後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

今日も武蔵野の雑木林をさまよい歩いて来ました

2012年02月20日 | 写真

若い頃、国木田独歩の「武蔵野」という本を読みました。

明治時代にロシア文学が翻訳され、ロシア大地に広がる白樺や広葉樹の林の美しさが日本へ紹介されました。それに触発された国木田独歩が東京の西に広がる武蔵野を何度も、何度もさまよい歩いて、その四季折々の雑木林の美しさを書いたのです。

仙台で生まれ育った私にとっては、武蔵野の雑木林は憧れの的になってしまったのです。

しかし、実際にそれをゆっくり見たのは26歳になって、武蔵野の一隅に住みつくようになってからです。

それ以来、春夏秋冬、時間さえあると車を駆って武蔵野の雑木林の中にわけ入ります。車を林の入り口に置いて、1時間、2時間とさまよい歩くのです。

国木田独歩の武蔵野の本を思い出しながら歩き回ります。そしてロシアの大地に広がる白樺林やその他の広葉樹の林のたたずまいを想像しながら散策します。

北海道で見た白樺林やクヌギ林を思い出します。そして札幌の北海道大学の植物園にあるハルニレの大木の林も思い出します。北海道大学の農学部のそばのポプラ並木も思い出します。その並木も老化で枝が急に落ちるので先年から立ち入り禁止になったようです。

そんな事を取りとめも無く考えながら、今日も武蔵野の雑木林の中を独りさまよい歩いて来ました。場所は八王子市の小宮公園です。

写真をお楽しみ頂ければ嬉しく思います。

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孤独な老人の毎日の幸せ・・・若い人々にはその幸せが想像出来ない!

2012年02月20日 | 日記・エッセイ・コラム

人間というものは、その年齢になったみないと判らないことが沢山あるものです。

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例えば夫婦になって、新婚、中年、そして老年と一緒に時を過ごしてみないと男女の関係の深さが本当に判りません。途中で離婚した人から反対意見が出そうですが、まあ、そういう事にして置きましょう。

自分も充分に老人の年齢を重ねていると、その毎日が幸せなことに吃驚しています。若い時や中年時代より幸せな感じがヒシヒシとするのです。その心理状態を説明しても若い人には理解して貰えません。「朝、目が覚めると、生きていることに感動し、幸福感に包まれるのです」「夜床に入り眠りにつく前に今日一日無事に過ごせたことを感謝します」と書いても若い人は笑い飛ばしてしまいます。若者にとっては、それが何故幸せなのか理解出来ません。老人になるとその幸せが実感出来るのです。毎日、実感するのです。

老人になると人生の厭な事は綺麗に忘れ、楽しかった思い出だけになるから幸せなのです。この境地は若い人には分かりません。

現役の間に、気楽に仕事をしていは、首になって、お金を貰えなくなるのが普通です。仕事の現実は厳しいものです。しかし引退してしまえば、そんな苦労は雲散霧消です。

もうう一つ重要なことは仕事の上でお世話になったり、師として指導してくれた恩人たちが皆旅立ってしまいます。

別れは悲しいものです。思いかけない温情を頂いたことに感謝しています。いくら感謝しても感謝しきれません。

しかしそのような人々の優しさや助けが、自分にとってはそこはかとない束縛だったのです。重荷だったのです。そのような方々がみな旅立ってしまった後は、温情だけが思い出として残ります。束縛から解き放たれるのです。そして全ての恩人があの世で優しく待っていてくれるのです。

子供を育てる苦労もとうの昔に卒業しました。

数え上げればキリがないので止めます。結論は「多くの老人は幸せだ」という事です。もちろん例外もありますが。

私は時々、山林の中の小屋に行き、近所を散歩します。すると老人が一人で住んで居る小屋が7軒もあります。何時も会うわけではありませんが、時々はそのような孤独な老人に会います。例外なく幸せそうにしています。家族は都会にいても独りで暮らしている人もいます。老境の幸せを楽しんでいるのです。したにその家の写真を2つだけ例として示します。

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・この上下2つの小屋の西側は崖になっていて、川が流れています。そして、その向こうに白く雪に覆われた甲斐駒岳の秀峰が見えるのです。

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・そして私は下のような小屋の窓から小さな庭をボンヤリ眺めているだけで幸せなのです。そんな状態は若い時には想像も出来ませんでした。バーベキューをしたりビールを飲んだりする時こそが幸福な時だとばかり信じていたのです。

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それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。

後藤和弘(藤山杜人)

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