ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

出島小宇宙戦争

2020-02-26 07:00:00 | 宝塚コラム

姫ちゃんと観劇しました。

けれど・・・東京建物Brillia HALLって奴は・・・年寄りに冷たい。

何でこうも近年、新しく建つ劇場は歳寄りに冷たいのかねえ。少ないトイレに迷路のような2階席と3階席。エレベーターは狭く、行きはともかく帰りは階段を使えって。

いわゆる3階席の後ろだったわけで。ってことは6階も降りるんですよね。

高齢化社会を全然見据えていない劇場作りに腹が立ってしょうがありません。

まず谷貴矢3作目になる「出島小宇宙戦争」ですが、タイトルが壮大な割にはストーリーがはちゃめちゃでどこが戦争なんだか。

2.5次元の世界ではこのストーリーでもういいかもしれませんが、宝塚作品としてみるちょっと無理があるかも。特にこの谷君が将来大劇場デビューする時に、このような作風で果たして続けて行けるかどうか心配です。

谷貴矢という人は、歴史に非常に詳しい人ですし、またそれを元にファンタジーを膨らませる才能を持っています。

今風にいうと「異世界」物が得意なライトノベル脚本家といった所でしょう。

ライトノベルってあなどれないんです。しかも「異世界もの」は特に小学生から中高生に人気で、作家になろうとする人も多いので。

そりゃ史実をいくつか押さえて、それ以外は全部想像の世界で書くというのは楽しいだろうし、想像も膨らむというものですね。

彼のデビュー作「アイラブアインシュタイン」次の「義経妖狐夢幻桜」でも、史実はわずかで、あとは異世界物。

そうは言っても観客は史実をきちんと知らないと本当の面白さには気づかないという、軽いのか重いのか全然方向性が見えません。

同じ異世界っぽい作品でも大野拓史の「花のいそぎ」や「エル・ハポン」は歴史を知らなくてもちゃんとカタルシスがあるし、感慨も深いものがある。何度も見ればそれなりにわかってくる。

ところが谷貴矢の作品はそこまで奥が深くない。ご本人は知識が豊富だから、タイトルを歌舞伎っぽく漢字を連ねてみたりするんでしょうけど、それ自体に意味があるわけじゃないんだなと思うのです。

まあ・・アインシュタインとアンドロイド、義経と狐、出島と月の兎、全く無関係なものを見事合体させてやったぞ!ってな感じですが、時代背景も言葉遣いも自己流に現代に置き換えてしまうあたり、その理由は「だっていちいち時代考証して言葉遣いも時代に合わせてたら話が進まないんだもん」という短絡的な面倒くささがそこにあると思うのです。

ライトノベルの「異世界」って子供にとってはファンタジーだけど大人から見ると整合性が一つもないんですよね。何で?何で?ってこればっかり思う。でもそれを言うと子供達に叱られてしまう。「だから異世界」なんだって)

さて、今回の「出島小宇宙戦争」というタイトルですが、舞台は江戸時代の出島、だけどそこにいるシーボルトの特別な力で一足先に文明開化が始まってしまった。そこに月の精だのが出てきて地球をあるべき姿に戻すとかなんとか・・ここらへんが「小宇宙」で、月と地球(出島)カゲヤスとリンゾウ、カゲヤスとシーボルトの対立の構図がいわゆる「戦争」なんでしょうね。

だけど1幕も2幕もちょっとだらだらしているのは、やたら回想シーンが多すぎるから。カゲヤスとリンゾウの師匠であるタダタカの感情だけはよくわかるのです。

谷貴矢は教科書で知った「伊能忠敬」と彼の地図をシーボルトに渡した高橋景保という存在だけで想像を膨らませました。林蔵は間宮林蔵なんですね。

我が家の姫が「何でリンゾウは隠密という言葉を連呼するの?」って聞くから「彼はお庭番だったからよ」と答えて置きましたカタカナで書くから「リンゾウ」でわけわかんないけど、漢字で書けば一目でわかるんですね。

要するにタダタカの地図をカゲヤスが持っている。それを巡ってリンゾウ、シーボルト、タキらが奪い合いをするという話なんです。

だけど、リンゾウはタダタカを殺したのはカゲヤスだと思っている。

それは事実だったけど、彼の回想によれば、それはタダタカを助けようとして月にしかない実を食べさせてしまった。すると、地球人が食べると死んでしまうものだったので師匠は死んだ。

だけど同じ実を食べさせられたカゲヤスは撃たれても死ななかった。それは月の光があったから・・・って何だかわけわからないでしょ?

「助けようとしたけど間違ってしまった」というカゲヤスの言い分をあっさり認めちゃっていいのか?リンゾウ?「敵を取る」って言ってたじゃない?

それが国をロシアに売り渡そうとする輩に味方して、結果的に捕まえさせる。何でロシア?アメリカでもなくオランダでもなく、なぜにロシア?

思わず朝鮮の旻妃が自国をロシアに売り渡そうした史実が頭を駆け巡ってしまいましたよ。

チャンバラシーンはあったけど、最終的には大団円。でもカゲヤスとリンゾウの間に友情が存在したのかしなかったのか・・・そこらへんは不明。

ツクヨミ様がその昔、不老不死にした帝って誰よ・・・

シーボルトの耳はただのかっこつけか?

矛盾が出てくると全部「クスリ」のせいにするあたりが子供っぽいなと思うのです。

だけど、私達の席の近くの人がみんな「あー面白かった」って言っていたので、それでよかったんじゃないか?と。

ダンディで実力ありの鳳月杏を筆頭に、今が旬の暁千星風間柚乃を揃え、まさに月の兎ちゃんという程可愛く美しい海乃美月をヒロインにして、客が入らないわけないし、面白くないわけないのだから。

(美園さくらがタキをやったら月の兎じゃなくて月の魔女になってた)

ただ、何度見ても感想は同じだと思います。その向こうに色々な考えをめぐらしたり、あらたな発見があるという程のものではないでしょう。

自分の世界を持つことはいいことなんだけど、真正面から作品を作る事も必要なのではないでしょうか?

特に大劇場では、話があまりに浅すぎると大きな空間を埋めることは出来ないの。

観客を置き去りにして、作者ばっかり楽しんでいることになってしまう。

観客はご贔屓さんのカッコよさを見たいのはあるけど、それ以上に感動が欲しい、共感性が欲しいと思うんです。「出島」の場合は誰もタキとカゲヤスに共感する人はいないと思います。

リンゾウの言ってることが最もまともなんだけど、尻つぼみに終わってしまいました。

池袋は好きじゃないんです。いつも混んでいるし電車の乗り方も複雑で。

でも、新型コロナのせいなのか人が少なくて。みんなマスクでしたし。

電車の中で、「厚生省からのお知らせ・・・テレワークや時差出勤を。咳エチケットやアルコール消毒を」って放送されるのがうざくて。

姫に「まるで戦時中みたい」と言ったら「え?何でよ」というので、「ぎりぎりと締め付けられているような感じが。そのうち隣組が出来て監視社会になるのかな。マスクをしてないと電車に乗るなとか、咳するなとか、まだ一ヶ月ちょっとなのに元気がなくなっちゃうよ」と答えました。

会話は「コロナ」ばっかり。みんな回りを見てマスクしてないか、咳してないか見ているような気がする・・と思ったらいきなり電車が止まってびっくり。誰かが停止ボタンを押したんですって。このご時世に。

いくらマスクしろ、時差出勤しろ、テレワークしろと言われても、一体どれだけの企業がそれを受け入れ実行できますか?

マスクもアルコール消毒液も売ってないのに。配給しろと言いたいわ。

JRなどが乗客に「テレワークや時差出勤を」と、役所を代弁するのは間違っていると思うんです。

私はおととしから毎年肺炎にかかって2週間以上仕事を休んでいるんですけど、それはとにかく熱が急激に上がって下がらないから。ジスロマックを使っても1週間は下がらない。もし、こんな時期に肺炎になったら自宅待機なの?

まず病院にかかることが出来るかどうか、それが不安です。

ぜんそく持ちだから呼吸が困難になることは十分ありえるし。

そして新型コロナだった場合は家族に迷惑をかけ、ご近所から叩かれることになるんでしょうか?学校でいじめられたり、職場で嫌味をいわれたり。それが怖い。

というより50代は重症化しやすいんですよねーー思わず自分の手の平の生命線を見てしまうのです。

 

 

コメント (7)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする