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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

参議院選挙

2013-07-12 | 環境
原発とか、外交とか、問題が限界にきている日本だけど、
既成政党じゃ、どうしても物足りない。

日本にはまだない、でも必要な政治勢力は、「緑の党」。
草の根民主主義、環境政策、平和、人権 を、正直に大事にする。

緑の党・推薦候補の熱いライブ、演説にしびれた!

20130710 三宅洋平選挙フェス@福岡(三宅洋平さん登場部分)





ドイツの社会的銀行/GLS銀行

2013-02-13 | 環境
GLS銀行という、社会的事業にのみ融資する銀行のお話を聞いて来ました。


1 勢いに乗った社会的銀行

GLS銀行は1974年に設立した市民組合が起源のドイツの社会的銀行です。社会福祉やエコロジー的な事業に特化して貸出を行っています。つまり、GLS銀行に預けたお金は、社会を持続的にする事業にのみ使われることになります。

ドイツではフクシマ原発事故の際、すぐに原発を停止し早期の原発全廃に方針転換しましたが、「私が銀行に預けたお金は原子力産業に使われていないだろうか」という疑問を多くの人が持ったそうです。その結果、GLS銀行の口座開設者および預金額は増え続け、近年うなぎ上りとなっています。

右肩上がりな売上高、運用額のグラフ。

2012年の売上は27億ユーロとメガバンクに比べると小さいものの、まさに乗りに乗っている勢いのある金融機関です。



2 運用先の公開

驚くことに、GLS銀行は運用先を全て公開しています。4半期に一度、冊子を発行しているのですが、そこに各案件の概要と貸付額を掲載しているのです。これはドイツでも非常に珍しいことだそうです。日本では聞いたことがありません。

この公開性は、GLS銀行にとってはプラスに働いていると思います。自分のお金がどんなことに役だっているのか、預金者は知ることができ、成果を感じられればさらにファンになります。これはおひさまファンドにも参考になりました。おひさまと同じく、事業成果を視察する出資者ツアーも実施しているそうです。


すごくおしゃれな冊子です。子供向けのイラストなど一切なし。写真、デザインがかっこいいです。


冊子の巻頭の代表者。美人ですね~


3 お金に意志を乗せる

日本の銀行、ゆうちょなどでは、預けたお金に意志をもたせることが非常に難しくなっています。もしかしたら、原発推進の大電力会社や、CO2削減に反対している経団連の所属企業に流れているかもしれません。メガバンクへの貯金だとその可能性が高く、信用金庫や地方銀行ならその割合は少ないけれど、それでもどこの誰さんのどんな事業にお金が使われたか知ることはできません。(おひさまファンドのような「市民出資」であれば、出資金を「自然エネルギー事業に使う」ということははっきりしています)



4 民主的な運営

GLS銀行では、「組合事業」として金融業務を行なっています。「組合」では、いくら出資しようと「一人一票」の発言権です。株式会社だと、大株主が発言を持っているため、株を持っていても庶民は意思決定から排除されます。僕はこの話しを聞いた時に東電、中電、関電の株主総会を思い出しました。「原発から撤退」を求める株主提案をしらっと無視する議事進行が平然と許されていました。これは、大株主が原発推進を賛成していたからで、少数派に何を言われても経営陣は全然関係ないのです。

しかし、一人一票の組合総会であれば、どんな声も無視するわけには行きません。GLS銀行は現在3万人の総会参加の権限をもった組合員がいて、実際に参加するのは約800人だそうです。800人の声を聞く年次総会って、運営はかなり大変なことでしょう。開催場所を分けたり、数を増やして分散開催を検討していることでしたが、そうまでしても「みんなの声を平等に聴く」という民主制にこだわって、組合を続けているそうです。



日本でも、おひさまファンドやミュージックセキュリティーズなど、「市民ファンド」として、お金に意志を持たせて社会を変えようという活動が始まっています。将来はGLS銀行を手本に、社会的銀行もできてきたらいいですね。同時に、地域内で活動しているローカルな信用金庫があり、「信用金庫がグリーン(エコ)になる」、という方向も現実的だと思います。FITができて長期的な安定性が高い再生可能エネルギーの分野には、地域金融機関がどんどん資金を入れるようになるでしょう。GLS銀行でも市民のエネルギー組合への融資をたくさんしているのですが、「FITがあるので、太陽光発電事業については3つの指標を入れればある程度の事業判断が出てくるようにマニュアル化して審査している」というほどポピュラーなものになっているようです。長野県でいえば、飯田信金、八十二銀行、茨城で言えば常陽銀行、水戸信金の役割は大きくなります。ドイツのように個人や農家、中小企業がエネルギー事業の担い手になるとき、スムーズに資金を融資できるかどうか。FITによる20年間の安定した収入は、預貸率が50%程度の地方銀行にとっても、有力な貸出先になると思います。ちなみに、GLS銀行では75%近くまで貸し出したいと言っていました。

GLS銀行にはまだ日本の銀行関係者は視察に来ていないそうです。

我々が一番早いというのは、うれしいような残念なような・・銀行の人が視察されたら、本当に参考になると思います。