たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

光と影

2006-05-04 09:33:23 | Weblog
 小泉政権も今年の9月で終わるというので、これまで5年間の総括が各紙でなされている。小泉政権の功罪、光と影がテーマだ。大胆な規制緩和と不良債権の解消を含む改革を推し進めることによりより、ようやく景気が回復されてきたが、その結果、勝ち組と負け組みを生み出し、格差が拡大したというのが大方の見方である。それは行き過ぎた市場原理主義によるものだと批判している。マスコミは中立的立場から、光と影のそれぞれの事例を公平に挙げて論評しているように見えるが、影の部分には結果として社会的弱者が多く含まれることになるので、論評も自ずと政権に対して批判的になる。
 先頃までは努力した者が相応に報われる社会の確立が叫ばれ、悪平等は国を衰退させるといわれてきた。英国にサッチャー首相が出て、それまでの国家依存体質と行過ぎた福祉制度のため疲弊した国家を、民間活力の導入で建て直したのを見て、日本も学ばねばならないと言われて来た。また、かつてのソ連も共産主義の下に悪平等がはびこり、人民の意欲が低下した結果、ソビエト連邦の崩壊につながった。中国は小平の主導した先富論のもとに、高所得化する沿岸部と内陸部の貧農との格差是正を後回しにして今日の経済力を築き上げた。
 光と影はつねにセットであり、影が小さくなることはあっても、影のなくなることはない。