たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

サッカーW杯の威力

2006-05-30 10:24:27 | Weblog
 中日新聞によると、バングラデシュの首都ダッカにある工科大学で、学生数百人がワールドカップ期間中に予定されている試験の延期を求め、副学長事務所を包囲した。バングラデシュは今回のW杯には出場しないが、熱狂的なサッカーファンが多いという。学生達は試験を1カ月延期するよう求めたが、大学当局はこれを拒否し規定方針どおり実施すると発表した。これに対し学生は「大学側が試験の予定を変更するまでは包囲を解かない」と反発。大学の要請で警官隊が出動したが、強行排除には踏み切らず、結局、根負けした当局は大会終了後のまで授業を中断することを決めたというものだ。
 日本ではちょっと考えられない話だが、学生側を横着と見るか、大学側を弱腰と見るかその判断が難しい。しかし国民に熱狂的なサッカーファンが多いというお国柄からすると、学生側にも大学側にもさほどの批判はないというか、むしろこの一連の経過を愉快に思っているかもしれない。われわれはあまり生真面目に考えないほうが良いようだ。

分母を小さくしたら

2006-05-29 13:19:11 | Weblog
 分数の問題で「分子を一定とした場合分母を小さくすればどうなるか」との問に対し、答えは「数値が大きくなる」である。これは小学校の算数で習う。国民年金保険料の徴収率に関し、現在全国各地の社会保険事務所でこのことが問題となっている。
 近年国民年金の保険料を納めない人が激増しているので、国としてはなんとか徴収率を80%まで上げたいとして、各地の社会保険事務所を督励した。しかし思うように徴収率を上げることができない。そこで、分母となる「保険料を納めなければならない人」を精査し、「とりあえず保険料を収めなくてもいい人」を取り除き、分母を小さくする手段に出た。本来徴収率を上げるということは、保険料未納の納入義務者にきちんと納入してもらうように働きかけ、未納者を減らしていくことである。しかしこれには労力と時間がかかる。
 そこで考えたのが数字の調整だけで徴収率を上げる方法だ。これなら事務室の中だけでやれる。だがこれでは粉飾決算だといわれても抗弁できない。また、「とりあえず保険料を収めなくてもいい人」が本当にそうなのかも疑われる。そこには仕事に対し真摯に取り組んでいる姿勢が全く見られない。おざなりの数字合わせがあるだけだ。

学力も二極化か

2006-05-28 12:19:57 | Weblog
 「日本の教育を考える10人委員会」が実施した義務教育アンケート(28日付中日新聞)によると、子どもの学力について「勉強ができる子」と「できない子」の二極化が進んでいると感じている人が64%、その中70%近くが、その原因を「家庭の所得格差」と考えていることが分かった。
 学力の二極化が進んでいると答えた人のうち66%の人が塾や予備校などの費用が出せるかどうかの所得格差が影響するとしている。費用が出せる家庭の子女は「勉強のできる子」となり、そうでない場合は「できない子」になる傾向にあると考えているようだ。
 能力別にクラス編成する「習熟度別学習」については、賛成の人が48%で、子どもを大学院まで進ませたいと考えている人に限ると賛成が64%に上り、高学歴志向の親ほど習熟度別に肯定的な傾向が見られるようだ。
 「地獄の沙汰も金次第」ということわざがあるが、学校教育の世界でもこのことわざが通用するというのか。しかし、塾へ通うことなく自分で勉強に励み、難関を突破した例がないわけではない。ただ、能力別にクラスを編成する習熟度別学習については、一見差別に見えるが、理解が進んでいる子を退屈させるような学習システムは見直すべきではないか。伸びる子はどんどん伸ばしてやることが必要だ。

天候不順で野菜がピンチ

2006-05-25 13:32:15 | Weblog
 今年は年明け以来不順な天候が続いたが、5月に入り、特に連休明け以降は曇りや雨の日が多く日照時間が極端に減り、きゅうりや白菜の生育が遅れスーパーでの価格は通常の値段より50%以上高くなっている。また、魚類ではまいわしの漁獲量が極端に減少しているため価格が高騰し、庶民の手の届かない高級魚となっている。これらの身近な生鮮食料品は他の食品とは異なり、主食と並んで日常欠かせない食品であり、家計にとっては大きな痛手となっている。一方では少子化で学校給食用のミルクの消費が減り、また、飲料に対する嗜好の変化などで牛乳の消費量がここ数年激減してきており、余った牛乳を大量に廃棄するなど酪農家は悲鳴を上げている。
 農水産物は気象条件や人口動態、時代の嗜好性の変化などに左右されるので、生産者にとっては苦労が絶えない。

無職の子を持つ親の税金

2006-05-23 11:25:09 | Weblog
 現在、収入が一定以下の親族なら年齢に関係なく扶養控除の対象となる。従って無職無収入(ニートなど)やフリーター(年収130万円以下)の子がある場合は扶養控除の対象となり、親(扶養者)の収入にもよるが、年3~7万円税金が安くなる勘定になる。しかしこうした人達を扶養控除の対象から除外することが検討されている。
 自民党税制調査会では、成人した子どもが経済的に自立しないまま、親が生活費を負担しているケースも控除対象となっているのは制度の趣旨から外れるとの判断と、小子化高齢化による労働力の減少を補うため、ニート、フリーターを抱える世帯の税負担を増やすことで、若年層の就労を促進する狙いもある。
 ニートやフリーターの中にはいろいろな人がいる。働かなくても食っていける人、必要な時だけ働きあとは気楽に人生を楽しむ人、定職に就きたいがそれが出来ないでいる人などがある。
 税制調査会の考え方は分かるが、定職を求めて必死になっていてもなかなか職にありつけない子の親にとっては酷な話になる。

実績を挙げた人か努力した人か

2006-05-21 15:26:54 | Weblog
 内閣府が発表した「社会意識による世論調査」によると、「高い地位と多くの報酬を得るのはどんな人が望ましいか」を質問したところ、「努力した人」と答えた人が60.0%(前回02年50.9%)、「実績を上げた人」と答えた人が27.6%(前回35.5%)だった。一方「現実に多くの報酬を得ている人はどんな人か」質問したところ「実績を挙げた人」と答えた人が51.0%、「努力した人」と答えた人は21.5%だった。
 この調査結果から見ると、社会意識としては「努力した人」が「高い地位と多くの報酬を得るのが望ましい」が現実は「実績を挙げた人」が「多くの報酬を得ている」と感じていることになる。要は結果だけで評価されたくないと考えている。
現在企業では、企業への貢献度を評価して報酬や昇進を決める実績主義が主流となっており、「実績を挙げることはできなかったが、そのためによく努力した」と、その努力した過程を評価し、それに報いるケースは少ないようだ。実績は客観的な判断が可能だが、努力の評価は主観的な部分が多い。
 今まで人々は、努力し実績を挙げた人が報われる社会を求めて来た。その結果、富の配分が偏り、結果として報われる者とそうでない者との間に格差が開いてきた。これを当然の結果と受け止めるべきか、不平等と受け止めるのか、その判断が難しいところだ。

肩身の狭い靖国参拝

2006-05-20 11:01:33 | Weblog
 報道によると、来日したアナン国連事務総長は、日本と中国、韓国の歴史問題をめぐる対立について、「問題を解決すし、前進するには、大胆かつ寛容なジェスチャーが必要だ」と述べ、小泉首相による靖国神社の参拝中止を含め、各国が関係改善に向けた具体的行動を起こすべきだとの見方を示唆した。
 ポスト小泉と目される人たちの靖国神社参拝に対する考え方が大きな関心事となりつつある。経済団体は日中間の経済関係を懸念し、次期総理は靖国神社参拝をすべきでないとする団体も現れた。中国、韓国との関係を改善するためには靖国神社参拝をすべきではないとするの立場と、もともと靖国神社を参拝しない立場とでは本質的な違いがある。
 この問題の根本的な解決は、靖国神社参拝することと日本の過去の侵略戦争を肯定することとは異なるということを中韓両国に理解してもらうことだが、現状では不可能のようだ。

ダ・ヴィンチ・コード

2006-05-19 14:48:12 | Weblog
 世界的ベストセラー小説「ダ・ヴィンチ・コード」が映画化された。封切り間近になって各国のキリスト教徒から上映を差し止める声が上がっている。この映画はキリスト教を冒涜しているというのが理由だ。原作(著者ダン・ブラウン)は、イエス・キリストがマグダラのマリアと結婚し、その子どもの血脈が現代まで続いている仮説を元にした推理小説だ。これに対し「うそと中傷に満ちている」などの批判が出ている。
 中日新聞の報道によると、フィリピンのカトリック司教協議会が「信者の動揺を招く」と懸念を表明。マニラ教区の大司教は「イエスに対する攻撃だ」と憤っているという。米カトリック系団体「ヒューマンライフ・インターナショナル」のアイテナウア代表はこの映画に抗議し、映画を配給しているソニー・ピクチャーズエンターテイメントに関連しているソニーの製品をボイコットすることを表明。それも世界のカトリック信者10億人規模のボイコットにしたいといっている。
 こうした宗教を題材とした作品は、心の問題だけに、先のムハンマドの風刺漫画でイスラム社会を怒らせたように、表現の自由はあるとは言うものの、多くの人を傷つける結果になる。

奈良は心の古里

2006-05-18 10:10:52 | Weblog
 寺院や社殿が建ち並ぶきらびやかな京都に比べ、奈良は自然の中に包み込まれ、霞の中に寺院や五重塔がぼんやり浮かんでいる、そんな落ち着いた雰囲気がある。参道脇の茶店やみやげ物を売る店も素朴なたたずまいで、気分をゆったりさせる。さわやかな風が新緑の薫りを運んでくる。胸いっぱいに心地よい空気を吸い込んで散策する気分は何物にもかえがたい。

春日大社の藤

2006-05-17 11:02:38 | Weblog
 春日大社の藤を観に出かけたが時季が遅く藤は盛りを過ぎていた」。しかしまだ花は残っており、赤い回廊を背景に咲いているところを見ることができた。
 春爛漫の奈良公園を中心に散策する。修学旅行の生徒達が大勢来ていた。昔、修学旅行といえば京都奈良が定番だったが、今ではディズニーランドなどの人気が高いという。古の日本を知る上に最適な京都や奈良を見て回ることは、修学旅行として最もふさわしい場所のような気がするが、どうもそうばかりはいかないご時世のようだ。