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早食いは餓鬼の頃より竹の秋:加藤義秋
戦後食糧難を生き抜いた後遺症か早食い癖を引き摺っている。少ない品数が盛られた大皿は兄弟姉妹の戦場とも言えた。母親は人数分を計算して調理したのだが弟が余計に取った取らないとの争いになる。餓鬼とはすなわち己自身の時代であった。竹の葉がはらりほろりと散っている。あの日あの頃も遠い昔とはなった。飽食の時代を迎えても早食いの癖は直らない。:読売新聞「読売俳壇」2021年5月10日号所載
(竹の秋八十路の坂の万歩計:やの字)
<いらっしゃいませー俳句喫茶店・つぶやく堂ーどうぞお入りください>
早食いは餓鬼の頃より竹の秋:加藤義秋
戦後食糧難を生き抜いた後遺症か早食い癖を引き摺っている。少ない品数が盛られた大皿は兄弟姉妹の戦場とも言えた。母親は人数分を計算して調理したのだが弟が余計に取った取らないとの争いになる。餓鬼とはすなわち己自身の時代であった。竹の葉がはらりほろりと散っている。あの日あの頃も遠い昔とはなった。飽食の時代を迎えても早食いの癖は直らない。:読売新聞「読売俳壇」2021年5月10日号所載
(竹の秋八十路の坂の万歩計:やの字)
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