後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

世界に影響力があるという謎のイエズス会の修道院の探訪記

2015年09月06日 | 日記・エッセイ・コラム
イエズス会は近代においてさまざまな陰謀の首謀者と目されることが多かったのです。さらにイエズス会の世界的な組織の強力さとその影響力の大きさのゆえに、教皇とバチカン市国を陰から操っているとも言われます。
そこでいろいろな本を読み、そして東京にあるイエズス会の修道院を訪問してその活動の一端が判りましたので簡略にご報告いたします。
イエズス会はカトリック教会の男子修道会としては最大のもので現在世界中に20000人の会員がいます。
もちろん日本にも支部があります。そして上智大学、栄光学園(鎌倉市)、六甲学院(神戸市)、広島学院(広島市)、上智福岡中高の泰星学園(福岡市)などを所有し運営しています。これらの学校の理事長はイエズス会の神父です。
このイエズス会の創立は1534年です。創立メンバーの一人のザビエルが1549年に日本にキリスト教を伝えたのです。下の写真はよく教科書に載っているザビエルの写真です。

イエズス会の神父による東洋への布教活動については東洋文庫から出された何冊かの本で読んでいました。
しかし以前はイエズス会が日本でいろいろな活動をしていることは知りませんでした。
ところがカトリック小金井教会でイエズス会石神井修道院の若い修練者にお会いしたのです。
下の写真はこの若い修練者が聖なるパンを信者に与えている場面です。2010年の春頃から毎週、日曜のミサのお手伝いに修道院から小金井教会へ来てくれていたのです。

イエズス会については幾つかの本を読み興味があったので何度か立ち話をしました。素晴らしい青年です。そこで気楽な気持ちで、イエズス会石神井修道院の取材に行ったのです。
電話で訪問を申込みました。お会いして下さったのは塩谷恵策神父様でした。
下にイエズス会石神井修道院の玄関と神父様の写真を示します。



気楽に会って下さった塩谷恵策神父様は訪問するとすぐに修道院の隅々まで明るい態度で案内してくれました。修練者の食堂があり教室や図書館があります。そして聖堂とその入り口には和服姿のマリア様の像もあります。
下に聖堂とマリア像の写真を示します。



修道院という場所は一般人の立ち入り禁止の筈なので見学出来たことにびっくりしました。
修道院の案内後、塩谷恵策神父様からいろいろ話をお聞きしました。
博識な上、学問的に体系化されたイエズス会の歴史、修道院の種類とそれぞれの役割を明快にご説明して下さいました。何も知らない小生へ分かり易くお話して下さったのです。
そして世界中で現在も布教活動をしていて日本にも支部がありその建物は上智大学の敷地の中にあると教えてくれました。
イエズス会は各国に学校を作り教育事業に力を入れているそうです。
塩谷神父様は以前は栄光学園で働いていたそうです。この記事の彼の写真を栄光学園の卒業生が懐かしく思ってくれるように祈っています。
今日の記事の表題に「謎のイエズス会」と書きましたがイエズス会はj秘密結社でもなく実に開放的な修道会だったのです。
なお最後の写真に示した和服姿の聖母子像は8月31日掲載記事の「舟越保武の彫刻の世界・・・聖なる美しさと深い精神 」でご紹介した船越保武氏の作品です。船越保武氏は長崎の公園にある26聖人像を造った芸術家で、それに対して高村光太郎賞が1962年に与えられています。敬虔なカトリック信者でした。

最後にいきなり俗っぽい話に飛びますが現在アメリカ発祥のいろいろなチェーン店が日本や各国に展開しています。ファミリーレストランや大型量販店の経営思想の多くはアメリカで考え出されました。独創的な経済活動だと私はかねがね感心していました。
しかしイエズス会の活動を調べて行くとその各国への展開の仕方がアメリカの経済活動の世界展開の仕方によく似ているのです。
もしイエズス会の考え方が影響していたとしたら驚きです。文化や文明の奥の深さを考えさせられます。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)

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