一緒に世界の将来について考えよう

世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

大恐慌!?その299 次の主役は米商業用不動産(CRE)市場崩壊?

2008-08-24 23:29:14 | 世界経済

※先ほど、作りかけのページを誤って一時的に掲載してしまい、失礼しました。

米国不動産市場で、個人向け不動産が壊滅的な状況が続く中、比較的好調を保ち、経済全体のクラッシュを防いできた米商業用不動産(CRE)の崩壊が着々と近づいている様だ。おそらく、日本のバブル崩壊と同じく商業向け不動産向け融資は地銀等より広範な金融機関を巻き込んだブームであったため、そのクラッシュの影響は、日本のバブル崩壊時の様に深刻かつ長期的なものとなることが懸念される。

※念のため、改めて書いておきますが、このブログはコメントも含め、特定の投資ポジション(売りも買いも)をお勧めする意図はないので、投資に関しては自己責任でお願いします。

Fed: Delinquency Rates Increased Sharply in Q2

FRBが発表した2Qのローン延滞率。目立つのは赤の商業用不動産ローン延滞率の悪化。
Commercial Bank Delinquency Rates Click on graph for larger image in new window.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
建築家の請求インデックス(ABI)という以前から紹介している指標は、今年の年初から急落し低迷を続けている。9~12か月のライムラグで非住居建設投資に反映されるとされることから、もうそろそろ非住居建設投資も急落するタイミングで、その後も当面落ち込んだままになるだろう。

AIA Architecture Billing Index Click on graph for larger image in new window.
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
CRE向けローンのデフォルト担保デリバティブであるCMBX(サブプライムのABXの様なもの)は、悪化の一途をたどっている(以下のグラフで上は指標の悪化)。
 
 
一方、米不動産市場全体の状況も一層の低迷に陥っている。ご紹介が遅れたが、 8月の住宅市場指数(HMI)は、さらに最低記録を更新。特に、購入者のトラヒックが12と記録的低水準。誰も家を見にすら来なくなっている。

Residential NAHB Housing Market Index Click on graph for larger image in new window.

Current sales activity is near a record low of 16. Traffic of Prospective Buyers
is at a record low of 12.

大恐慌!?その298 米経済、08年下期にゼロ成長の見通し=ダラス地区連銀総裁

2008-08-13 12:44:00 | 世界経済

ダラス地区連銀総裁は、米国は長期に及ぶ低成長期に入っているとの見方を示し、2008年下半期にはゼロ成長となる可能性があると指摘した。今下期の米景気回復が難しいことは大分前から分かっていたことだと思うが、やっと当局者もそれを公認し始めた様だ。

一方、日本の4─6月期実質GDPは前期比‐0.6%、年率‐2.4%と、マイナス成長に突入している。米国のような景気対策をしていないこと、輸出主導型であるからということであろうが、日本経済の脆弱さが現れている。

米国の税還付の効果がどれほど、というのは色々議論はあろうが、ホームエクイティの引き出し限度額が狭められて、ぎりぎりで消費水準を下げるかどうかを悩んでいる人たちの消費を一時的に維持させたことは間違いないだろう。とすると、その効果が切れて、ホームエクイティローン引き出しの条件も更に厳しくなる中で、消費水準の一段の下落は不可避の情勢であろう。 

 

○米経済、08年下期にゼロ成長の見通し=ダラス地区連銀総裁

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33221420080812

米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は12日、米国は長期に及ぶ低成長期に入っているとの見方を示し、2008年下半期にはゼロ成長となる可能性があると指摘した。

 米紙ダラス・モーニング・ニュースとのインタビューで「今年下半期にはゼロ成長となると予想している」と述べ、低成長は長期間に及ぶとの見方を示した。

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 サブプライムモーゲージ(信用度の低い借り手向け住宅融資)問題を受け、貸し手が信用供与に消極的になったことが景気低迷の主要因と指摘、現在の信用収縮は1990年代初頭の貯蓄貸付組合(S&L)危機をきっかけに起こった信用収縮よりも深刻、との見解を示した。

 


ロシア軍 グルジア侵攻 ・・・経済の混乱から政治的紛争の時代に入ることを憂慮

2008-08-12 12:57:59 | 世界情勢

さて、ロシア軍が南オセチア自治州を制圧後、グルジア各地への侵攻を開始した様だ。グルジアのサーカシビリ大統領を失脚させるために国際的な非難のぎりぎりまで武力行使をする考えなのかは分からないが、古来こうした紛争はいったんついた勢いはなかなかとまらないもの。中東政策で孤立し、経済的にも厳しいアメリカが、いつになくおとなしい態度を見せていることもあり、ロシアは余勢をかった攻勢を強めている様だ。

世界大恐慌がファシズムの台頭、第二次世界大戦に繋がった様に、世界的な経済の混乱は、政治・軍事的な様々な不均衡の種をもたらす可能性がある。

中国も、五輪後の経済失速懸念に加え、力で抑えてきた様々な民族問題の火種も目立ってきている。

グルジア情勢だけでなく、今後世界的な紛争や不均衡を憂慮し、より注視するべき段階が来つつある様だ。

 

○グルジア、首都防衛で部隊集結 ロシアへ国際非難高まる

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080812AT2M1201012082008.html

グルジアの南オセチア自治州を事実上支配下に置いたロシア軍は11日、自治州を越えて地上部隊をグルジア各地に進軍させた。

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 現地からの報道によると、グルジア国防省筋は11日、ロシア軍がトビリシから約60キロに位置するゴリ市を占拠したと述べた。さらに、南オセチア同様、ロシアが支援する分離独立派が大半を支配するアブハジア自治共和国からロシア軍がグルジア側に約40キロ進撃。軍事拠点のセナキを制圧し、軍事施設を破壊した。グルゲニゼ首相は黒海沿岸の港湾都市ポチなどにもロシア軍が入ったと述べた。

 


大恐慌!?その297 FRBの調査 消費者ローンや商業用不動産向けローンの厳しさ示す

2008-08-12 12:46:37 | 世界経済

FRBの6月のローン貸し出し基準調査によると、特に消費者ローンの貸し出し基準の厳格化が進んでいるようだ。

In particular, the net fractions of banks that had tightened credit standards on consumer loans increased notably relative to the April survey.

以下のグラフ(※1)は、商業用不動産(CRE)の貸し出し基準(緑)、ローン需要(赤)と民間非住宅建設投資(青)の関連を示したもの。すでに、貸し出し基準、ローン需要とも大幅な下落を示しており、まだ下落していない民間非住宅建設投資の下落は時間の問題だろう(GDPの設備投資の下落)。

FRB調査の色々なグラフのリンク。http://www.federalreserve.gov/boarddocs/SnLoanSurvey/200808/charts.pdf

 

※1 Fed: Lending Standards Tighten, Demand Weakens

http://calculatedrisk.blogspot.com/2008/08/fed-lending-standards-tighten-demand.html

CRE Loan Demand vs. Non-residential Investment Structures 

青・・民間非住宅建設投資(investment in non-residential structure)

緑・・商業用不動産ローン貸し出し基準

赤・・商業用不動産ローン需要

 


大恐慌!?その296 フレディマックが実質債務超過、今後の株主責任はどうなる?

2008-08-08 12:43:00 | 世界経済

渦中のフレディマックは、6日の決算発表で、保有資産を時価ベースで評価すると、56億ドルの実質債務超過になると表明した。財務基盤強化のため55億ドルの増資を行う方針だが、増資が実現しても、実質債務超過分56億ドルをほぼ帳消しにする効果しかないため、おそらく追加負担が必要な状況だろう。政府の支援を期待してか、昨日のフレディマック株価の終値は5.89USDと、債務超過の会社に、いまだに価値があると考えられている。株主責任の追求なしに国民の血税を投入し続けられるほど、米国民は寛容なのだろうか。

直近株価 http://jp.reuters.com/investing/quotes/quote?symbol=FRE.N

なお、フレディマックのサイロン最高経営責任者(CEO)の「住宅価格が底打ちするまでの全過程の半分を通過したに過ぎないと考えている」という発言も要注目。

 

○フレディマックが実質債務超過、投資家の見方交錯

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33122720080807

米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)(FRE.N: 株価, 企業情報, レポート)は6日、第2・四半期決算を発表し、保有資産を時価ベースで評価すると、56億ドルの実質債務超過になると表明した。

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フレディマックのサイロン最高経営責任者(CEO)は、アナリストとの電話会議で「今日の経済環境は厳しく、住宅市場は安定には程遠い」とし、「住宅価格が底打ちするまでの全過程の半分を通過したに過ぎないと考えている」と語った。

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 フレディマックは、財務基盤強化のため55億ドルの増資を行う方針だが、増資が実現しても、実質債務超過分56億ドルをほぼ帳消しにする効果しかない。

 財務諸表によると、簿価ベースの保有資産は129億ドルとなっている。

 キーフ・ブリュエット・ウッズの株式担当チーフストラテジスト、フレデリック・キャノン氏は「55億ドルの増資では不十分である可能性が濃厚だ」と指摘。

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