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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

make the rule

2009-02-24 | いろいろ
先日、田中優さんの講演会に行ってきました。

つくばで講演していただいてから早1年。
日本の森林を活用し、健康によく、温暖化対策にもなる「天然住宅」の話や、大きな組織から自立した生き方の提案など、内容はさらにパワーアップしていました。
ちょうどケニアから帰国されたばかりで、冬のキリマンジャロに全く雪がなくなっていたという衝撃を元に、去年より相当強い危機感を持って語られていました。
 アフリカの草原に、今年は雪解け水が望めないかもしれません・・・



 日本の温暖化問題の話として、Co2の排出源は過半が発電所とセメント生産の事業所系であり、一般市民の生活を切りつめても根本的な解決にはならないことは、ふたたび解説されていました。

それに関連して、「日本でも、実際に地球温暖化を止めるルールを作ろう。本質的にCO2を減らすための仕組み・法律を作ろう」というキャンペーンの署名があったのでしてきました。

それが、MAKE the RULE キャンペーンです。
レディオヘッドのトム・ヨークをはじめ様々な人が賛同しています。
ちないにレディオヘッドは、日本ツアーをすべてグリーン電力でライヴしたそうです。
ぼくは特に熱心なファンではありませんが、そう知ると親近感がわきます。

ちなみに、ついに経産省が、太陽光発電の「固定価格買い取り制度」を導入するようです!
これは、ドイツなど欧州で飛躍的に自然エネルギーの導入を促進した制度で、初期投資が高い自然エネルギーの投資回収を保証するため、電力会社に高い値段で長期的に自然エネルギーを買い取らせることを義務化するものです。

詳しい情報がまだないのでなんとも言えませんが、骨抜きの制度とならないことを祈ります。
太陽光限定でなく、自然エネルギー(原子力は含まない)全般が対象となるとよいのですが。

・・
家庭の太陽光発電、高く買い取り 電力会社に義務づけ
2009年2月24日21時5分(asahi.com)

 太陽光発電設備の普及を促すため、家庭などで発電したのに使い切れなかった電気を1キロワット時当たり約50円で電力会社に買い取らせる制度が、10年度にも導入される。
今国会で法整備を目指す方針を経済産業省が24日発表した。
電力会社は現在、家庭の余剰電力を1キロワット時23~25円程度で自主的に買い取っている。
新制度は価格を2倍に引き上げた上で10年程度、電力会社に買い取りを義務づける。  
買い取りにかかった費用は一般の電気料金に上乗せされる。経産省は、標準的な家庭で毎月の電気料金が数十円~100円程度上がるとみている。  

ドイツでは、太陽光発電などによる電気を電力会社が1キロワット時約70円で長期間買い取る「固定価格買い取り」制度を導入し、新エネルギーの利用が爆発的に増えた。
そのため日本でも、同制度の導入を求める声が与野党から出ていた。

経産省はこれまで、「消費者の負担が増える」などとして制度の導入に否定的だったが、姿勢を転換した。  
国内では07年末で約44万戸の住宅に計155万キロワットの太陽光発電設備がある。
政府は昨年7月に決めた「低炭素社会づくり行動計画」で、太陽光発電の導入量を20年に現状の10倍、30年に40倍にするとした。
1月からは、家庭用太陽光発電設備に対する補助金(1キロワット当たり7万円)を復活させた。  
しかし、設置には標準的な設備で約230万円かかり、元を取るのに20年近くかかる。
経産省は、補助金制度に加えて固定価格買い取り制度を整えることで、初期費用を回収できるまでの期間を短くし、太陽光発電設備の普及を急拡大させたい考えだ。

ハルキのユウキ

2009-02-16 | いろいろ
好きな小説家の村上春樹さんが、イスラエルの文学賞を受賞しました。
そのエルサレムでの受賞スピーチで、年末からのガザ攻撃について、イスラエルを非難したそうです。
受賞をボイコットするよりも、そこに行って、発言することを選ばれました。

ガザのblog記事の時にも書きましたが、彼の最近の作品では、人の心の闇の部分を描いていると思っていました。
間単に悪いほうへ転がってしまう弱さ、怖さ。
その弱さを自覚して、その上でタフにならなくてはいけない。
そんなメッセージは、本物だったんだと思いました。

ユウキの出るうれしいニュースです。


>>受賞の講演要旨

村上春樹さんの講演要旨 

【エルサレム16日共同】

作家の村上春樹さんが15日行った「エルサレム賞」授賞式の記念講演の要旨は次の通り。

 一、イスラエルの(パレスチナ自治区)ガザ攻撃では多くの非武装市民を含む1000人以上が命を落とした。受賞に来ることで、圧倒的な軍事力を使う政策を支持する印象を与えかねないと思ったが、欠席して何も言わないより話すことを選んだ。

 一、わたしが小説を書くとき常に心に留めているのは、高くて固い壁と、それにぶつかって壊れる卵のことだ。どちらが正しいか歴史が決めるにしても、わたしは常に卵の側に立つ。壁の側に立つ小説家に何の価値があるだろうか。

 一、高い壁とは戦車だったりロケット弾、白リン弾だったりする。卵は非武装の民間人で、押しつぶされ、撃たれる。

 一、さらに深い意味がある。わたしたち一人一人は卵であり、壊れやすい殻に入った独自の精神を持ち、壁に直面している。壁の名前は、制度である。制度はわたしたちを守るはずのものだが、時に自己増殖してわたしたちを殺し、わたしたちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させる。

 一、壁はあまりに高く、強大に見えてわたしたちは希望を失いがちだ。しかし、わたしたち一人一人は、制度にはない、生きた精神を持っている。制度がわたしたちを利用し、増殖するのを許してはならない。制度がわたしたちをつくったのでなく、わたしたちが制度をつくったのだ。

(初版:2月16日10時6分)

天狗もなか

2009-02-16 | いろいろ
真壁のひなまつり」にいってきました。

旧真壁町(いまの桜川市)は、重要文化財に指定される蔵がいくつも残った、歴史のある街です。
筑波山のふもとの西側にあるこの地は、石の有名なところで、今でも石屋さんがたくさんありますが、街自体はすっかり寂れています。

しかし、古い歴史があるだけに各家の蔵には古い雛人形がありました。
「そのひな人形を店先、玄関先にかざって、遠くから来てくれるお客さんをもてなそう!」と7年前に始まったのが、真壁のひなまつりです。

ぱっと見ると「コンビニもない」「ショッピングセンターがない」「若者がいない」と、ないものねだりになってしまうような町ですが、そこを逆にあるもの探しをして、古い蔵、雛人形、レトロな雰囲気、和菓子、そして人々のおもてなしの心を活かしてひなまつりイベントを盛り立ててきました。
今では都内からハトバスが乗り付けるほどの人気です。

ちなみに、江戸時代のひな人形は、顔が小さく、妙にリアルで怖いです。



その真壁で、親戚が市村菓子舗という和菓子屋さんをやっております。
潮田家住宅という重要文化財指定第1号の家のすぐ近くにあるお店で、写真の「天狗最中」が名物です。
真壁の近くにある加波山の天狗(天狗党?)を由来とした、天狗の顔の形をした最中です。
髪を紫に染めた粋なおじいちゃんが毎朝こつこつ餡を作っています。
でも、残念なことに身体の不調で3月で引退するそうです・・
真壁のひな祭りに行く方、ぜひ最後の天狗最中を召し上がってください!

真壁のひなまつりは、3月3日まで開催。
となりのつくば市の筑波山梅まつりも2月21日から3月22日まで。今年の梅は早いので、3月3日ころは見ごろかもしれません。


変革の年

2009-02-01 | いろいろ
 (↑NPO南信州おひさま進歩が設置した、保育園の屋根の太陽パネル。公共施設の屋根を中心に160箇所に設置し、発電始業をおこなっています)

昨年秋からの金融破たん。オバマのグリーンニューディール。
化石燃料依存の不安。農業の先細り。

南信州は飯田市で、自然エネルギー推進の起業講座を受けてきました。

もっとも印象に残ったのは、市民バンク代表 片岡勝さんの、
「今年は変革の年。変化の先を読み、早く行動すること。」
そして「やってみればできる。狂気をもって、かつ理論化する。そして腕力が必要」



自然エネルギーの動向や環境ビジネスで起業した人の講義を受け、太陽パネルやバイオマスのボイラーを見学した後は、実際に起業プランを考えるワークショップ。
自然エネルギーハウスのコンサルティングや、農村暮らしの体験コーディネート、古民家修理体験ツアーなどなど、いろんなアイディアが出ました。

実際にIターンして古民家で暮らし始めたという、すぐにでも農村でできるビジネスを作りたい!という人がいたグループは、やはり内容も具体的で濃く、魅力的な提案でした。
ぼくの班は、残念ながらそういう気合が薄く、「経営としては成り立たないプランでした」とお茶を濁すものだったのですが・・講師からの講評は、「これならビジネスにできるのに、なぜ本気でやらないの?」
意外な言葉に、本気でやろうという機運が盛り上がりました。

また、飯田市の職員さんも参加されていて、趣味と仕事をオーバーラップさせていて大変刺激になりました。

普通と違うことを価値として、趣味のように仕事しようと思います。
その先に、新しいコミュニティビジネスがあるかもしれません。




今後もこの研修を毎年企画していきたいとのことですので、環境分野で仕事をしたい人にはお勧めです。
参加は無料で宿泊飲食費のみ。それでいて内容は最高に楽しく、仲間もできますよ。



飯田市は、「文化経済自立都市」を掲げて、新エネルギーや都市農村交流でかなり先進的な町です。市長さんも、「持続可能な街(とくに人材育成)」を目指して哲学をもったお話をされていました。

そのシンボルが、市の中心にある「りんご並木」。
戦後の大火で街が焼失した後に、当時の中学生によって植樹されたリンゴは、いまでも引き続いて中学生が手入れし、護り続けているそうです。
このリンゴ並木は、飯田の心の寄りどころとして、絶対に残していくとのこと。


写真は、ニュートンの万有引力の発見のリンゴの木の子孫。すごい!