「熱闘」のあとでひといき

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「あまちゃん」とラグビー

2013-06-30 18:38:08 | いろいろ何でも雑記帳
実はNHKの連ドラのファンである。きっかけは「梅ちゃん先生」なのだが、その後の「純と愛」、そして今の「あまちゃん」と録画で毎晩楽しんでいる。ついでに過去に放送されたBSのリピート放送の分まで。朝ドラではないが、7話で終わってしまった「真夜中のパン屋さん」も面白かった。

不肖ながら、日本にはこんなにもたくさん役者が居て、それぞれが個性を発揮したり、あるいは裏方に徹したりしながらドラマを盛り上げていることに気付いていなかった。元々映画は大好きだったし、年間50本くらい観たこともあったが、あんまり役者本人を観るという楽しみ方はしていなかったことに気づいた。まぁ、それも過去10年くらいの間に個人的に起こったことが原因ではあるのだが、ドラマの楽しみ方がわかったのはよかったかな。

さて、「あまちゃん」だが、まるで3ヶ月後の中だるみを予見していたかのように始まった「東京編」。一気に展開がスピードアップしたことに加え、ぜんぜん知らなかったアイドルの世界の裏側を垣間見ることが出来、毎日が刺激的ですらある。と書くと大げさだが、どんな世界でも日本では綿密に舞台裏のシステムが構築されているのだなと感心してしまった。この国民性は日本人の大切な財産かなと思ったり。

◆「シャドウ」という存在

最近の甘ちゃんでとくにインパクトを感じたのは「シャドウ」の存在を知ったこと。ラグビーだとAチームに所属するアイドル達の予備軍で、文字通り陰の役割を演じている。普段はステージに立つことはないが、事故とか病気とかで主役が出場できなくなったときに代役を務めるピンチヒッターというわけだ。確かによく考えられたシステムだと思う。「シャドウ」の存在は主役にも(簡単には休めないという)プレッシャーを与えていることになるし、代役の側だって活躍が認められればトップに上がる可能性が出てくる。

ステージの切り替えの場面での奈落の切迫した雰囲気も、テンポは速いがラグビーのハーフタイムにチーム内で起こっていることを連想してしまった。そこでふと思った。主役達が舞台に立っている時に、奈落でステージと同じ振りで歌ったり踊ったりしている少女達(シャドウ)は、ラグビーに例えればBチームそのものじゃないかと。

公式戦のAマッチの他にもBチーム、Cチームから果てはEチームまでもが試合をする春シーズン。Eまでチームが作れるくらいのチームは殆どが強力なBチームを持っている。そのBに所属する選手達も、Aだったらリザーブに入る力を持っている。万が一、Aの選手が怪我で離脱するようなことがあっても(強豪校なら)すぐにカバーすることができる。チームにとってはありがたいシステムだが、選手にとっては痛し痒しといったところか。

◆強力なBチームの選手達はAチームのシャドウか?

上で書いた流れに沿って、Bチームにいる有力選手達はAチームの「シャドウ」と結論づけてしまいそうになった。強豪校なら、AB両チームの間のクオリティの差も小さい。でも、ちょっと待てよ。アイドルグループだったら、シャドウはあくまでもシャドウ。主役の不在が気付かれなければいいわけだ。逆にシャドウが存在感を示したら、後でいろんな問題が出るかもしれない。本人はベストを尽くし、それが観客に強くアピールすることになるのは、逆にオーバーアクションあるいはスタンドプレーの誹りを受けかねないかもと、余計なことかも知れないが気になってしまう。もっとも、そこまでできれば奈落にはいないのだが。

ラグビーの試合で出場メンバーが怪我で交替したとする。代わりに出てくる選手は、その穴埋めが最低限の役割だ。でも、チームの規律を乱さなければ、チャンスを活かして思いっきり自分のやりたいことをやっていいはず。そして、パフォーマンスが認められたらレギュラーに昇格することも可能になる。アイドルグループとは違って、レギュラー選手以上のプレーを見せ、そしてそれが勝利に繋がれば本人はもとよりチームにとってもプラスになる。

◆印象的な選手のデビュー場面を回想して想ったこと

もう結論は出てしまった。ラグビーにおけるBチームの選手達はAチームの選手達のシャドウではない。一つの例として印象に残っている1人の選手のことを書く。それは、法政のFBとして活躍した城戸。試合は猛暑の熊谷で行われた中央大戦だった。試合半ばでレギュラーのFBが負傷。ここで出てきたのが背番号22番を付けた4年生の城戸でまったく知らない選手。あとで調べたら、前年度はAチームのリザーブにも入っていない無印選手だった。

しかし、暑い暑い熊谷だったにもかかわらず、カウンターアタックなどで22番の選手がボールを持つと面白いようにボールが前に運ばれる。そんな城戸の奮闘もむなしく、結局法政は中央に敗れてしまう。だが、城戸はその後FBのポジションをガッチリつかみ取り、トップリーガーにもなった。もし、この試合での出場がなかったらどうなっていただろうか。人材の宝庫の法政だからこそ起こりうることかも知れないが、何とも複雑な心境にもなる。

やっぱり選手は試合に出てナンボ、さらに想定を越える活躍をしてナンボの世界だ。だから光の当たるAの試合は多い方がいい。また、多くのチームからいろいろな選手が出てくるのもいい。AからEまでもチームを持つチームが増えていったら、そんなチャンスも減ってくるのではと危惧する。ハイレベルのレギュラー争いは、チームの強化にとってはよいことかも知れないが、個人の実戦経験を通じてのスキルアップにとっては(出場機会が減るという意味で)マイナスになる可能性だってある。適度に選手が分散しつつ、個々がレベルアップしていくことは今後ますます難しくなっていくのだろうか。

でも、朝ドラを観てラグビーのことを考えてしまうなんて...と呆れてしまう私ではある。

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