自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

武という字

2013年11月11日 | Weblog

 字を手で書くことが少なくなった。現に今、字を打っている。手で書くことが少なくなればなるほど、字の意味を忘れるのではないか。
 意味を忘れる前に、字を忘れることもある。やはり字は書かれなければと思いながらも、この文の字を打っている。
 以前に気になったのは「武」という字である。或る辞書によると、「武」は「弋(ほこ)と、足の形の止とからできて、ほこをもって勇ましく進むこと」とある。僕はこの意味を直感的にいぶかった。
 そこで、図書館で『漢字学』という古い本を見つけ調べてみたことがある。それによると、「そもそも武(勇気)とは軍功をたてれば戦いを止めること。それが本当の勇気である。だからこそ「武」という字を見よ。それは止(やめる)と弋(武器、いくさ)とからできているではないか。」
 武という字の本義は、武器の使用の停止にある。これが本義だと思う。
 本義を忘れた世界の武器をもてる荒武者たちよ、もういいではないか、戦いを止めるがよい。 武器を持たせた者どもよ、もういいではないか、戦いを止めるがよい。