たそがれ縁側日記

ボケ老人の独り言

サーチャージ

2008-07-31 06:50:57 | Weblog
 原油価格が高騰し航空機燃料の価格も大幅に上昇した。その対策としてエアラインは燃料価格の高騰分を航空運賃に転嫁するサーチャージ(燃料由価格変動調整金)を導入している。原油価格高騰の影響は航空機ばかりではない。トラックなど運輸業界業界から漁業、施設園芸(ハウス野菜)など広い範囲に及ぶ。全国の漁業者か燃料の高騰で商売にならないと一斉休業に訴えたのはつい最近のことだ。
 水産庁は燃料高騰で経営環境が悪化している漁業者に対し、緊急対策として燃料費を一定の条件の下に国が補填することを打ち出した。一連の原油高で、特定の産業に限っての直接補填は異例で、同様の燃料高騰に苦しむ運輸など他の産業からも補填を求める動きが広がる可能性がある。
 ビニールハウスの暖房などに大量の重油を使用する施設園芸も苦境にあり、宮崎県の経済農業協同組合連合会では、農産物では全国初となるサーチャージを今秋から導入することを表明した。どの業種においても燃料由価格のこれ以上の高騰を経営努力で吸収することは困難になっている。サーチャージ導入は直ちに消費者物価にはね返るが、だからといってそれをすべて税金で補填するというのは如何なものか。

WTO決裂

2008-07-30 11:57:41 | Weblog
 世界貿易機構(WTO)の新多角的貿易交渉閣僚会合が大詰めで話合いが決裂した。
 日本の農業市場の開放、ブラジル、インドなど途上国の鉱工業品関税引き下げなどで対立が解けず交渉は難航していた。輸出立国である日本にとって輸出の主要品目である鉱工業製品の輸出相手国の関税が高いのはまことに不都合だ。従ってその税率の引き下げを求める。しかし一方で日本は農産物の輸入には高い関税を課している。当然のことながら農産品を輸出する国からはこの高い関税の引き下げを求めてくる。
 今回の交渉で日本は農産品の関税引き下げ幅を例外的に抑えられる重要品目について8%を強く主張してきたが、調停案として最大6%という提案を突きつけられていた。今回交渉は決裂したが、もし合意されていたら安い輸入品の流入で農産品は大打撃を受けるはずだった。
 最近わが国の食糧自給率の低下が大問題となっているが、自給率を高めるためには、その基本として国民一人ひとりが高くても国産品を購入するという意識を先ず持たなければならない。その上に立って国の政策として農産品に対する高い関税、農業分野における生産性の向上、価格安定のための措置などの多額の税金投入による手厚い保護政策を講ずる必要がある。
 しかし、市場原理が働かないところには必ずモラルハザードが起きる。また輸入農産品に高い関税を課せば、自動車、電気機器、機械製品などわが国の主要輸出品に対し相手国は高い関税や輸入制限などの対抗措置をとることが予想される。
 グローバル化により世界は一つになったとは言え、未だ戦争侵略対する自衛、食糧に対する自衛、エネルギーに対する自衛などに腐心しなければならない情勢が延々と続く。世界各国がそれぞれその得意とする分野で特化することができるのは夢のまた夢か。

竹島問題

2008-07-28 17:03:57 | Weblog
 日韓両国が領有権を主張している竹島を、日本の領土として教えるよう文部科学省が新学習指導要領の中学校社会科解説書に記述したことから、日韓関係がギクシャクし始めた。これに反発した韓国ではにわかに反日感情が高まり、李明博新大統領誕生以来日韓の間に漂い始めていた友好ムードがこのところ一変してしまった。日本はその沈静化に躍起となっている。
 解説書には竹島が日本固有の領土だと明確に述べているのではないようだ。このなんとなくあいまいな表現が今までの竹島問題に対するわが国の姿勢のようだ。竹島が日本の領土であれば、韓国の領土でないことになり、逆に韓国の領土であれば日本の領土ではないことは自明のことだ。今回竹島を日本固有の領土だと言い切らなかったのは韓国に対する配慮からであればそれは極めておかしな話だ。韓国は戦後一貫して竹島を韓国固有の領土だと主張し実効支配してきている。日本はそれを認めてはいないが韓国のような強硬な姿勢をとってこなかった。今回のように控え目な態度表現で言及しても、竹島が日本固有の領土だとはっきり宣言してもことは同じだ。むしろはっきり主張すべきではないのか。
 韓国は日韓相互の自治体レベルで行っている数多くの友好交流イベントの中止を申し入れてきている。竹島問題が市民レベルの交流にも影を落としている。日本としてはこの問題をあいまいにしたまま時を稼ぎ、なんとか妥協点を見出したいと考えているのか。