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南信州で地域エネルギーに関わりながら思うこと

ご報告

2011-04-23 | いろいろ
大変遅くなりましたが、311後からこれまでのご報告をいたします。
今は埼玉にいますが、バタバタとしてきちんとご挨拶ができない方もたくさんいました。
この場からとなり、申し訳ありません。


3月6日に長女が生まれました。
名前は翠(すい)。
汚れのない美しいみどり、という意味です。
初めて抱き上げたとき、幸せそのものを抱いたような感覚でした。
環境の時代を生きる子どもになれるよう願いました。

そして、退院して翌日、311地震がやってきました。
市内でも停電・断水が続き、その対応に追われました。
誰も経験したことがない状況の中、支援物資の受け取りや搬出が続きます。

しかし、その間に福島原発の事故の状況が刻々と明らかになってきました。
ニュースでは、「原子炉は損傷しているが大丈夫」という報道。水素爆発の状況も静止画像。一方で、海外ニュースではすさまじい爆発の瞬間の映像を流しています。ネットでも危険な状況を伝える情報があふれていました。

妻は赤ん坊におっぱいを飲ませながら涙が止まりません。
僕も最悪の事態を考えると混乱しました。
後に書きますが、原子力のことは一般の方よりは知っているため、体内被爆のリスクは大きいと思いました。
職場の仲間には申し訳ないと思いつつも、ひとまず家族を連れて山梨県の友人宅へ避難しました。

山梨では空間線量の増加もなく、つかの間、落ち着くことができました。
しかし避難が一週間を超えると、いつつくばへ戻るか決めることを迫られます。

大変悩みました。
つくばで安心して赤ん坊を育てられるのか。

西には親戚はなく、友人宅にもいつまでもいられないし、家族を預けて僕だけ帰ることもできません。

同時に自分の仕事のことも考えました。
これだけ迷惑をかけて、戻って気持ちを入れなおせるのか。
そして一生続けられる仕事か。

僕は学生時代から環境問題をやってきて、ここ数年は縁あって「六ヶ所村ラプソディー」「ミツバチの羽音と地球の回転」という原子力エネルギーを扱ったドキュメンタリー映画の上映をしてきました。
その中で、地域に根ざした自然エネルギーを推進したいと思うようになりました。

数年内にはこれまでの仕事を辞めて、つくばで自然エネルギーを軸に地域活性化の事業をやりたいなと漠然と考えていました。

その思いと、避難している状況、これまでの縁が結びついて思い当たったのが、「おひさま進歩エネルギー」という長野県飯田市にある自然エネルギーの会社です。
ここで働きたいと思いました。
つくばではないが、地域に根ざした自然エネルギーの推進を、全力でできるところで人生をかけたい。

今のところおひさまさんですぐに働くことはできませんが、研修をさせていただきながら、関連した仕事ができないか模索中です。

ここまで決めて、3月末で市役所を退職しました。

つくばでは、15年のうちにたくさんの方にお世話になって幸せでした。そして、自分が思っていた以上に大きな期待をしていただいていたことを、退職してから知りました。
「相談して欲しかった」「何で出てしまうのか」「この地をよくしようという覚悟が足りない」・・。
強い批判もいただき、申し訳なく思います。
そして、期待がありがたいです。

大好きなつくばでこれまで作ってきたつながりが失われるのは寂しさでいっぱいで、つらいです。

しかし、運命だと思います。
新しい地で、新しい仕事を精一杯やりきることで、少しでも役に立ちたいです。
いつか、お叱りを受けた方にも何か伝わることを願って生きていきます。

「ミツバチの羽音と地球の回転」には、スウェーデンの自然エネルギーの地域づくりコーディネーターが出てきます。
トルビョーンさんという人が、地域資源を利用した自然エネルギーの活用を、地元の人を励ましながら進めていきます。
彼が僕の目標です。

つくばとは気持ちがつながり続けます。
どうかこれからもよろしくお願いします。

NHK エネルギー番組

2011-04-23 | いろいろ
http://www.nhk.or.jp/sakidori/
4月24日(日) NHK総合 8:25から8:57

サキどり、という番組にて、
長野県飯田市の「おひさま進歩エネルギー」が放送されます。

市民出資でローカルな太陽光パネル設置や小水力発電の普及をしている会社です。
地域での自然エネルギー推進のパイオニアです。
ぜひご覧ください。

電力自由化による自然エネルギー推進のために

2011-04-22 | いろいろ
 原発をやめて、地域に根ざした自然エネルギーを爆発的に広めていくには、電力の自由化が最大の鍵です。
 そのためには、これだけの被害をもたらした独占企業の東京電力は解体して、小さな発電会社が成立しやすい環境を整える必要があります。

 しかし、いまの原発事故の被害を補償するための政府案では、東京電力の地域独占が維持され、自然エネルギー普及の大きな妨げになります。
欧米のように自由化し、エネルギーシフトするために、ISEP(環境エネルギー政策研究所)が以下のような明快な声明を出しました。

震災の被害や復旧活動を伝える報道も大事です。
でも、事故に学んだ日本の未来を考えるには、この話はターニングポイントになると思います。

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「原発事故賠償スキーム政府原案の問題点」

原発事故賠償スキーム政府原案の問題点
1 東京電力の存続の既成事実化
 東京電力の「利益」から賠償資金をねん出するスキームであり、東京電力の再編成(発送電分離など)は事実上、不可能となる。また、東京電力の資産売却は「利益」減少となるため、東京電力のリストラを不徹底とし、賠償金は電気料金へ安易に転嫁される。

2 地域独占体制の存続の既成事実化
 東京電力は、地域独占体制を前提としたビジネスモデルで経営されているため、「利益」から賠償資金をねん出するスキームである以上、地域独占体制を変えること(全国一体の送電会社など)は、不可能となる。

3 金融機関の貸し手責任の免除
 金融機関は3月末の2兆円緊急融資も含め、自らの判断で東京電力に融資した。融資の全額回収は、東京電力の企業組織とビジネスモデルの存続が前提であり、金融機関の貸し手責任を免除するスキームとなっている。

4 全国民による賠償負担
 東京電力以外の電力会社も賠償負担金を支払うスキームは、電気料金を通じて全国民が賠償資金をねん出することを意味する。各電力会社の企業組織とビジネスモデルの温存(発送電分離や全国一体の送電会社の阻止)が、負担金支払いの見返りではないか。

5 被害者が人質になっている
 福島第一原発事故の被害者にとって、確実に賠償金を受け取るには、「東京電力の存続」と「東京電力の利益」を求めなければならないスキームである。被害者を「人質」として、東京電力の企業組織とビジネスモデルを防衛するスキームとなっている。

 以上のとおり、東京電力原発事故賠償スキームの政府原案は、東京電力をはじめとする電力業界と金融業界の利益を第一とするものであり、政府原案を作成したと思われる財務省と経済産業省の省益を第一とするものに他ならない。

 そもそも、もっとも緊急性の高い一元的な事故処理スキームの構築を後回しにし、緊急性の低い事故賠償スキーム(東電が仮払金の支払いを表明済)を優先すること自体が、大きな問題である。よって政府は、この政府原案を白紙に戻し、一元的な事故処理スキームを優先して構築すべきである。

 また、事故賠償スキームについては、東京電力の資産売却、役員(退任者を含む)の個人資産の全面提供、社員給与の大幅削減、元社員の年金の大幅削減など、東京電力があらゆる努力を尽くすことが大前提である。賠償不足分を政府が負担するにしても、スキーム構築に際して、電力業界の守護神で主要な「戦犯」である経済産業省は絶対に関与すべきでない。

【このプレスリリースに関するお問い合わせ】
特定非営利活動法人
環境エネルギー政策研究所(ISEP)
担当:飯田、田中

ポスト3.11、ポスト原発を生きるために

2011-04-10 | いろいろ
ぼくは「ナマケモノ倶楽部」という、スローライフを豊かに提案する団体に賛同して入っていますが、そのメンバーでもあり、オーストラリアでスローライフを送っているお母さんミュージシャン、アンニャ・ライトからのナマケモノ倶楽部へのメッセージがすごくよくて、転記します。

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どうやって、ポスト311を生き延びるか?
アンニャ・ライト

「 どうやって安全に扱うかだれにもわからない、しかも何千、何万年にもわたって、すべての生きものにとって測り知れない危険であり続ける、強毒性の物質を大量につくり、ため込む。どれほどの繁栄もそれを正当化することなどできはしない」 
(E.F.シューマッハ―『スモール・イズ・ビューティフル』より)

大惨事をもたらしたあの巨大地震と津波の後、日本と世界の人々が訊いた最初の言葉のひとつは、菅首相の「放射能漏れの報告はない」というものでした。私が本当に心配になったのは、まさにその時です。

私の予感どおり、菅首相が手にしていた情報は間違っていました。原子力安全神話をはびこらせるためにすっかり虚偽体質になっている組織には当たり前の、その場しのぎの嘘だったのです。

私はオーストラリアという、一応は安全な距離を隔てた場所から悲劇の展開を見てきました。菅首相は東京電力の幹部に「どうなっているんだ」と怒鳴る。東電は日本国民に、「放射能によって直ちに被害が出る危険はありません」と言う。南相馬市の市長は訴える。「政府は我々に何も言ってくれない。我々は孤立している。我々を見殺しにする気か」と・・・

そして、日本の庶民たちは言う。「こんな危険な目にあるくらいなら、もっと少ない電気で生きていきたい」と。

私はそこに希望を見るのです。この呟きが食卓での話し合いへとつながり、それが集まって反原発デモの耳をつんざくような大合唱へと育っていくことを。その声はやがて、これまであまりにも長く経済という巨大機械の効率性のために人間性を犠牲にしてきた権力者たちの耳に届くことでしょう。

もうみんな知っているのです。原子力は安全だというのが嘘だったということ。企業にとっては、政府にとっては、いのちより、経済的利益の方が大事だったのだ、ということ。

本当のこと知ることによって、私たちは自由になれるのです。
ある意味では、私たちは長年、この日のためを迎える準備をしてきたのでした。そう、だれもが、「生き延びる」ことを選ばねばならなくなる日のために。
ナマケモノ倶楽部をつくったのもそのため。「ナマケモノ的に生きる」とは、この地球を壊すことなく生きる術をあみ出し、実践することに他なりません。

では、今、私たちにできることは何でしょう?
自分の本能を信じること。
自分の声を見つけること。
地域・コミュニティとつながること。
亡くなったいのちを思い、喪に服し、
しかし同時に、いのちを祝うこと。

私たちの涙が溢れて、慈愛の海となりますように。
私たちの怒りが旧来の搾取のシステムを土台から揺さぶりますように。
私たちの愛が、孤立の中で未来への希望を見出せないでいる人々の心に届きますように。
そして私たち自身も、よりスローでスモールでシンプルな生き方へとシフトする勇気を見つけることができますように。

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一人一人のつぶやきや、食卓での話し合いにつながり、地域の声にそだち、大きな声になる。

明日、4月10日には、各地で原発やめようデモがあります。
4.10デモ 
・東京(高円寺、芝公園)
・鎌倉(鎌倉駅西口時計台前)
・名古屋(ナゴヤ栄の噴水前)
・富山(富山駅前CICビル前 )
・広島(中国電力前)
・熊本(阿蘇郡高森町上色見阿蘇フォークスクール)
・沖縄(那覇市県庁前広場)
・札幌(大通公園)


4月18日に、つくばでも、ツクろーかるとして話し合う機会を持ちます。(ぼくは事情で行けません。もう少ししたら報告します。仲間に託しています)

●第一回 つく茶会 4/18(月) 19:00~

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ツクろーかるにご縁のある皆さまへ

3/11に起きた東日本大震災から、早いもので3週間が経ちました。

残念なことに、私たちが心配していた事が現実のものとなってしまいました。

福島第一原発は、いまだ予断を許さない状態が続いており、いつ収束するかの見当もつきません。
放射能に汚染された水も海に放出されはじめました。

不安やいらだちを感じている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そういう気持ちをどこに向けていいのかも分からず悶々としている方もいらっしゃるかもしれません。

こんな時だからこそ、原発のこと、放射能のこと、これからのエネルギーのことなど、みんなと話したいと思いました。

第一回つく茶会を開催いたします。

話したい方、話を聞きたい方、どなたでも歓迎です。

ぜひいらしてください。

日時: 4/18(月) 19:00~
場所: 千年一日珈琲焙煎所
     つくば市千現1-23-18  ウイングパーク千現1F
      電話  029-875-5092
    ※要1ドリンクオーダー


来られる方は、事前に連絡をもらえるとありがたいです。
1000tkl@gmail.com


ずっとウソだったんだぜ

2011-04-09 | いろいろ
http://www.veoh.com/videos/v20903929fEBfp4MB

斉藤和義
自身による、原発批判のセルフカバー曲を投稿。
YOUTUBEとニコニコ動画では、すでにビクターにより削除されているそうです。
(うまく貼り付けられないので、リンク先を見てみてください)

「ずっとウソだった」(ずっと好きだった、のカバー)
この国を歩けば 原発が54基
教科書もCMも言ってたよ 安全です
おれたちをだまして 言い訳は「想定外」
・・・
ずっとウソだったんだぜ
ホント、ウソだったんだぜ
原子力は安全です♪


詳しくは、こちら記事を。
http://rocketnews24.com/?p=86408