加した人や、国連軍の兵士として紛争地に滞在経験のある人くらいだろうか。だから、今日のドキュメンタリーの中の、広島の再現映像などは、強い印象を与えたのではないだろうか。(余談だが、50年代にはスウェーデンでも核兵器保有論を大声で唱える人がいたようだ。例えば、当時の保守党の党首や大手日刊紙DNの編集長。特に、軍隊同士の戦闘に用いる小型核兵器に関心があったようだ。)
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この間、誕生日の日に友人が夕食に招待してくれたが、ビールとワインで酔いが回り始めた頃にこんな話をした。スウェーデン人にとって第二次世界大戦といえば、ナチス・ヒトラーのヨーロッパ侵略やユダヤ人の悲惨な運命に関する間接的な記憶だ。一方で、太平洋戦争に関してはアメリカを始めとする欧米の目を通した見方(特にハリウッド作の戦争ヒーロー映画)ばかりしか、スウェーデン人は知らないのでないか、という話になった。日本人はあの戦争をどのように体験したのか?
そういえば、日本映画の中でスウェーデンでも知られているものといえば、黒澤明の映画や、最近ではアニメやホラーばかりだが、日本国内には太平洋戦争を扱った映画、それも、被害者として、加害者として、そして戦地に赴く一兵士として、という様々な視点から、当時の日本を描いた映画がある。むしろそのような映画もスウェーデン人は関心を持つのではないかと思った。そんな話をしたら、私のスウェーデン人の友人も興味津々に、自分はむしろそういう日本映画を見てみたい、という話になった。彼に限らず、他にもそういうテーマを扱った日本映画に関心を持つスウェーデン人はいるかもしれない。何かよい映画を選んで、スウェーデンにも近い将来紹介してみたいので、何かお勧めがある人は、何なりとコメントに書いてくださいね。
「Der Untergang」。
独逸は節目として注目すべき映画を生んだ。
日本は・・・、わからん。
邦画で好きなのは「萌の朱雀」。
おそらく先進国の印象を覆すのに良い題材やと
思う。
・・・と、ここまで書いたところで「ご」さんが誰か、分かりました。なるほど、それで大阪弁なんや。お久しぶりです。このお盆休みの予定は決まりましたか?