たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

エコ買い

2007-08-19 10:56:53 | Weblog
 スーパーなどの食品売り場で陳列棚に並んだ商品は、賞味期限が近づいている品物を手前の方に、消費期限にまだ余裕のある品物はその奥に並べてあるのが普通である。そうしたことを知っている(賢い?)主婦達の多くは品物を買う際に奥のほうから取り出して持っていく。従って手前の方にある賞味期限の近づいている品物はどんどん売れ残って賞味期限が来てしまう。
 現在こうした傾向がいろいろと問題になっている。こうして売れ残り、賞味期限の切れた商品は製造元へ戻され廃棄処分される。それに要する搬送のための燃料や廃棄処分による資源のムダ遣いは相当量に及ぶ。賞味期限はその期限内に消費すれば風味も落ちないし安全である。賞味期限に十分な余裕があるからといってそれだけ安全度が増し風味も増すとは必ずしも言えない。それよりもそのために生じる資源のムダ遣いや環境汚染の方を考えるべきではないか。そんなことを配慮して賞味期限の近づいている方をあえて買っていく。それを「エコ買い」と称するようだ。
 賞味期限といえば雪印乳業に始まって、不二家製菓、ミートホープ、石屋製菓(白い恋人)など賞味期限切れで回収した商品の期限を延長して再度販売していたケースが摘発されている。こんなことでは消費者は賞味期限すら信用できなくなってしまう。製造元としては、賞味期限は十分な余裕を持って設定しているので、期限が少し切れたくらいは問題ないとしているのかもしれない。しかし、それならそれで賞味期限そのものの延長を消費者の納得できる理由と共に公表しておくべきではないか。

不人気な改革路線」

2007-08-17 14:07:21 | Weblog
 安倍政権が小泉政権から引継いだ改革路線が国民に不人気であり、それが今回の参院選挙で自民党の大敗を招いた原因の一つだと党内でも言われている。規制緩和により競争原理が導入され、熾烈な価格競争の結果、消費者は品質の良い物を安く手にすることができるようになった。しかしその陰には競争に敗れて退場した負け組がいる。そこに格差社会が生まれる。能力があり意欲を持って努力した者が報われる社会は、そうでない者との間に格差が生じることを前提として成り立っている。
 日本人の好きな「論語」の中にこんな言葉がある。「寡(すく)なきを患(うれ)えずして均しからざるを患う」また「貧しきを患えずして安らかざるを患う」さらに「均しければ貧しきことなし」。いずれの言葉も世の中がみんな平等であればたとえ貧しくても不満を抱くことはないという意味で、言い換えれば政治は国民一人ひとりがみんな平等だとの安心感を抱いて生活できるようにすることが大事だといっている。
 しかし、この「平等」に対する意識が個人により異なるところに問題がある。国民一人ひとりが同じ生活レベルでなければならないとする意識から能力によって生活レベルに上下があるのは仕方がないとする意識まで千差万別だ。
 孔子は「平等」についてどんな意識を持っていたのであろうか。

勢いづく民主党

2007-08-09 16:22:51 | Weblog
 今回の参院選挙で自民党が惨敗しなければ、自民党青木参議院議員会長が就いたであろう参議院議長に民主党の江田五月氏が就任した。参院議院運営委員長にも民主党所属の西岡武夫議員が選ばれた。これで参議院議院運営の主導権は完全に民主党が握ることとなった。
 今朝の新聞報道によると、米国シーファー駐日大使が民主党本部を訪ね小沢代表と会談した。会談は最初から最後まで公開されて行われ、シーファー駐日大使が11月1日に期限が切れるテロ対策特別措置法の延長に理解を求めたのに対し、小沢代表は延長には反対する意向を明確に表明した。民主党はかねてからブッシュ政権に歩調を合わせてきた小泉・安倍政権に対し「対米追従」と批判してきており、今回の対応も従来からの主張を述べたまでだが、実際にテロ対策特別措置法の延長ができなくなると今後の日米安全保障体制に影を落とすことになる。
 民主党はそんなことは百も承知で、ともかく安倍政権をとことん追い詰めて解散総選挙に持ち込むためには格好の材料だと考えているようだ。他にも郵政民営化凍結法案や年金資金流用禁止法案なども用意しているとされ、この秋の与野党の攻防でどんな決着が見られるのか。国政がどんな方向動くのか目が離せない。

横綱の品格

2007-08-05 08:21:30 | Weblog
 朝青龍が腰骨の疲労骨折を理由に夏巡業の休場を申し出ていたにもかかわらず、帰国したモンゴルでサッカーに興じているところをテレビで報道され問題になった件で、日本相撲協会は、夏巡業という相撲協会の公式行事をないがしろにした朝青龍の軽率な行動に対し2場所出場停止と減俸処分を決めた。横綱に対する本場所出場停止処分は史上初だそうだ。
 この重い処分は今回のサッカー問題に端を発したが、それまでにも数々問題とされてきた騒動があった。相手のまげをつかんで引き倒した反則、先代高砂親方の通夜をモンゴルへ無断帰国のため欠席、土俵に倒れた相手を更に膝蹴りするなど横綱としての品格を欠く行動が目立った。「品格」とは新明解国語辞典によれば「節操の堅さ見識の高さや、態度のりっぱさ姿の美しさなどから総合的に判断される、優れた人間性。用例として『品格、力量が抜群』であってこそ横綱なのだと私はあえて断言して憚らない」としている。
 今まで一人横綱として角界を背負ってきたという自負から、つい傲慢になってしまっていたのだろうが、横綱ともなれば「心技体」がそろって充実していることが必須だ。モンゴルでは今回の処分に対し非難の声もあり、日本相撲協会に所属するモンゴル勢三十数人がこれに抗議してモンゴルへ引き揚げてしまったら日本の大相撲は成り立たなくなるとも言っているという。
 しかしどんな批判があろうとも、日本古来の大相撲の伝統を守るためにも毅然として対応していく必要がある。