アメリカの大学は、中間試験のシーズン。この季節になると、Study guideを作って欲しいという学生からのリクエストが多い。日本の大学で勤務している時には信じられなかったことだが、何を重点的に勉強したらいいのか、どういう形式のテストなのか、キーワードのリストなどが掲載された資料のことである。
たまに、このようなStudy guideを作る必要はない、とポリシーを持つ教員もいるが、学生の受けは悪い。私も院生の時には、このようなStudy guideはありがたかったし、当てが外れることもなく、準備の時間を有効に使えて良かった。ただ、Study guideに出ていないことがテストに出された、と文句をつけてくる学生もいるので、あらかじめテストとの整合性を考えながら作成しなければならないという面倒さもある。
Study guideだけでなく、障害を持つ学生たちが平等に試験を受けられるように、この時期はいろいろ苦慮しなければならない。Disability Resource Center と連絡を取り合いながら、どのような配慮をしなければならないかを検討し、書類にサインをし、そのセンターに試験を送らなければならない。
たとえば私のクラスには、それぞれ目の不自由な学生が1人ずつ在籍している。音声によって試験を受けることを考えると、ハンディにならないように試験の作り方も工夫が必要になってくる。こういうことも新しい経験で時間がかかるが、私にとってはそういう障害を持つ人たちとの関わりで学ぶことも多い。
二人とも、非常に謙虚で礼儀正しく、相手への思いやりにあふれた学生である。一人は退役軍人らしく、かなり社会で苦労してこられた方と察するが、目が不自由な上でフルタイム(4科目12単位)の学生である。もう一人は、盲導犬を連れて授業に出席する学生。授業のプリントやPowerpointなどは、全てEmailで彼女に送るようにしているが、音声で全ての情報を得るのはさぞ大変なことと察する。
こういう学生たちに人生の勇気を与えられつつ、前向きにこの仕事を考えていきたいと思っている。