(表題を忘れましたので、再投稿します)
投資蚊さんのコメントの通り、12月の米雇用者数は52.4万人減少(※1)。日経新聞によると、年間の減少数は1945年以来最大とのことである。
この深刻な事態に対するオバマプランの効果を示したグラフが※2。オバマプランでは、2010年末までにGDPを3.7%底上げし、368万人の雇用を創出する(2008年で同程度の雇用が既に失われているが)としている。このグラフによると自然体では失業率は2010年の9%に達するところを、オバマプランによって、2009年3Qあたりで8%を超えない水準で失業率の拡大はピークを打ち、その後減少するという。
・オバマプランによる効果
Real GDP (billions of chained 2000 $) Payroll Employment
Without Stimulus $11,770 133,876,000
With Stimulus $12,203 137,550,000
Effect of Package Increase GDP by 3.7% Increase jobs by 3,675,000
非常に力強いメッセージではあるが、当面米国の不動産価格が下落を続け、特に商業用不動産が激しい崩壊のさなかにあることを考えると、楽観は全く許されない状況だろう。
米住宅価格について、※3のPrice-to-rent比率(価格の賃料に対する比率)の推移で考えてみると、1997年ごろの底である1.0くらいから、2006年には1.75でピークをつけ、直近で1.3くらいまで落ちている。グラフ上で0.45落ちるのに2.5年程度かかっており、残り0.3落ちるのであと1~2年は必要だろう。また、今回ピークが高かった分、底値が1997年の水準を下回ってOvershootする可能性が十分にあり、また賃料がピークから30%程度下がると言われていることからも、実際の不動産価格の下落はより大きいものと推定される。
こうした単なる不動産価格の下落に加えて、商業用不動産市場の崩壊が加わる今年は、これまで以上に経済に厳しいプレッシャーのかかる年である。オバマプランで浮かれていられるのは、就任までであろう。
※1 Employment Declines Sharply, Unemployment Rises to 7.2 Percent
青のグラフは失業率。赤は雇用者数の対前年同期増減率。
Payroll employment fell by 524,000 over the month and by 1.9 million over the last 4 months of 2008. In December, job losses were large and widespread across most major industry sectors. Click on graph for larger image.
Here is an outline of the Obama Plan (not much detail): The Job Impact of American Recovery and Reinvestment Plan Click on graph for larger image in new window. |
※3 The Residential Rental Market
Looking at the price-to-rent ratio based on the Case-Shiller index, the adjustment in the price-to-rent ratio is probably 60% to 70% complete as of Q3 2008 on a national basis.
However flat or falling rents would suggest even larger future house price declines to return to normal (as opposed to rising rents).