たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

涙の母と金英男氏

2006-06-30 11:06:04 | Weblog
 テレビで見ると、28年ぶりに会った金英男氏の母親崔桂月さんが、息子を抱きしめ涙にむせぶ姿は、見る者の胸を打つものがあった。一方の金英男氏は穏やかな笑顔で母親の肩を抱き、冷静に話しかけていた様子は28年ぶりに会った感激的な親子の対面とは程遠いものがあった。
 自分のことについては、拉致ではなく海難救助されて北朝鮮へ来たこと、ここでは大学まで出させてもらい、今では要職について人もうらやむ生活をしていると語り、めぐみさんとの経緯も、彼女は精神障害が原因で自殺したと淡々と語っていた。その手馴れた語り口や態度から察すると、所属する組織の中でそれなりの位置にあることを窺わせる。
 結局北朝鮮のプロデュースどおりにことが運び、主役を演じた金英男氏の優等生ぶりが目立つ結果となった。金英男氏の家族にしてみれば、当人が北朝鮮で相当な待遇を受け、満足して生活しているのであればそれ以上言うことはないことになる。
 韓国のマスコミは、拉致については事実と異なると報じているようだが、韓国の国情ではそれ以上この問題は追求されないだろう。残念ながらこの問題に関する北朝鮮の日韓分断策はそれなりの成果があったことのなるのか。

金英男さんの家族、北朝鮮へ出発

2006-06-28 10:47:15 | Weblog
 報道によると、横田めぐみさんの夫の可能性が高い韓国人拉致被害者、金英男さんの母、崔桂月さんら家族が金英男さんと再会するため北朝鮮の金剛山へ出発した。プレゼントの品々を買い込んで、一刻も早く息子に再会したいと、その喜びを語っている様子がテレビでも放映されていた。母親は78歳になり、よもや息子に会えるとは思ってもいなかったようだから、その喜びははかり知れないものがあるに違いない。再会にはめぐみさんの娘キム・ヘギョンさんも参加し、金英男さんが再婚した妻とその子供も同行するという。
 このことについては横田夫妻の心境は複雑なものがあるに違いない。再会の場ではめぐみさんの消息も話題として出ると思われる。それに対して北朝鮮は従来の死亡説をくり返すことが予想される。金英男さんの母や姉を盛大にもてなし、この件について北朝鮮の誠意を強調して幕引きとなる可能性が大きいのではないか。
 横田夫妻と崔桂月さん家族とが一緒に拉致問題に取り組む方向が、今回の再会実現で変わってしまうことのないことを祈るばかりだ。

サラリーマンの疲れ

2006-06-27 10:52:59 | Weblog
 「大豆ペプチド健康フォーラム」が既婚の男女サラリーマンの疲れについてアンケート調査結果を発表した。
 それによると93%の人が「とても疲れている」か「やや疲れている」と感じており、その疲れの原因を職場と家庭分けて調査してみると、職場における疲れの原因で最もおおきいものは男女とも「人間関係」57%、「仕事量」52%で他の原因と較べて突出している。次に女性では「PC・OA業務」20%、男性では「外部との折衝・交渉」22%だった。
 次に「家庭でも疲れを感じる」と回答したのが76%あり、内訳としては女性82%、男性69%と、家庭では女性の疲れが目立つ。家庭での疲れの原因は、男性の場合は「妻が口うるさい」36%、「片付けろとうるさい」25.4%、「関心のない話を聞かされる」25.0%などであり、女性の場合は「家のことに非協力的」40.5%、「片付けない」28.6%「生活のリズムがあわない」26.3%となっている。
 では疲れを感じて家に帰ったときに、パートナーから掛けてもらうと嬉しいのはどんな言葉か質問したところ、男性では「無理しないでね」44.6%、「お疲れ様」32.8%といった、妻の気遣いを感じる言葉が最も多く、女性では「ご飯を作ってあげようか?」42.6%、「肩揉もうか?」40.3%という夫の言葉を期待しているものが多い。
 男女ともに職場でも家庭でも疲れを感じており、疲れをどこで癒せばいいのだろう。参考に、疲れを癒してくれそうなタレント有名人TOP3では、男性の場合、1位明石家さんま、2位小池徹平、3位ペ・ヨンジュのみなさん。女性では1位黒木瞳、2位仲間由紀恵、3位優香のみなさん。

賃金制度、成果主義に軍配

2006-06-23 11:11:40 | Weblog
 会社が成果主義に基づく賃金制度を導入した結果、給与を減額させられたのは不当として、電子機器メーカーの社員3人が、同社を相手に減額分の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は22日、支払いを命じた一審判決を取り消し、請求を棄却した(中日新聞23日朝刊)。
 同社は2001年4月賃金体系を年功序列型から成果主義型に改め、3人を降格し、給与を4万―8万円減額した。ただし経過措置として1年目は降格前との差額全額、2年目は半額を支払ったが、3年目以降はそのまま減額したというものである。これを不服として訴えたが、判決は、同社の新しい賃金制度について、平等な機会を保障しているとし内容の合理性を認めた。
 成果主義に基づく賃金制度は、従業員の所得格差拡大につながるとの声がある反面、努力した者が報われるのは当然で、その結果、ある程度格差の広がるのはやむを得ないとの考え方に立つ者も多い。競争原理なくして社会の進歩は無いのも明らかだ。

今年の新入社員の意識

2006-06-22 16:53:12 | Weblog
 財団法人社会経済生産性本部が本年度新入社員を対象に「働くことの意義」について調査した結果が公表された。それによると、彼等の生活観は自分らしくポジティブに生きることを志向しており、現在の社会情勢を的確にとらえて行動していることをうかがわせる。
 まず、就職先の企業を選ぶ基準は「自分の能力、個性が生かせるから」が全体の30%でトップ、以前多かった「会社の将来性」は調査開始当時27%だったものが7%と大幅に低くなっている。
 就労意識については「仕事を通じて人間関係を広げてゆきたい」が95%(複数回答)で1位、前回10位にあった「職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外は付き合いたくない」は最下位の13位となっている。
 職場での“生きがい”についての問いに対して、「仕事が面白いと感じる時」(28%)が1位、「賃金、福利厚生、作業環境が良いとき」0.7%と低かった。
 デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするかの問いに対して、「デートを止めて仕事をする」が80%で1位、「残業を断ってデートをする」は19.5%だった。この場合女性だけを見ると85%で男性の77%を上回っている。男性に較べて女性はまだまだ弱い立場にあるとの認識からか。
 これらの結果から見ると、社会への第一歩を踏み出した若者の意識は極めて前向きで、人生をトータルにとらえ、会社に対する依存心を離れて、自分自身の能力を高めることに心がけるなど、今の時代をいかに生きるかを真剣に考えていることが分かる。

自衛隊サマワ撤収

2006-06-21 15:18:09 | Weblog
 2年半にわたりイラクに派遣され、サマワにおける復興活動に従事していた陸上自衛隊が撤収することになった。当初イラク派遣に関する憲法上の問題が国会で論議されたが、政府与党は結論を見ぬまま野党の反対を押し切って派遣に踏み切った。しかし現在まで最も恐れた隊員から1名の犠牲者を出すことなく撤収を迎えることができたのは喜ばしい限りだ。
 報道によれば現地における自衛隊の活動に対する評価はまちまちである。給水、道路の修復、学校の建設修理などサマワにおける自衛隊の功績は大きいとするものから、恩恵を受けた者はほんの一部の者に限られ、全体としては期待したものとは程遠いといった手厳しいものまであるようだ。
 一般的に自衛隊のイラク派遣は米国の意向に追従したものだという意識が根底にあるため、日本の陸上自衛隊の誠意ある復興活動に対する評価が低いのは残念だ。イラクの他の地域と比較すると治安がいいとは言え、危険を冒して活動してきた自衛隊員の功績は大きい。わが国の自衛隊にとってもイラクでの一連の活動を経験したことは大きな収穫である。

商業捕鯨再開支持

2006-06-20 10:53:05 | Weblog
 国際捕鯨委員会総会は18日、1982年に決定した商業捕鯨一時禁止は「もはや必要ない」と主張、商業捕鯨再開を支持する内容の宣言を1票差で採択した。しかし宣言には拘束力は無く、商業捕鯨が再開にはなお4分の3の賛成が必要であるが、再開に向けての動きであることは確かなようだ。
 我々の世代は戦後の食糧難時代、牛肉などは口に入らず、もっぱら安価な鯨肉を食べさせられていた。赤黒く独特の臭いがある鯨の肉やそのベーコンを当時はあまりおいしいとは思わなかったが、今では商業捕鯨禁止のあおりを受けて鯨肉が希少価値化し、値段も高く庶民の食卓から消えてしまった。今では鯨などを食べずに牛肉を食べよという時代になっている。
 捕鯨禁止は乱獲による絶滅の危険性、動物愛護、鯨を食べる習慣に対する感情的反発などが理由のようであり、捕鯨大国日本は特に批判にさらされてきた。しかしここに来て、繁殖した鯨が餌として大量の魚類を食べ、沿岸国の食糧確保に影響を与えているとも言われている。まだ当分は議論が続くようだ。

テポドン2号発射?

2006-06-19 15:20:12 | Weblog
 北朝鮮がミサイル・テポドン2号を発射するとの観測に日米などの関係国が事態を見守っている。
 米国の衛星写真には発射準備が着々と進んでいる様子が映し出されているという。北朝鮮のミサイルは射程距離も大幅に伸び、アメリカ合衆国全土がその射程範囲に入るようになったといわれている。このミサイルに核弾頭を搭載できるようになれば米国にとって脅威となり、北朝鮮に対する国際関係は一気に緊張する。北朝鮮としてはこうした脅威をちらつかせることによって対米交渉を有利に導こうとしているのは明らかだ。関係国は何とか発射実験を取り止めさせようと中国などを通じて働きかけを行っているようだ。
 しかしこうした北朝鮮の常套手段に対して取引するのは相手の思う壺にはまるだけだ。国際的に孤立させるといつ暴発するか分からないという恐れから、その都度何かを与えるのでは解決にならない。陸続きで元来一つの民族である韓国にとってはできるだけ穏便に解決したい意向が強いのも当然だが、それにつけ込むのは許せない。
 これではイランにも見られるように、核を持たなければ国際社会に対し有効に働く発言力が得られないとの風潮がますます広がって行く。

アメリカ牛肉輸入再々開

2006-06-17 10:06:36 | Weblog
 アメリカ牛肉輸入再開直後、背骨の混じった牛肉が混入しており、米国の検査体制に疑問が生じ再び輸入が停止された。その後米国は日本向け輸出牛肉の検査体制について再度の見直しを行い、検査の体制が整ったとして日本側に輸入再開を迫っている。
 政府は輸入再開に向けて、畜産団体、食品業者団体、消費者団体、専門家などの意見を聴いて決断しようとしている。それぞれの意見は出身母体の考え方を代表したものであり立場によって異なるが、輸入再開は時期尚早との意見が多い。
 食の安全は最重要課題ではあるが、どの程度までそれを求めるかである。100%安全はどんな場合もあり得ない。また、食の安全を大義名分として輸入再開を遅らせることにより自分達の利益を守ろうとする意図があってはならない。安くておいしい牛丼で昼食を楽しんでいた人達はアメリカ牛肉の輸入再開を待ち望んでいる。輸入されたアメリカ牛肉を購入するかどうかは消費者の選択に任せるしかない。

高齢者医療対策

2006-06-15 10:50:34 | Weblog
 かつて映画化もされた小説「楢山節考」(深沢七郎著)の中に出てくる主人公である年寄りのおりんは、70歳に達した年寄りは「楢山まいり」と称して山に捨てられるという土地の風習に従い、拒む息子を叱咤し、まだ丈夫な自分を息子に背負わせて山に捨てさせる。昔の貧しい山間部の農民は日々の食糧にも乏しく、70歳に達した年寄りを口減らしのためにそうせざるを得なかった時代の悲しい物語だ。
 時代こそ違え、現代においても高齢者対策は大きな社会問題である。高齢者の負担増などで医療費を抑制する医療制度改革法案が、昨日の参院本会議で可決、成立した。その中には新たな高齢者医療制度の創設がある。75歳以上の全員が加入する新たな公的医療保険を創設することにより負担の公平を図ろうとするものだ。高齢者医療に対する税負担は大きく、その軽減のため高齢者の自己負を増やさざるを得ない。高齢者に対する税の軽減措置も徐々に無くなっていく。
 「年寄りは早く死にましょ国のため」という川柳を聞いたことがあるが、医療技術の発達のおかげで寿命は伸びたものの、そのために年金医療面での国の負担が増え、悪戦苦闘しているのも皮肉なものだ。高齢者が「ピンピンコロリ」であれば問題は無いが、長期間寝たきりで医療のお世話になりながら死んでいくのは社会にとっても本人にとっても不幸なことだ。