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第31回 関東大学ラグビー連盟セブンズ(2017.4.16)の感想(その2)

2017-04-19 23:23:26 | 関東大学ラグビー・リーグ戦


1回戦7試合が終わり、チャンピオンシップとコンソレーションの2つのトーナメント戦が始まった。いつもながら、ここで試合会場の雰囲気が(真剣勝負モードへと)ガラリと変わるのが面白いところ。敗者戦とはいえ、コンソレーションも熱い戦いの連続となる。選手達にとっては2つ負けて終われないという意識が強く働くのかもしれない。両トーナメントの試合は交互に行われたが、まずはコンソレーショントーナメントの戦いを振り返る。

【コンソレーション 1回戦】

○専修大学 34-0 ●日本大学(前半10-0)

1回戦でまったくいいところがなく無得点で大敗を喫した日大にとって、優勝候補筆頭の専修も厳しい相手。失点は半分くらいまで減ったものの、セブンズの戦いができないことは1回戦と同じ。しかもメンバー全員が1年生のチームに建て直しができるはずもなくゼロ敗を喫した。それにしても、このメンバー構成で出場に至った意図がわからない。過去の戦いでもコンソレーションでは結果を残している日大だからよけいにそう感じた。トラウマになることはないとしても、入学早々に「2部リーグはこんなに強いのか」と選手達がショックを受けたとしたらかえって逆効果ではないだろうか。



○山梨学院大学 31-7 ●東洋大学(前半19-0)

緒戦で大東大に敗れたとは言え、山梨学院は元気いっぱい。4年生になったパウロ・ヴァレリはやはり強力。また、新人のソキヴィタ・モセセも195cm、100kgの大型選手で、リーグ戦では各チームを悩ませることになりそうだ。逆に1回戦でも感じたことだが、東洋大が昨シーズンに比べて元気がないように見えることが気になる。後半も関東学院戦で2トライを挙げて活躍した石井が1トライを返すのがやっとでトライ数で5-1のよもやの完敗となった。



○國學院大学 24-17 ●国士舘大学(前半7-17)

2部所属校でセブンズを得意としているのは専修大。しかし、セブンズを極めていると言う意味では國學院大學の実力も侮れない。国士舘大学も毎年しっかり準備を整えてこの大会に臨んでいる。ということでこの2校の戦いは白熱した好ゲームとなった。先行したのは国士舘。3トライを連取して17-0とリードしたところでこのまま前半が終わるかと思われた。しかしながら、前半終了間際に1トライを返したところから國學院の逆襲が始まる。主役は21番を付けて韋駄天ぶりをアピールした藤田。前半の1トライにつづき、後半も2トライを連取して17-17と試合は土壇場で振り出しに。

そして國學院はさらに1トライを追加し24-17で逆転勝利を収めた。国士舘の3連続トライのあとは國學院の4連続トライと得点経過だけを見れば淡泊ともとれる試合内容。しかしながら、今大会の全試合を通じてもっともセブンズらしさが出た面白い戦いだったと思う。とくに國學院が同点に追い付いてからの「あと1本」を巡り両チームの見応えのある攻防が印象に残る。結果的にこの試合が私的ベストマッチとなった。



【コンソレーション 2回戦】

○専修大学 45-0 ●白鴎大学(前半19-0)

3戦目で日大戦では不完全燃焼気味だった専修大のアタックに火が付いた。前半に3トライ、後半に4トライを挙げて白鴎大をゼロ封し決勝戦へ。巧みなボール回しでどこからでもトライが取れるのが専修の強みだということを実感させる戦いぶりだった。



○山梨学院大学 19-7 ●國學院大學(前半7-7)

専修とともにもうひとつ火が付いたのは山梨学院。緒戦の大東大戦では空回り気味だったアタックがピタリと填まる。前半は両チーム1トライずつ挙げて5分の戦いだったものの、後半は2トライを連取した山梨学院が追いすがる國學院を突き放して決勝にコマを進めた。敗れたとは言え、ここまでトライを量産した國學院の3年生、」藤田の名前はしっかりメモリーしておきたい。



【コンソレーション 決勝戦】

○専修大学 43-5 ●山梨学院大学(前半22-0)

本大会でも1、2を争う元気印2チームによる決勝戦。双方ともノっているため派手な撃ち合いになることも期待されたが、専修のアタックが填まりに填まるまさかの一方的な展開。山梨学院は後半に1トライを返すのがやっとだったのは意外。昨シーズンは入替戦出場も適わなかった専修はこの優勝を活かして1部復帰を目指したいところ。敗れたとは言え、山梨学院も留学生のパワーを活かす形でチームを作り上げていけば面白いチームになる。



奇しくも2部リーグ校による勝ち抜き戦の様相を呈したコンソレーショントーナメント。まだまだ早過ぎると言われそうだが、秋に展開される入替戦チケット2枚の獲得を目指す戦いは熾烈を極めそうだ。パワー系の立正大と山梨学院の2校に対し、コンビネーションで勝負の専修大、東洋大、國學院大に国士舘と役者が揃った感がある。ランニング能力の高い隠れた逸材が各チームに居ることが確認できたことも大きな収穫だ。

もっとも新しいラグビーの教科書〈2〉
土井 崇司
ベースボールマガジン社

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