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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

稲の脱穀&ロケットストーブ作り

2012-11-26 | 田んぼ
 ↑ ガーコガーコと、足踏み式脱穀機で親子で脱穀。穂から、もみを弾き飛ばします。

今年初めて取り組んだ自然農のお米作り。
いよいよこの前の土曜日に脱穀をしました。

稲刈りは1月ほど前に埼玉からの友人の援軍を得て、無事に終了していました。
半畝の小さな田んぼですが、あまりにも草を抜けず、雑草の影響で稲穂の分げつが少なかった・・なので、稲刈りは3人で半日あれば十分に終わってしまいました。もっと大変だと思っていたんだけど。

そうして刈った稲穂は、束にして天日干しに。
3週間ほど干して、ちょうどよい乾燥具合になりました。
乾燥具合はどれくらいがよいのか、どうするのかなと思いましたが、師匠に習ったのは「試食してみる」こと。
籾殻を手で割いて、硬い米をかじってみます。「カリッ」と硬い歯ごたえなら、ちょうどよくなったということ。

足踏み式脱穀機は、やり始めると楽しくて、ガーコガーコといつまでも踏んでしまいます。


これは、お母さんと1才の娘の連携プレー。娘っこがわらを取って、足踏みしているお母さんに「はーい」と渡してます。
こういう手伝いがあると、格段に作業が楽です。
課題は、子どもはすぐに飽きちゃうこと。いかに、調子に乗らせるか・・

あとは籾摺り(もみを外して玄米にする)をすれば食べられます!
が、籾摺りは、12月の田んぼ講習の日にとっておくことになりました。
早く食べたいな~
7~8kgの収穫になりそうです。20kgぐらい行きたかったけど、来年にまた期待します。



それと、この日は師匠に金切りハサミを借りて、ロケットストーブも作りました!
近所のお菓子屋さんで廃棄される一斗缶をもらってきて穴を開け、煙突の部材をL字型に一斗缶に付けて、煙突の周りに園芸用のパーライトを断熱材として充填します。(くわしい作り方の一例はこちらのマンガ
断熱効果をもった煙突がL字型に立ち上がることで、火の吸い込みが良くなり、ロケットのようにゴーっと炎が上の口まで上がります。


2~3年前に聞いてから、ずっと作りたかったロケットストーブ。経験者に教わりながら試行錯誤してできました。

で、ぼくがやりたかったのは、このストーブでコーヒーを淹れること!
さっそくお湯を沸かして、カセットコンロで焙煎し、「炒りたて・挽きたて・淹れたて」の3たてコーヒーを振る舞いました。
いや~、これは美味しかった。
仲間で作ったカマドから作って一緒に味わうコーヒー、最高の味でした。
さすがにカマドから作ると、余ったお湯でさえもったいない!
僕は一人、白湯まで飲んでしまいました。エネルギーってやっぱり貴重ですね。


子どもたちは、穀物コーヒーでカフェ気分。


非電化コーヒー焙煎器をガスコンロで使用。生豆を真ん中の穴から入れて、火の上でシャカシャカと左右に振ると、豆が程よく回転して、焦げずに焙煎できます。屋外は風があり、20分くらいかかったけど、家の台所では5分くらいでできます。

次は、炭火でも対応可能にするための耐熱材(イソウールスリーブ)を煙突内部に入れて、ロケットストーブで炭火焙煎をした
「非化石燃料・非電化焙煎・3たてコーヒー」を飲みたいと思います。
うまくいったら、フリマイベントに出店しようかな。





雑談から学ぶ

2012-11-13 | いろいろ
仕事で、槌屋治紀さんという自然エネルギーの研究者をお招きして、講演会やバスツアーを企画する機会に恵まれました。
槌屋さんは、大学や研究機関に属することなく、独自に「システム技術研究所」という会社を作って80年代から温暖化問題のシミュレーションや分析をしてこられたそうです。90年代半ばには、IPCCの地球温暖化の研究に参加し、IPCCが2007年にノーベル平和賞を受賞した時には協力に対して感謝状も授与されています。

講演では、パンダのマークのWWFジャパンに依頼された2050年にCO2ゼロ(もちろん原発も0)ができるかという調査結果や、エネルギー狩猟型からエネルギー農耕文明へ、というような興味深いお話をきくことができました。

でも、もっと感心したのは、雑談時に「どうして民間企業を立ち上げたのですか?」という質問をしたときのこと。
槌屋さんが院生のころ、ちょうど全共闘時代で、デモにもしばしば行ったそうで、そういう経験の中で「会社に入るのは嫌だ」と考え、自分で会社を作っちゃったそうです。
原発についても、放射性廃棄物がどうしても物理学的に処理困難なことを悟って70年代当時から反対し、日本にはじめて「再生可能エネルギー」という言葉を翻訳して紹介することにもなりました。

嫌だ、と思ったことはやらないで、自分の道を行く。
シンプルだけど、すごいことです。

また、国際的な研究活動をされる中で、「自分はこう思う」という主張をすることで海外の有識者ともつながっていく。
国際会議に出るたびに、ご自分の論文を印刷して配ったそうです。
その結果、経緯ははぶきますが、女優のジェーン・フォンダにも会ったとのこと!

「自分の考えを外へ出して、コミュニケーションすることは大事だよ」
「若いうちに、興味持ったことはどんどんやるとよいですよ」
としみじみおっしゃっていました。

槌屋さんと回った自然エネルギーバスツアーのことは、改めて書こうと思いますが、
槌屋さんの生き方をお聞きしたのが、なんだか一番心に残っていて、まず記しておきます。