一緒に世界の将来について考えよう

世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

千載一遇!その1 ジム・ロジャーズ―すべては、欧米からアジアへ動く

2009-01-27 12:59:25 | 世界情勢

今は暗いニュースや話題ばかりが目につくので、年初に今年は100年に一度のチャンスの年と書きながら、ネガティブな話ばかりをしている。ただ、今起こりつつある変化と新しい機会をしっかり見据えたいと思っているので、新シリーズとして「千載一遇」シリーズを始めたい。

記念すべき「その1」は、著名な投資家ジム・ロジャーズ氏がロイターのインタビュー。「すべては、欧米からアジアへ動く」という内容で、投資家の性として彼自身のポジショントークが満載なのだろうが、非常に参考となるコメントが多いので、紹介したい。

現在の恐慌は数年続く恐れがあるし、事態が更に悪化する可能性は多分にあるが、最初に立ち直るのはアジア、特に中国だと私も思う。もちろん、政治的な問題もあり、人口成長を支える8%成長が維持できない中、色々な社会不安も増大し、色々な問題が噴出するリスクはあろうし、不動産バブルも十分ひどい。ただ、ファンダメンタル的な強さで、回復軌道にのるのは一番早い可能性がある(当面はまだまだ悪くなると思うが)。 

※1 ジム・ロジャーズ―すべては、欧米からアジアへ動く

http://president.jp.reuters.com/article/2009/01/24/056D0430-E869-11DD-B8EA-27C83E99CD51.php

・・・・

私は近い将来、世界的な通貨危機が訪れると考えています。米ドルをはじめとしたほとんどの通貨の価値が大きく下がる。その前に一度揺り戻しがくるでしょうから、そこで売却するつもりです。

その後は、本格的な商品の時代です。常々私が言っているように、18~20年くらいのスパンで商品と株式の強気相場の波がやってくるのですが、1999年に商品の上げ相場がはじまったので、あと10年は続くと思います。・・・・・・・

長期的に見れば、太陽エネルギーや原子力など新エネルギー関連も注目されるべきです。いつか世界中の人々が太陽エネルギーを使う日もくるでしょう。時間はかかると思いますが、そこに誰もが殺到したときにはもう遅いのです。

現在、米国における連鎖倒産といった最悪の事態は思った以上に早く進んでおり、米国の債務は半年ですでに3倍に増えています。オバマ新大統領も、有効なビジョンを打ち出しているとは思えません。さらなる消費を推奨し、投資や貯蓄を制限しているだけです。ほどなく米国は超大国としての地位を失い、米ドルは基軸通貨でなくなるでしょう。

現在、GMやシティバンクなどは完全にファンダメンタルズが損なわれている。公的資金の注入などせず、一度バランスシートをきれいにして、やり直すべきなのです。むろん失業者があふれ、一時的に大変なことになるでしょうが、それを覚悟して政府がセーフティーネットを用意しておくべきでしょう。・・・・・・・

今、お金の流れは、西から東へと動いています。アングロ・サクソンを中心とした西洋モデルが行き詰まり、世界の債権国は今、中国、日本、韓国、シンガポール……すべてアジアでしょう。人、モノ、芸術、すべてはお金の流れについていくものです。どんな逆境でも儲ける人はいるものですが、変化をいち早くキャッチできる人が勝者となるのです。私も2年前、家族とともに米国からシンガポールに引っ越しました。娘たちもこのままアジアに定住するでしょう。

米国に代わり、21世紀の超大国に躍り出るのは中国です。現在、米国が世界最大の債務国であるのに対し、中国は最大の債権国となりました。金融危機以降、米国の政治家は、ウォール街の友人を救うために資金を切り崩しているのに対し、中国政府はいち早く、4兆元の景気刺激資金をもって、農業やインフラ整備といった未来への投資を行おうとしています。私はこれを評価しており、中国株も、いずれ値上がりするでしょう。・・・・・・・

日本は健闘していると思いますが、環境の変化に適応していかなくてはなりません。70年代、日本メーカーのほとんどは米国と取引していましたが、現在はアジア諸国が中心で、工場も海外に移転している。成熟国家として、輸出産業に依存し続けていては厳しいでしょう。

さらに深刻な問題は、少子化です。政府の政策は目立った効果をあげておりませんし、子供が増えないなら、移民を受け入れるしかありません。そしてもう一つの問題は巨額の財政赤字です。このまま手を打たずにいれば、今のティーンエージャーが40歳になった頃、日本は大変な事態に直面するでしょう。私が今10歳の日本人であったら、怒って革命でも起こすかもしれませんね(笑)。・・・・・・・

(娘は)中国人ベビーシッターをつけて、中国語を話せるように教育しています。中国の時代がやってくる今、それが親として最良の教育だと思うからです。

娘たちにMBAを取らせようとは思いません。これからお金持ちになるためには、農業学、鉱山学といった学問がより大切になってくるでしょう。不動産を買うのなら、農園のほうがいいと思います。

2、3年後に、かつての第二次世界大戦よりひどい状況になる可能性も否めません。今回は金融危機で終わるのか、それとも世界の終わりがくるか。私にとって、世界の終わりとは自分自身が破産することなのですけれどね。

しかし、過去の歴史や哲学から学び、自分の目で現実を確かめ、次に起こりくることを予測し、準備しておけば生き延びることができるはず。世界大恐慌後の1930年にも、多くの人々は新たなビジネスを立ち上げましたし、日本も例外ではありませんでした。もちろん戦争のせいで一度だめになりましたが、戦後、見事に立ち上がったのですから。


大恐慌!?その360 米中の為替、国債を巡るせめぎ合い・対立懸念

2009-01-26 12:59:11 | 世界経済

オバマ政権での中国の為替政策批判に始まる米国・中国両国の溝が広がっている様だ。

中国の米国債不買・売却等の動きは、即米国債の金利上昇という副作用をもたらす。

両国とも厳しい景気状況の中、保護主義的な動きが加速することも想定され、両国の対立深化による副作用には要注意であろう。

 

ちなみに30年米国債価格は下落トレンド。

http://stockcharts.com/charts/gallery.html?$USB

当然、金利は上昇トレンド。

http://stockcharts.com/charts/gallery.html?$TYX

 

○(1/22)「オバマ大統領、中国は為替操作国と認識」ガイトナー氏が表明

http://www.nikkei.co.jp/senkyo/us2008/news/20090123d2m2203q22.html

 【ワシントン=米山雄介】オバマ米大統領が財務長官に指名したガイトナー・ニューヨーク連銀総裁は22日、「大統領は中国が自国通貨を操作していると信じている」と述べた。人事を承認する上院財政委員会の質問への書簡での回答で明らかにした。対中貿易赤字の拡大を背景に、オバマ政権が人民元の切り上げへ圧力を強める可能性が出てきた。

 ガイトナー氏は「オバマ大統領は中国の為替慣行を変えるため、すべての外交手段を積極的に活用することを約束した」と表明。「オバマ政権の経済チームが為替相場の調整について統合戦略を構築する」との見解を示した。

 対中貿易赤字は米国の貿易相手国の中で最大。米議会では人民元の切り上げ圧力を強めるべきだとの意見が根強い。一方、中国は世界最大の米国債の購入国であり、膨張する米財政赤字を穴埋めしている。オバマ政権は対中経済外交で微妙なかじ取りを迫られる。

○ガイトナー発言に中国反発 「中国が自国通貨操作」

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M2401P%2024012009&g=G1&d=20090124

 ガイトナー次期米財務長官が「オバマ大統領は中国が自国通貨を操作していると信じている」と発言したことに対し、中国が反発を強めている。24日の国営新華社通信によると、中国人民銀行(中央銀行)の蘇寧副総裁は「こうした発言は事実に合わないだけでなく、金融危機の原因の分析を誤った方向に導く」と述べ、ガイトナー氏を厳しく批判した。

 中国は世界最大の米国債保有国。人民元相場を安定させるために市場で元売り・ドル買い介入を実施し、買ったドルで米国債を購入している。金融危機対応で米国債の値下がりリスクは高まっており、中国内では「保有額を減らすべきだ」との議論が盛んだ。ガイトナー氏の発言はこうした米国債の売却論を勢いづかせる可能性もある。


大恐慌!?その359 英国はアイスランドにはならない?

2009-01-25 22:33:46 | 世界経済

投資蚊さんにコメント頂いた様に、イギリスの外貨準備が減少し、膨大な外貨建債務がある中、アイスランドの様になる懸念が広がっている様だが、Roubini教授はそうはならないという。

・政府の債務が比較的少ない(GDP比40%程度)ため、銀行を全面的に支援しても政府財政が破たんすることはない

・危機が正しく対処されなければ通貨危機はありうる

・多国にわたる銀行の債務不履行等も適切な対処により防ぐことは出来る

・いずれにしても深刻な不況が2年は続く

事態がどこまで悪化するかは色々な見方があるが、過去金融への傾倒により過去十数年間不況知らずだったイギリス経済が、ある面虚構によって成り立っていたことが明らかとなった事態といえよう。このところ急落を続けているポンドの状況には要注目である。

 

イギリスにアイスランドのソフト・オプションは採れません http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/090556d80ddf325e3bdcd8b8fd6c4998

 

Roubini: The U.K. is NOT Iceland

http://www.calculatedriskblog.com/2009/01/roubini-uk-is-not-iceland.html

・・・But in principle the UK looks more like the US: the public debt to GDP is relatively low (in the 40s % range) and thus the sovereign should be able to absorb fiscal bailout costs and additional fiscal stimulus costs that may eventually increase that debt ratio by as high as 20% of GDP. Note that during WWII the UK public debt to GDP ratio peaked well above 150% and the UK government remained solvent.

... at best, the UK faces an economic and financial crisis that will be as bad as the US one: a severe and protracted recession that could last two years with very weak growth recovery once it is over; a near insolvent financial system, most of which will be formally or informally nationalized; a large fiscal costs of budget deficits surging because of the recession and the bailout of financial institutions; a weakening currency that may risk a hard landing if the crisis is not properly managed. A more dramatic run on the cross-border liabilities of banks, a run on the government debt and a hard landing of the pound can be prevented by coherent and forceful policy action.

 


大恐慌!?その358 米不動産市場の底は見えず

2009-01-23 08:59:56 | 世界経済

商業用不動産の先行指数であるArchitecture Billings Indexが低迷を続け、NAHBのHousing Market Indexが過去最低を更新した。

また、住宅着工件数が1959年の記録開始以来の最低を更新するなど、米住宅市場はいまだに底なし状態である。

 

Architecture Billings Index Near Record Low

http://www.calculatedriskblog.com/2009/01/architecture-billings-index-near-record.html


AIA Architecture Billing Index Click on graph for larger image in new window.

 

 

 

 

 

 

NAHB Housing Market Index Falls to New Record Low

http://www.calculatedriskblog.com/2009/01/nahb-housing-market-index-falls-to-new.html

Residential NAHB Housing Market Index This graph shows the builder confidence index from the National Association of Home Builders (NAHB).

The builder confidence index was at 8 in January, a new record low.

 

 

Housing Starts at All Time Low

http://www.calculatedriskblog.com/2009/01/housing-starts-at-all-time-low.html

Total Housing Starts and Single Family Housing Starts Click on graph for larger image in new window.

Total housing starts were at 550 thousand (SAAR) in December, by far the lowest level since the Census Bureau began tracking housing starts in 1959.


大恐慌!?その357 ドルと米国債の危機--最悪のシナリオへの道

2009-01-22 23:38:26 | 世界経済

米週間失業保険申請数が589,000となり、修正後の前週527,000よりも62,000増えた様だ。

http://www.calculatedriskblog.com/2009/01/weekly-unemployment-claims-increase.html 

さて、米国のリセッションが深刻さを増す中、ボルカー経済顧問は対策に数兆ドル必要との認識を示している。数兆ドルの財政支出はドル安、国債安(金利高)のリスクが想定されている以上に高いことを示している。一方、中国では米国債売りの圧力が出てきているという。恐慌時の金利高は事態を一層悲惨にさせる恐れがあり、最悪のシナリオの姿が徐々に見えつつある。

 

※1 米国は深刻なリセッション、対策に数兆ドル必要=ボルカー経済顧問

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36010320090121

オバマ米大統領の経済顧問であるボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長は21日、米国は深刻なリセッション(景気後退)に陥っており、米経済の立て直しには今後「数兆ドル」が必要、との見方を示した。・・・・

 ボルカー氏は「われわれは深刻なリセッションに陥っており、終わりは見ない。金融システムは崩壊した。回復への大きな障害だ」と指摘。

 そのうえで「連邦政府は経済と金融の立て直しを支援する必要がある。財政出動やさまざまな保証、FRBの貸し出しなどの形で今後、数兆ドルが必要だ。同時にそうした規模の救済を行えば、ドルの信認が損なわれ、将来のインフレへの懸念が高まるリスクがある」と主張した。

※2 UPDATE1:米金融・債券市場=長期債中心に下落、株高や需給悪化懸念が圧迫

http://jp.reuters.com/article/treasuryNews/idJPnJT832031020090121

※3 中国で米国債売却論 値下がりリスクを嫌気

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090122AT2M2103A21012009.html

 中国で「外貨準備で保有する米国債の残高を減らすべきだ」との議論が活発になっている。米国が金融危機対応で国債を大量に増発し、今後の価格下落が見込まれるためだ。米国債売却論の背景には「金融危機の責任の一端は中国にある」という米国内の世論への反発もあり、オバマ政権下の米中関係に微妙な影を落とす可能性もある。 ・・・