キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

アメリカの学生:スポーツ選手は優遇されるべきか

2008-10-26 12:21:31 | アメリカの大学で教える

先学期も今学期も、スポーツ選手が何人か受講している。

今回のスポーツ選手のうち1人は、フットボール選手。他州からスカウトされてきたらしいが、ぱっとみた感じでは身体の線の細い選手。しかしキャンパスの記事を見てみると、足が速いらしくかなり活躍もしてきたらしい。

授業が始まって数日目、ボクはLearning Disabilityなので、サポートして欲しいと言ってきたのもこの学生。ところが、このLearning Disabilityに甘んじているのか、毎回授業にくるのが20分近くの遅刻だし、いつも遅れて入ってくることで他の学生の目も冷たい。もっと早くちゃんと来てね、と釘を押したが、一向に直らない。

そういう折に、スポーツ選手団のアドバイザーから、選手たちはちゃんとやっているかどうか伺いのメールがくる。いつも遅刻ばかりしているし、提出物も出ていないので、単位が取れるかどうか難しいと説明を加えておいた。私が言っても態度が改まらないので、コーチに伝わるようにしておいたが、効果はあるのだろうか?

フットボール選手たちは、毎回出席カードを持って教官のところにきて、ちゃんと出席していることを証明するサインをもらうことになっている。そういうことでもしないと、授業をさぼりはじめ、単位を落とし、スポーツ奨学金をもらえなくなるからだと思う。

授業以外に練習をするのは大変だと思うけど、奨学金をもらえずにアルバイトをかけもちしながらフルタイムで授業に出席する学生も大変だ。日本の親のように大学資金を援助してもらう割合が低いので、ローンをもらったり、バイトをかけもつ学生が多い。そうすると、スポーツ選手ばかりを優遇するのも不公平な気がするので、ちゃんとやって欲しいと思う。

スポーツ選手の多くには(特にフットボール選手)、試験準備やレポート作成を手伝ってくれるTutorがついているらしい。しかしそのような待遇があっても、本人が真剣に授業に取り組まないとついていけない。そういう学生たちをなだめすかし、卒業まで持っていくアメリカの大学のシステムには、日本の「甘え」のような感覚が感じられる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする