たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

分母を小さくしたら

2006-05-29 13:19:11 | Weblog
 分数の問題で「分子を一定とした場合分母を小さくすればどうなるか」との問に対し、答えは「数値が大きくなる」である。これは小学校の算数で習う。国民年金保険料の徴収率に関し、現在全国各地の社会保険事務所でこのことが問題となっている。
 近年国民年金の保険料を納めない人が激増しているので、国としてはなんとか徴収率を80%まで上げたいとして、各地の社会保険事務所を督励した。しかし思うように徴収率を上げることができない。そこで、分母となる「保険料を納めなければならない人」を精査し、「とりあえず保険料を収めなくてもいい人」を取り除き、分母を小さくする手段に出た。本来徴収率を上げるということは、保険料未納の納入義務者にきちんと納入してもらうように働きかけ、未納者を減らしていくことである。しかしこれには労力と時間がかかる。
 そこで考えたのが数字の調整だけで徴収率を上げる方法だ。これなら事務室の中だけでやれる。だがこれでは粉飾決算だといわれても抗弁できない。また、「とりあえず保険料を収めなくてもいい人」が本当にそうなのかも疑われる。そこには仕事に対し真摯に取り組んでいる姿勢が全く見られない。おざなりの数字合わせがあるだけだ。