自 遊 想

ジャンルを特定しないで、その日その日に思ったことを徒然なるままに記しています。

落ち葉

2013年11月03日 | Weblog

 夏の間、太陽の光を吸い、活発に働き続けてきた落葉樹の葉は、秋風に散って土を覆う。
 土を覆う落ち葉は、土壌内の生物との合作で肥料になり、その肥料はまた根から吸収される。自然界の循環作用である。
 一説に、原生林の林床を踏む場合、両足の靴底の面積を約400平方センチだとすると、両足で8万匹もの生きものを踏みつけていることになるそうだ。森の土には、土壌ダニなどの小さな生物がそれだけ沢山いるということだ。それらの生物が木の葉を食べ、肥料を生産する有り様はまさに精密工場なみだと言わなければならない。
 都市部ではアスファルトやなけなしの土の上に散った落ち葉もすぐに掻き集められ、捨てられる。木の葉という栄養分の補給がないから土壌内の微生物も死に絶える。都市部の土は死んだ土になりつつある。
 命のこもっている木の葉の恵が忘れられつつある。忘れずに、木の葉と微生物の合作活動に思いをいたすことがあっても良いのではないだろうか。秋の夜長に。

 (どうしても気になるのが放射線汚染された葉っぱや落ち葉。山や森や林の除染はどうなるのか。)