菊 花 白居易(中唐)
一夜新霜著瓦軽 一夜 新霜 瓦に著いて軽し
芭蕉新折敗荷傾 芭蕉は新たに折れて敗荷は傾く
耐寒唯有東籬菊 寒に耐うるは唯だ東籬の菊のみ有りて
金粟花開暁更清 金粟(きんぞく)の花は開いて暁更に清し
(一夜明けると、初霜が降りて瓦がうっすらと白くなっている。
寒気に芭蕉は新たに折れて、やぶれた荷(はす)の葉も傾いた。
そうした中で寒気に耐えているのは、ただ東の垣根の菊だけ、
その菊の花はこの朝、いっそう清らかに咲きほこる。)
一読して、秋たけなわの朝の清々しい光景が目に浮かぶ。
朝晩、秋冷が続きます。お風邪など召されませぬように。