政治の季節【稗史(はいし)倭人伝】

稗史とは通俗的な歴史書等をいいます。
現在進行形の歴史を低い視点から見つめます。

見苦しすぎる自民党

2009-07-30 17:46:32 | 自民党
民主党のマニフェストに対する攻撃にも熱が入ってきた。
攻撃できるのも明日自民党がマニフェストを発表するまでのことである。
しかし、実際に政治の運営に当たっている政府の面々が自分たちの実績を訴えるわけでもなく、ただひたすら民主党攻撃に精を出している有様は、”見苦しい”としか言いようがない。

民主マニフェスト、自民が総攻撃「我々以上のばらまき」 (asahi.com 7/28)

首相は28日の閣僚懇談会で「民主党は財源も説得力を欠くし、まるで打ち出の小づちがあるかのような表現になっている。安全保障も国会での態度とマニフェストが全く変わった。基本政策でぶれているのではないか」と民主党の財源論などを批判した。


麻生が民主党に向かって『ぶれている』と言った。
一度言ってみたかったんだろう。
とにかくずいぶんと言われてきたから、一度ぐらいのお返しではまだ不足かもしれない。
「我々以上のバラマキ」というのもおかしい。

与謝野財務相は「選挙用のフライ・フィッシング(疑似餌を使った魚釣り)みたいなもの」と酷評し、「子ども手当は2人いれば60万円以上。誰が払うのかの答えが出ていない。財政はおそらく破綻(はたん)状態になる」と指摘した。

麻生の言うことなどだれもまともに受け取らないから、何を言わせておいてもかまわない。
しかし、財務大臣の発言となるといささか影響もあるだろう。
民主党のマニフェストの4年後の必要額16兆円に対して、”財政が破綻する”!
この国の財政はそれ程危ないのか?
財源は無駄の排除と予算の組み替えでまかなう、という民主党の主張に対しては耳を傾けず、まるまる歳出増になるかの口吻である。
それにしても、これしきの歳出増で国家財政が破綻するのか!
財務大臣が国家財政の破綻をいとも簡単に口にする!
日本という国の信用にもかかわる。
そもそも、これしきの歳出増で破綻するような財政状態にしてしまったのは自民党ではないか!

いくら自分の選挙が危ないからといって取り乱し過ぎではないか。
一国の財務大臣が毅然としていなければ、国の信用は地に落ちる。

その他の大臣達も、それぞれの受け持ちで民主党批判をしている。

金子国交相はガソリン税などの暫定税率廃止について、「地方の道路(整備)に相当ブレーキをかけることが許されるのか」と懸念を表明。石破農水相は戸別所得補償制度に「財源は公共(事業を)削るなら、農業生産、コストダウンに必要なインフラ整備はどのように考えているのか」と指摘。舛添厚労相は年金記録問題について「私がやっていることをそのまま続ければ2年でめどがつく。自民党のマニフェストにも『来年末までにめどをつける』との言葉を入れたい。総理にも説明した」と語った。

しかしこれでもまだまだ足りないと見える。

民主公約、財源を徹底批判=選挙用の「反論集」作成へ-自民 (jiji.com 7/28)
自民党は28日、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)について「財源の説明がない」などと批判を噴出させた。自民党は政務調査会を中心に「民主党政策反論チーム」をつくり、各部会で財源をはじめ問題点を徹底分析。来週中にも「反論集」を取りまとめ、選挙区に散った立候補予定者に配布する方針だ。


この期に及んで、「民主党政策反論チーム」なんか作っているより、地元に帰って後援者への挨拶回りでもしていたほうがいいと思うんだが。

舛添氏らを幹事長特別補佐に 自民、テレビ対策 (asahi.com 7/29)
自民党は28日、舛添厚生労働相、中曽根外相、林経済財政相の参院議員の3閣僚を幹事長特別補佐に起用すると発表した。細田博之幹事長とともに、各党幹事長らが出演するテレビ討論などを担当。知名度の高い舛添氏を前面に打ち出す狙いもある。前回郵政選挙では竹中平蔵経済財政相(当時)らが同じ役割を担った。


細田をテレビに出しても自民党の逆宣伝になるだけだということにようやく自民党も気がついたようだ。
そこで桝添に白羽の矢を立てたと言うことらしい。
一応、大臣はやらせているが、何をやらせてもまとめられない。
達者なのは口だけである。
とりあえず、民主党のマニフェストの悪口を言わせておくにはうってつけである。
記事にもあるように、なるほど竹中平蔵とはいい勝負である。

総選挙を目前にして、自民党の頭上には二つの黒い雲がかかっている。
一つは民主党のマニフェストである。
そしてもう一つは麻生太郎である。
その存在そのものが自民党の恥になり傷になる。
表に出したくないが、官邸にじっとこもっていられない男にはまわりも手を焼いているようだ。

「オウンゴール避けて」官房長官、「失言癖」首相にくぎ (asahi.com 7/29)
「いよいよ天下分け目の戦い。オウンゴールだけは避けてもらいたい」。河村官房長官は29日、東京都内で開かれた自らの支持者向けの会合でのあいさつで、麻生首相が総選挙の演説や論戦で失言をしないようにくぎを刺した。

 首相はこれまでも失言や発言のブレを批判され、今月25日にも「元気な高齢者は働くことしか才能がない」と発言して釈明に追われたばかり。河村氏は「(首相は)時々サービス精神旺盛で言葉足らずがあったりして指摘を受けることが多々ある」。首相発言が本意と違う趣旨で受け取られやすいとの見方を示した。


官房長官の心配も麻生には馬の耳に念仏である。
心配にも色々ある。

遊説録:バカな人はだめ--伊吹文明・元自民党幹事長 (毎日jp 7/30))

(29日)

 ◇伊吹文明・元自民党幹事長(新潟市)
 失言をしたり、字を読み違えたりしないように、バカな人を党の役職や大臣に就けないように(衆院選立候補予定者の会合で)


言ってることは非常に正しい。
しかし、こんなに正直にホントのことを言っていいのか?
いくら麻生だって、自分のことだということは分かるだろう。




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12 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (abc)
2009-07-30 21:12:02
政治に関係してこんなHPがあります。あくまで参考までに。もしご存知でしたらごめんなさい。
http://www35.atwiki.jp/kolia/
http://www15.atwiki.jp/houdou/
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Unknown (ponnsuke)
2009-07-30 21:52:14
外国人参政権に関してはどう思っていらっしゃいます?民主党と同じくやはり賛成!?日本に敵対意識を持った儘の状態、若しくはそうせざるを得ない状態を考えた場合の参政権の怖さ、考えたことがありますか?8014
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Unknown (らむちゃのパパ)
2009-07-31 03:01:44
民主党の政策では、財源がないというのではなくて、天下り外郭団体や天下り先の大企業が食えない、あるいは天下り官僚を養えないというのが正しい意味ではないかと思います。退官時に有り余る退職金に年金も出るのだから、彼らにはボランティアで世田谷派遣村や世の中の奉仕の仕事をしてもらいたいものです。
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Unknown (Ping)
2009-07-31 14:47:29
自民が民主に対するネガキャンに精を出すのは、郵政選挙の際の民主ネガキャンビラが大きな勝因になったと完全に勘違いし、それに気づかず味を占めているからです。
加えてあれだけの内紛があり、野党になれば権力を失い金も集まらなくなって四分五裂という状況にもなってきますのでネットの工作員含め皆必死なのです。もうネガキャンをすればするほど哀れにしか映らないのですけれど、それにも気がつかない有様です。
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ジミンに財源を言う資格なし (「気弱な地上げ屋」)
2009-07-31 15:31:53
yamame様
お久しぶりです。
今日から復帰しました(笑)。
財源以外に攻撃材料が無いのは、わかりますが、有権者を少し甘く見過ぎているようです。
収入(税収)以上の借金(赤字国債)が、自公政権の主な 「財源」 であることは、高校生でも知っている事実でしょ。
「無駄遣いや借金依存体質の自民倒産には言われたくありません!」という、ゆっきーの反論の仕方は正解だと思いますよ。
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麻生政権誕生こそが (scotti)
2009-08-02 02:39:33
麻生政権の誕生そのものが自民党のオウンゴールです。
国民生活をここまで破壊して、政策はA評価の自民党政治にレッドカードです。
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ponnsuke様 (亭主)
2009-08-02 22:37:09
>外国人参政権に関してはどう思っていらっしゃいます?

人種・民族・国籍等の前に、人は人としてその存在を尊重されなければならない、とわたしは考えます。
外国人参政権の問題も出発点はそこに置かれるべきだと思っております。

>日本に敵対意識を持った儘の状態、若しくはそうせざるを得ない状態を考えた場合の参政権の怖さ

またわたしはその「怖さ」というものを現実的な怖さとして実感しておりません。
少なくとも地方参政権程度では騒ぐほどのことはないと思っています。
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らむちゃのパパ様 (亭主)
2009-08-02 23:07:24
天下りを禁止してもそれで困る国民は一人もおりません。
困るのは、天下りする役人と、役人の協力で権力を維持してきた自民・公明の議員達そして天下り受け入れ先の企業・団体だけです。

天下り禁止は単に彼等の人件費の節約だけではありません。
彼等が天下り先の企業・団体に持参する有形・無形のお土産もなくなるということです。
その金額は膨大になりますが、自民党は都合の悪いことは無視しています。
とにかく自民党は財源問題以外の武器を持ち合わせていないのです。
これ一つで民主党のすべてを攻撃できると、まるで万能薬として使っています。

アメリカでは強欲資本主義という言い方がされますが、さしずめこの国では”強欲官僚主義”と言えるでしょうか。




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Ping様 (亭主)
2009-08-03 05:44:40
自分の方に売り物があればネガティブキャンペーンも効果があるかもしれませんが、自民党の場合はただみじめなだけです。
これまで野党は自民党政治に対するチェック機能程度しかもっていませんでしたが、すでに立場は逆転しております。

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気弱な地上げ屋様 (亭主)
2009-08-03 06:01:56
これまで口をそろえて”財源”で民主党を責めてきた自民党の連中は、自分の方のマニフェストにちゃんと”財源”が書き込まれると考えていたのでしょうか。
自民党のマニフェストで、本気で勝負になると考えているのでしょうか。
多分”無いよりはマシ”程度に思っているかも知れません。
国民に言わせれば、”ない方がマシ”ですが。
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