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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

spectator 最新刊

2012-06-13 | 
つくばでは知人が販売していた雑誌、spectator の最新刊が出ました。
といっても、飯田では入手できずまだ読んでいないのですが。
エコロジー、ヘンプ系ファッションのお店で売っているのかな?

ちなみにこの本の編集室は、東京から長野市に移転したそうです。
地方発、最先端なカルチャーですね。

気になる目次は以下のとおり・・
とくに、坂口恭平、非電化工房のところ、読みたいな~

つくばの方は、ぜひPEOPLEの植田くんからゲットしてください。

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特集 : GROW OUR OWN これからのコミュニティ

震災と原発事故から一年。私たちの暮らしに対する意識も大きく変わりつつあります。 衣食住、エネルギー、住まい、仕事、人間関係にいたるまで、これまでの日常生活を支えてきたあらゆるシステムを根本から見直し、より快適な生活環境を手に入れるにはどうしたら良いか?
そんな疑問を胸に、各地で芽生えつつある新しいコミュニティづくりの実践例や持続可能な暮らしのためのアイデアを取材しました。
熊本に移住した人たちの新しい暮らしをめぐるレポート、電気に頼らない暮らしの提案、永久持続可能な都市生活の新作法、電気や火をつかわない調理方法など、これからのコミュニティを考えるヒントがたくさん詰まった特集です。

■ Growing Communities KUMAMOTO
《坂口恭平、吉田ケンゴ、平山商店、トレンディバザール野うさぎ市、三角エコビレッジ・サイハテ、Oto & Ravi、屋台かふぇ とぅから家、山口次郎》 取材/青野利光 写真/グレート・ザ・歌舞伎町
■ アーバンパーマカルチャー講座 《講師・ソーヤー海》
人と自然とエネルギーとの関係を見直しながら永久持続可能な都市型生活を実現するためのデザイン作法 文/赤田祐一
■ Different Every Day 花子とプレイリー
日本とアメリカを拠点に「世界にひとつの器づくり」を目指す陶芸作家・中里花子の世界 文/内田理惠
■ 非電化×ヒッピー×月3万円ビジネス
非電化工房・藤村靖之インタビュー 電気を使わずに暮らすことは可能か? 『月3万円ビジネス』の著者が語る非電化生活のススメ 文/赤田祐一
■ ポスト3.12のコミュニティについて 思想家・矢部史郎インタビュー
震災後に名古屋に移住して放射線測定活動を続ける思想家が語る3.12以降のコミュニティのありかた 文/神田桂一
■ 旅人のためのアンプラグド・ローフード・クックブック
食に対する意識の高い人たちのあいだで注目を集めているローフード。電気や火を使わないレシピ紹介 構成・文/尹美恵
■ 塩キャラバン サハラ砂漠の遊牧システム
ラクダに乗って砂漠を旅しながら伝統的な交易を続けるトゥワレグ族に学ぶ持続可能な経済システム 文・写真/デコート・豊崎アリサ
■証言構成『COM』の時代 あるマンガ雑誌の回想 1967-1973 番外編
多くの新人漫画家を輩出した伝説のマンガ雑誌『COM』関係者による貴重な回想録 斎藤次郎、真崎守ほか 取材・文/赤田祐一

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テクテクノロジー

2008-11-18 | 
辻信一さんがいろんな人と対談するゆっくり堂のシリーズ本の2冊目で、
発明家の藤村靖之さんとの対談を収めたもの。

藤村さんは、非電化コーヒー焙煎器(電気でなく家庭用のガスの火で効率よく焙煎できるホウロクのようなもの)や非電化冷蔵庫(放射冷却の作用を利用した冷蔵庫)など非電化製品を発明し、途上国の支援などをしている人です。

単なる機械や商品の発明ではなく、いかによりよい社会へ役立つものを発明するか考えています。科学技術の使い方、生かし方を本質的に考えています。

「便利をたくさん得ると、何かがたくさん失われる。便利をすこし捨てると、何かをたくさん得られる。」

後半では、スローな発明の基本思想や社会起業家としての思想を提示していて、とても刺激的でした。

那須の非電化工房アトリエ、行ってみたくなります。
この対談シリーズは、とても本質的な話だけど読みやすくてお勧めです。

Re:S 10号発売

2008-11-15 | 
毎度紹介する、Re:Sの10号が出ました。

今回は、「木からしる」というテーマで、
木の家作りを尋ねる旅です。

日本の伝統的な木の癖、性格を生かした風土にあった家作りは、
高度経済成長以後、急速に消えていきました。
大学での林業の授業では、外国産の安い木材に押されて経済的にまったく成り立たない日本林業を悲観する内容に暗くなった記憶があります。

うちの近所でも何件か最近家が建ったけれど、1,2ヶ月で簡単に建ちます。
「パスッパスッ」とテンポ良く音が聞こえてくるなあと思ったら、
大工さんが屋根に上って、ビス(?)というか止め具を、まるでお店で商品に
値段シールを貼るがごとく、ぽんぽんと器械を当てて止めていく音でした。
そして、骨組みである柱と柱の接続箇所は、ボルトや金具を使っています。
素人目には、強い力がかかったときには木と鉄の強度の違いで一箇所に
力が集中して折れるんじゃないか・・と思いました。

特集の中では、固めの木と柔らかめの木を絶妙に組ませて作っていく、金属を使わない伝統的なやり方を熱く語る林業家のインタビューがあります。

今回も、護りたい「ふつう」を旅して提案している<Re:S>です。

江戸時代に学ぶ

2008-10-16 | 
「大江戸エコロジー事情」「大江戸リサイクル事情」を読みました。ほかにもいくつか大江戸シリーズがあります。

著者の石川さんは、これまで封建的で前近代の暗い時代として教えられてきた江戸時代に光を当て、江戸時代こそ日本が自立して循環型の社会を達成していたモデルケースだとして、関連するたくさんの本を出しています。

当時の日本の人口は約3000万人。
うち80%が農民で、石油エネルギーを使わずに、炭、風力、水車、人力や水牛など、過去1~2年に降り注いだ太陽エネルギー(炭や人の食べる食料)もしくはその他の自然エネルギーを基盤とした社会を作っていました。それでいて、江戸は当時世界にいくつもなかった100万都市であり、ロンドンやパリよりも衛生的で教育水準も高く、飢饉も少なく、貧富の差も少なくて物価も安定した社会だったことを、様々な事例から紹介しています。

その代わり、手間をかけて体をたくさん動かす暮らしでした。
都市で生まれる人糞は、周辺(といっても原宿がすでに農村)の農村から買い付けに来て回収し堆肥にして畑に投入するため、資源が循環し、都市は衛生的で農村の畑の地力は保たれます。カマドの灰すら買われて、畑に入れます。稲刈り後の稲わらでわらじや米俵を作り、くたびれたら集めて堆肥にしたり、燃料にする・・といったように徹底的に手間をかけて使い切ります。

今の農業は、トラクターやコンバインなど、石油エネルギーなしに成り立ちませんが、江戸時代はすべて人力。人の食べ物のカロリーしかかかりません。

石油、石炭、ウランといった化石燃料はすべて有限です。
ウランですら60~70年後にはなくなります。

本当の循環型社会を作るには、太陽エネルギー1~2年分のエネルギー(人力が必要とする食料はお日様で育ち、行灯用の油もその年に太陽を浴びて育った菜種からできます)ですべてを賄っていた江戸時代を振り返り、これからの暮らしのスケールをイメージすることが役に立つと思いました。

実際に戻ったら大変でしょうが、江戸時代に暮らしを体験してみたいなと思わせる本です。

スローフードの面白い本

2008-09-06 | 
スローフードを日本に紹介した島村菜津さんを迎えて、ナマケモノ倶楽部を主宰する辻信一さんが対談した本(そろそろスローフード)

工業化された食・農・畜・漁、グローバルな流通システムなどファストな経済システムを解説しつつ、日本でがんばっている生産者・レストラン・NPOなどを紹介し、食べ物を大事にする視点から様々な分野をつなげた社会づくりを語り合っています。

おいしい地場の食材を使って、人の交流の起点にもなるカフェが身近にあったらいいなと思いました。
スローフードは、エコでローカルなまちづくりでもあります。

本自体もぺらぺらのわら半紙のような紙を使っていて、持ち運んでも軽~く、かつおしゃれです。