たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

議員宿舎

2007-04-28 05:55:34 | Weblog
 赤坂に建設された議員宿舎が問題になっている。特等地に建つ1室80㎡のマンションの家賃は、通常価格なら月50万円はするが、議員宿舎の場合は9万円となっていることについて批判の声が渦巻いている。その理由とするところは、そもそも税金から高い報酬を得ている議員にその上こんなに豪華な宿舎を安く提供する必要があるのか、という感情論だ。議員は議員で有権者の反発を恐れて入居をためらっているため、新設の議員宿舎は今のところがら空きの状態だという。中には質素なアパートに入居し粗末な夕食を食べているところをテレビに撮らせるパフォーマンスを演じている議員もいる。
 議員に対する国民感情の中には「我々有権者が投票してやったから議員になったのだ。だから議員は我々の下僕だ。」という感情がある。昔は1票を投じる代償として一杯飲ませよなどと言う乱暴な話もあったが今ではそれはできない。その代わり就職の世話、行政への口利き、仕事を回せ、入札に便宜を図れなどの要求から地域の道路や施設の建設要求まで数限りない。従って議員は地元要望に追われて金帰月来の忙しい毎日だ。地元への利益誘導も、有権者あっての議員だから仕方ないとは言え、こんなことでは肝心の国のあるべき姿、国の行く末について論じている暇がない。
 こんな風潮が起こるのは有権者に非があるのか、それとも議員に非があるのか。投票は国家の経営を委ねる行為である。有権者は、票を入れる候補者に信頼と尊敬を抱いていなければならない。見下しとへつらいの関係からは良いものは何も生まれない。

栗東市の新幹線新駅はどうなる

2007-04-23 11:32:50 | Weblog
 昨日行われた投票で、新幹線新駅問題を抱える滋賀県栗東市議選では推進派が多数を制した。昨年の選挙で推進派の市長が当選したが、市議会も推進派が多数を占めることとなり、中止・凍結派が多数となった滋賀県議会との関係が今後どうなるか注目される。
 昨年、新幹線新駅建設中止・凍結を掲げて当選した嘉田滋賀県知事は推進派が多数を占める議会との対応に苦慮したが、先の議会選挙で中止・凍結派が多数を占めたことで建設が遠のいたと思われた。しかし新駅建設に関する利害関係の最も深い地元では推進派が多数を占めることとなり、再び難問に直面することとなった。
 広域行政と地域行政との対立に調和点を見出す作業は極めて難しい。放射性廃棄物の最終処分場の候補地として手を上げた東洋町長は今回の選挙で落選した。候補地に出される多額の交付金で町民の福祉の向上を図りたいとの考えは町民に受け入れられなかった。
 行政の施策はすべからく費用対効果(費用の中には金銭以外のマイナス効果も含まれるが)をあらかじめ広く徹底的に議論し、それを公に明らかにしてからその是非を決定するのでないと、後で事業の中止・変更を迫られ、膨大なムダを産むことになり、それこそ「もったいない」。

特待生

2007-04-22 10:54:44 | Weblog
 特待生とは、広辞苑によれば「学校において、成績・人物優秀で他の学生の模範であるため授業料免除・学資給与などの特典を与えられた学生」とあり、我々の年代では特待生は尊敬の的であった。
 現在では特待生の制度は学問の分野ばかりではなく、広くスポーツの分野でも活用されている。高校や大学では学校ごとの特色を生かして各種のスポーツに力を入れている。そして学校の名を全国に広めるため、得意とするスポーツ種目における全国制覇に向けて選手の強化訓練に励んでいる。強いチームを作るには素質のある選手を全国から募る必要があり、そのために特待生の制度が取り入れられている。
 ところが高校野球でこの特待生制度が問題となっている。日本学生野球憲章第13条には「いかなる名義であっても他から選手、部員であることを理由に学費、生活費その他の金品を受取ることができない」とされており、これに対する規程違反が発覚した専大北上校は野球部を解散した。大会参加を自発的に辞退した東北校もそうした背景があるのではないかと言われている。高野連ではそうした違反がないか全国調査に乗り出している。
 スポーツの分野における特待生制度を禁止しているのは野球だけのようで、他のスポーツに関しては特に規制はないようだ。「なぜ野球だけが」という疑問が湧く。高野連では「それが他のスポーツとは異なる野球の伝統だ」と言っている。高額な契約金でプロの世界へ入るチャンスの多いのは野球が群を抜いており、そんなこともあて学生の時の金品授受に対し厳しく規制しているのは分かるが、これは組織関係者の問題で、野球部の解散や、対外試合の禁止などは、今まで厳しい練習に打ち込んできた部員の心情を思うと彼らが気の毒でならない。

外交術とはやっぱり相手の弱みにつけ込むことか

2007-04-15 10:19:04 | Weblog
 北朝鮮の核放棄に向けた「初期段階措置」の履行期限である4月14日が過ぎた。
米国は北朝鮮の金融凍結を解除し、制裁がなかったのと同じ状態に戻した。イラクやイラン問題で手一杯のアメリカにとっては、何としても北朝鮮の核放棄だけは前進させたいと、不法な資金のマネーロンダリングを黙認することになるとの国内からの批判を押し切る形で金融制裁の解除に踏み切った。しかし金融制裁の解除手続きが遅れていることにあれほど非難していた北朝鮮が今のところ資金を引き出した様子はないようだ。
 米国が北に対して譲歩を重ねれば重ねるほどその弱みにつけ込まれる。この調子では「初期段階措置」の履行も1カ月程度先延ばしされるのではないか。金融制裁の解除を確認してから30日先とすればそんな勘定になる。一説によれば「テロ支援国家」の指定をはずすことも履行の条件として持ち出しかねないとも言われている。拉致問題を六カ国協議からはずすためには、米国が「テロ支援国家」のレッテルをはがすことが必要だ。
 北朝鮮の外交のしたたかなことは、この一連の六カ国協議の推移を見れば分かるが、北の強硬な態度がこのまま続くと、核を持たない国々に対し「核は持ってしまえば勝だ」との印象を与える危険性がある。ことの成り行きしだいでは、今後新たに核開発に取り組み始める国々が現れるのではないか。

2007-04-13 13:32:12 | Weblog
 中国の温家宝首相が来日した。そのにこやかでソフトな振る舞いは評判がいい。国会での演説も友好的ムードが色濃く出ており、小泉首相の時代とはたいへんな変わり様である。
 中国は故事やことわざの引用が上手だ。今回の温家宝首相の来日は「氷を溶かす旅」だという。中国のことわざに「厚い氷は1日ではできない」というのがあるそうで、現在の日中関係のように冷え固まった氷のような関係は長い時間の末にそうなったとの例えだ。昨年安倍首相が就任後最初に中国を訪問したことが中国側から大変評価され、安倍首相の中国訪問を「氷を割る旅」とされた。
 小泉首相時代の5年間で厚い氷が張り、安倍首相がその氷を割り、温家宝首相が氷を溶かすということになる。温家宝首相は中国でも庶民派として親しまれているようで、来日中も早朝に公園でジョギングしたり、太極拳をしたりして市民と気楽に接している様子が放映されている。しかしあの中国で巨大な共産党組織の中からナンバー2までのし上がるには、その笑顔の裏に競争に打ち勝つ才能と強い意志が隠されているに違いない。
 今回の訪日で氷は溶けたとの評価が高いが、時間をかけてできた厚い氷は、溶かすにもかなりの時間がかかるのではないか。またいつ寒気団が発生するかもしれない。日中双方にとってこれからが正念場だ。

滋賀県議会選挙の結果、新幹線新駅はどうなる

2007-04-09 09:52:00 | Weblog
 今回の統一地方選挙で一番注目されていたのが東京都知事選だったが、今回も2位に大差をつけて石原知事が三選された。テレビでは自民、民主が対決した知事選の結果に報道が集中している。
 そんな中で、昨年「もったいない」として新幹線新駅設置反対を掲げて当選した嘉田滋賀県知事が、滋賀県議会議員選挙に自分と同じ考えを持つ候補者を立て今回の選挙に臨んだ。この「嘉田チルドレン」と称される候補者の結果はどうだったか。
 嘉田氏が滋賀県知事に当選した時には新幹線新駅は栗東市内に設置されることが決定しており、新駅の工事が始まって、駅前広場の用地買収も進んでいた。議会には新駅推進派の議員が多数存在し、知事一人の力だけではどうしようもないのが実情であった。そこで、嘉田知事を支援する「対話の会」が公認、推薦候補19人を擁立し選挙を戦い、このうち12人が当選した。しかし問題の新幹線新駅の地元、栗東市選挙区では公認候補が破れ、推進派の現職議員が議席を守った。
 報道によれば昨年の知事選から吹き始めた「もったいない」の風は、自民を過半数割れに追い込んだという。「対話の会」代表は「知事が政策をしっかり実現できる環境ができた。もう、ぶれてはいられない。知事の責任は一層重くなり、われわれは忠告する役割を果たしていく」と気持ちを引き締めているそうだ。今後この「嘉田チルドレン」の躍進を背景に嘉田知事が新駅設置阻止に向けてどんな行動に出るのか注目される。

言葉は難しい

2007-04-05 17:04:59 | Weblog
 新年度に入り新規採用職員の入庁式での県知事の訓示が物議をかもしている。
一般的に式典における知事の挨拶は堅苦しく退屈だと言われることが多い。そこで知事としては話の内容を分かりやすく面白く話そうと考えいろいろと話し方に工夫を凝らす。ところがそれが裏目に出て逆に非難を巻き起こしてしまうことになった。厚生労働大臣の「女性は子を産む機械」の発言もそうだが、話の中身を面白く、分かりやすくと思う余り、良かれと思って出した言葉がとんでもない結果になってしまうケースが多い。
 愛知県知事の発言、「弱い、悪い遺伝子」もそうだ。知事の本意は「病気やハンディキャップにつながる遺伝子の因子があるが、不幸にしてそれが表に出て生まれてきた人に対し行政はきちんとサポートしなければならない」と言いたかったもののようであるが、知事は話の中で「遺伝子にはいい遺伝子と、生き物の宿命として弱い、悪い遺伝子がある。悪い遺伝子が表に出ることや、いい遺伝子だけが表に出ることもある」と表現した。この部分が障害を持つ人やその家族を傷つけた。関係団体からも非難の声が上がっている。
 知事の言わんとすることは極めて常識的なことで、特に問題となる内容ではないが、言葉としての「弱い、悪い遺伝子」の使用が不適切だった。DNAは何かのきっかけでとんでもない悪い働きをするものであり、誰もがそれを潜在的に抱えていると言われている。
 知事は行政の大局を見誤らないことが大切で、言葉に神経を使い過ぎ、萎縮してしまわないことだ。