鎌倉は妻が生まれ育った町です。妻が懐かしいと言うで何度も行きました。そのうち私の故郷のように感じるようになりました。
今日はそんな鎌倉の古刹の静寂の世界をご紹介致したいと思います。鎌倉の古刹めぐりの静寂の世界力を書きたいと思います。
鎌倉のお寺は円覚寺と建長寺の二つ以外のお寺は規模が小さくて質素なたたずまいです。京都の寺のように華やかでありません。静かな小さいお寺が沢山あるのです。古刹の静寂の世界です。
私はもう50年くらい前の中年になってからその魅力にとりつかれ何度も訪れました。円覚寺と建長寺をはじめ瑞泉寺、明月院、寿福寺、杉本寺、海蔵寺、報国寺、光明寺、などなど20位のお寺には何度も行きました。
ある時は鎌倉や逗子や江の島の宿に泊まり、まだ人のいない朝早くから、読経の声が響く境内を散歩したものでした。そして鎌倉のお寺から禅の精神を感じたのです。
そんな鎌倉のお寺を写真でご紹介したいと思います。

1番目の写真は円覚寺です。写真の出典は、https://www.engakuji.or.jp/about/ です。
円覚寺は臨済宗大本山で鎌倉時代後半の弘安5年(1282)執権北条時宗が中国・宋より招いた無学祖元禅師により開山されました
私は円覚寺の優しいたたずまいが好きで鎌倉に行くたびに訪れたお寺です。そして裏山に登り円覚寺の堂宇を見下ろしたものです。
円覚寺は北鎌倉駅の前にあります。鎌倉生まれの家内がまだ鎌倉を訪れたことの無かった私を連れて行った懐かしいお寺です。

2番目の写真は建長寺です。写真の出典は、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%BA%E9%95%B7%E5%AF%BA です。
このお寺は臨済宗建長寺派の大本山です。鎌倉時代の建長5年(1253年)の創建で、開基(創立者)は鎌倉幕府第5代執権・北条時頼でした。開山(初代住職)は南宋の禅僧・蘭渓道隆です。建長寺といえば隣にある「鉢の木」という和食の店にもよく寄ったものです。

3番目の写真は海蔵寺です。写真の出典は、http://c-saito.at.webry.info/theme/b81436e5da.html です。
このお寺は鎌倉駅の裏側にあり駐車場も広いので何度も行きました。鎌倉仏教らしい質素なたたず枚が魅力でした。

4番目の写真は光明寺です。写真の出典は、http://blog.takuzousuinari.com/?eid=674527 です。
この光明寺の山門だけは例外的に壮大です。浄土宗の本山の一つの「大本山」なので大きいようです。鎌倉の寺は円覚寺、建長寺とこの光明寺以外はとにかく小さいのです。お寺の雰囲気が侘しいのです。それは質実の世界なのです。
しかしその侘しさが何とも言えぬ魅力なのです。日本文化の底に流れる清冽の精神が強く感じられるのです。
その魅力にとりつかれて以来、何故、鎌倉のお寺はそのような雰囲気を持っているか考えてきました。
一番大きな原因は古来からの天皇や貴族のための仏教を改革し、武士や庶民の為の仏教にしたからです。分かりやすく言えば鎌倉時代に起こった日本の宗教改革が原因なのです。
この宗教改革は主に京都で起きましたが、その当時の政治権力が鎌倉にあったので、新しい宗派の寺を鎌倉に建てたのです。
その改革によって生まれた6つの宗派を鎌倉仏教と言います。1、浄土宗 、法然(源空)、2、浄土真宗(一向宗) 親鸞、3、時宗(遊行宗) 一遍(智真)、4、法華宗(日蓮宗) 日蓮、5、臨済宗、栄西、6、曹洞宗 、道元、の6宗派です。
現在、鎌倉にあるお寺の一覧表は末尾の参考資料にありますが、その大部分はこの新しい仏教宗派のお寺なのです。
古い時代に鑑真の開いた奈良仏教の宗派や、空海の真言宗や最澄の天台宗はその教義とは関係なく、天皇や貴族によって保護されたために京都にある寺院仏閣はどうしても華美なものになっているのです。
ところで、これらの宗派のお寺も鎌倉にもあります。真言宗や天台宗のお寺も幾つかあります。
しかしそれらのお寺も質素なたたずまいです。鎌倉の武士や庶民の信仰の対称になったいたので、華美な雰囲気はありません。
さて、鎌倉のお寺を訪れると「鎌倉五山」とか「京都五山」という言葉が出てきます。
当時の政治権力者が新しい禅宗の臨済宗の寺院を格付けし、管理コントロ-ルをする制度で選ばれたお寺です。第一位の建長寺から順々に円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺(第五位)というランクがあったのです。幕府が住職を任命していたのです。
現在の政教分離の考えからあまり尊敬すべき制度ではありません。
しかし、この鎌倉五山のお寺も贅沢とはほど遠いたたずまいを見せています。
そんな鎌倉なので茶道も盛んでした。お寺の僧たちが茶道を愛したのです。現在でも抹茶を出してくれる店があちこちにあります。
鎌倉のお寺めぐりの魅力は「質朴の世界」にあるようです。日本人の心の琴線を掻き立てるのです。勿論外国の観光客もこの精神世界に触発され鎌倉を再訪する人も多いのです。
今日は鎌倉のお寺を写真とともにご紹介致しました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)