たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

ワイドショーの功罪

2008-06-30 11:11:25 | Weblog
 各テレビ局ではタレント、評論家、弁護士、学識者などそれぞれの分野から人気のある人達がコメンテータとして出演し、その時々の政治、社会問題などを取上げて意見を述べる番組に力を入れている。またこれがなかなか人気があり視聴率もいい様だ。
 これらの番組はその特徴として、権力を叩き弱い立場にある者の味方をする傾向があり、判官びいき、勧善懲悪を旨として構成されている。それも面白おかしく皮肉と諷刺を効かせた演出で視聴者の笑いを誘い、うっぷん晴らしをねらっているようだ。
 最近は年金問題、後期高齢者医療制度、イージス艦と漁船との衝突事故、北朝鮮の核放棄と拉致問題、岩手宮城内陸地震、タクシー接待問題、秋葉原の無差別殺人などなど話題に事欠かない。そこでは政府の怠慢、政策の誤り手遅れ、ずさんな事務処理、公務員倫理のたるみ等々と、政府を徹底的にやっつけている。
 権力が批判され叩かれるのはある意味では健全な社会だといえるが、政府を一方的に非難し、笑いものにするだけは事柄の全体像を見失う危険がある。政策の影の部分だけを大きく取上げて非難していれば喝采を浴び、長所について言及しようものならKYとされそうな雰囲気だ。
 所詮は娯楽番組だからそんなに目くじらを立てることはないと言ってしまえばそれまでだが、そうした番組が偏った国民世論を形成する危険性を含んでいるとも言えるのではないか。