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野分過ぐ「卯波」跡地の黒きビル:太田佳代子

2020年09月16日 | 俳句
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野分過ぐ「卯波」跡地の黒きビル:太田佳代子
少し前に鈴木真砂女と言う女将が居酒屋「卯波」を営んでいた。かのお稲荷さんの横町である。小生も只の酔っ払いで出入りしていた。注文の魚が切れるとお隣の鮮魚店から直ぐ調達していた。壁際に俳誌「春燈」が何冊かあってこれを肴に親爺連中が喚いていたのが懐かしい。何時も隅の席には常連客が陣取って店内を見渡していた。女将の代も代りここも都市開発の波に飲み込まれ転居させられてしまった。跡地に建った黒きビルに台風一過の冷たい雨が降りしきっている。<居酒屋の仲居てる子や秋黴雨:やの字>:俳誌「春燈」:2019年12月号所載。
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