たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

後期高齢者医療制度はほんとうに姨捨山か

2008-05-25 11:11:35 | Weblog
 ここ数か月後期高齢者医療制度についての国民的議論が続いている。その間感情的な議論が高まる一方だ。「姥捨て山の制度だ」「高齢者を医者にかからせないようにするのか」「75歳以上を一括りにするのは高齢者をバカにしたものだ」そして最後の切り札が「高齢者は早く死ねということか」というフレーズだ。保険料を年金から天引きすることにも感情的になっているようだが、サラリーマンは全て月給から天引きされている。これを自主納付にすればまた大変な徴収費用がかかり財源を食うことになる。マスコミのインタビューでも高齢者に対するものばかりで、不公平な負担を強いられている現役世代の意見は見当たらない。
 そもそもこの制度は唐突に出て来たものではない。少子高齢化社会における高齢者医療の抜本的改革を目指して論議されて来たものであり、世代間の負担の公平を考え医療費のかさむ高齢者層にもそれなりの負担を求める制度だ。しかしマスコミの対応も感情論を優先させ、面白おかしくこの政策を批判しているところも見受けられる。野党にとっては当然ながら政府に対する絶好の攻撃材料だ。この時とばかりに活用している。野党はムダな予算を削り、天下りをなくせば必要な財源を生み出すことができるとし、制度の廃止を打ち出している。しかし言うところのムダな予算がどこにどれだけあるのかなど具体的な数字を出していないので、国民にとっては分かりずらい。
 ついこの間までは、「お年寄りはお金を持っているからもっと使ってもらわないと」など揶揄するようによく言われていたが、ここへ来て急にお年寄りに対する同情論が高まってきても複雑な気持ちになる。本当に高齢者に対する政策を感情論抜きで真剣に考える時ではないか。