フランス人観察記録

日本人から見て解ってきたフランス人の考え方、行動についての覚書

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ムッシュは「拗(す)ねた」

2012年03月04日 | パリ16区

パリ到着の翌日、凱旋門近くのアパルトマンから、16区の高齢のムッシュに会いに行った。

 

前年訪ねた時は会えなかった。アパルトマンの下まで行ったがインターホンに応答がなかった。管理人の女性に彼の様子を聞いたが、病気とかではないと言う話だった。

 

日本から電話をしても留守番電話のみで通じない。FAXしても返事が来ない。手紙では少し心の病気だと言うことだったが、こう言っちゃ何だがどうも怪しい。

 

その前の時パリに来た時に会って、帰るまでにもう一度会う約束をした。ところが旅程の後半になると、日程的に厳しくなり、「今回は会えなくなった。御免」と電話した。

 

私が考えるに、ムッシュはこのキャンセルを怒っているのではないか。ムッシュとしては「折角後半に会えると楽しみにしていたのに、他の人たちと会うので日が無くなったとはけしからん。」と言うわけだ。

 

つまり「拗(す)ねた」のだ。

 

さて当日アパルトマンに着いてみると管理人の女性が玄関のかぎを開けてくれて、部屋まで通してくれた。

そこで久しぶりにムッシュに会ったが、彼はまだ日本の浴衣を着たままだった。

 

彼は照れくさいのか、午前中は体調が良くないと言って早々に私を追い出したが、私のパリ滞在中の後半でまた会おうと言う約束になった。シャンゼリゼのカフェ「フーケ」で会うことになったが、彼の指定する待ち合わせ場所は何時もここだ。

今度すっぽかしたらもう絶交の可能性があるなと思った。

 

帰りにマルモッタン美術館に寄った。印象派のマネやモネなどの絵があった。

 

 

 

美術館を出て、パン屋さんでサンドイッチを買い、公園のベンチで食べたが美味しかった。

今夜のディナーは御呼ばれが決まっているので、昼はこれくらいが適当なのだ。

 

招待先は、その前年日本旅行の際に我が家の夕食に招いた時、しゃぶしゃぶを「美味しい。美味しい。」ともう一人のムッシュが呆れるくらい食べてくれたその「食いしん坊の・・・」という形容詞を贈呈したムッシュの家に行くことになっているのだ。

 

このムッシュは食いしん坊だけど、それだけに料理の方も相当の腕だと聞いているのだ。

 

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交渉?ノン!抗議だ!

2012年03月01日 | パリ郊外

このカップルについて、書き忘れていたことがある。

彼らが素朴で心温かい人だということは前述のとおりである。

 

「どう?日本の滞在では問題なく過ごしている?」と尋ねたとき、こんな話をしてくれた。

成田着で、スタートさせた彼らの日本旅行は、多くの外国人がそうするように、JR乗り放題(のぞみとみずほ以外)のパスを利用しての周遊であった。

「うん東京も京都もとてもいい滞在であったよ。ただ唯一のトラブルを除いては」

 

「何かあったの?」

「実はJRパスの使用開始日が一日ずれていて、東京から京都までの新幹線は現金で払ったんだ」

それは彼らの日程の中で一番料金が高い区間である。

「なぜそんなミスが?言ってもダメだったの?」

「フランスで手配した会社のミスだよ。だからその時は説明したけれど、払うしかなかったんだ」

言葉の問題もあるのかと思ったが、規則厳守はある意味仕方のないことなのか?

 

「でも帰国したら、手配した会社に交渉してみる?」と私が聞いた時だ。

彼は「交渉?ノン、抗議だよ。当然、その費用は返してもらう」ときっぱりと言った。

 

お人好しそうにみえる田舎育ち?の彼でも、そこはフランス人である。

「抗議」なのだ。

 

パリに帰ったあと、もちろん抗議、そして返金してもらったらしい。

 

個人主義ととかく言われるフランス人であるが、パッケージ旅行や宿、レイルパスなどをパリの旅行社で手配をする人も多く、時々アクシデントがあるようだ。

その時の彼らの対応は一貫して同じである。

相手のミスはあくまでも抗議である。

革命で自由を勝ち取ったレジスタンスの国であることを、こんなことからも感じるのである。

 

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