新規住宅購入のためのローン申請指数が、4.8%低下し381.4と昨年10月以来の低水準(前年は408.7)。4週平均も1.3%低下して400を割り込んだ(※1)。
※2で見るように、昨年終盤に一度上昇した申請指数は、上昇前の水準まで低下している。一時的な上昇は、(金利低下などによる)住宅活動の増加、好気候などが要因とされるが、これまでMBAの集計の対象外(50%のローン申請はMBA集計対象外の中小ローン事業者によるもの)だったローン申請が、中小ローン事業者の廃業により集計対象の事業者向けローンとしてカウントされるようになっただけとの分析もある。
いずれにしても、金利高止まり、ローン貸し出し基準の引き締めなどにより、需要面における底入れというのは、幻想に過ぎないことが明確となりつつあるが、想定以上のCPIで、金利先高感が強く、行き詰まり感が急速に強まっている。
FRBのバイズ理事はサブプライム融資のリスクを指摘した(※3)が、過去1~2年間は、サブプライム融資は全住宅ローンの20%以上を超える水準まで膨れ上がっており(※4)、貸し出し基準の厳格化によって、ローンが通らなくなることで、住宅販売が低下、住宅価格に下落圧力がかかり、更にローンの貸し出しが厳しくなるという市場崩壊のネガティブ・スパイラルの正のフィードバックが正に強まりつつある。
また、REITの一つが2007年~2011年までの期間で、分配可能な利益が出てこない恐れがあることから、解散を検討していると言う(※5)。いよいよREIT先進国のアメリカで、REITバブルの崩壊が明確なものとなりつつある。REIT花盛りの日本が追いつくのは、どの位かかるのか。
※1
◎MBA: Mortgage Applications Decrease
http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/02/mba-mortgage-applications-decrease.html
![](https://bp0.blogger.com/_pMscxxELHEg/RdxmxETSqrI/AAAAAAAAAEw/Z3sq561Z7Zs/s320/MBA2021607.jpg)
The second graph shows the Purchase Index and the 4 and 12 week moving averages since January 2002. The four week moving average is down 1.3 percent to 398.7 from 404 for the Purchase Index.
※2
◎MBA Purchase Applications
http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/02/mba-purchase-applications.html
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※3
◎ロイター
FRBのバイズ理事が、昨夜大半の米住宅ローンで目立った不良債権の問題はないとした上で、問題なのは、「サブプライム融資(信用度の低い顧客への融資)の変動住宅ローン金利」と述べた。
◎米FRB理事、住宅ローン返済問題に懸念
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070221AT2M2100K21022007.html
米連邦準備理事会(FRB)のバイズ理事は20日、金利の上昇などによって住宅ローンの返済に支障をきたす低所得者が増えていることについて「大きな問題をはらんでいる」との懸念を表明し、米経済への影響を注視する考えを示した。ノースカロライナ州での講演で語った。
支払い能力の低い個人が割高の金利で借りる住宅ローン(サブプライム)を巡っては、債務者の返済延滞や自己破産が問題になりつつある。FRBのバーナンキ議長が先週の議会証言で警戒感を示していた。(16:01)
※4
◎Subprime: The impact on Existing Home Sales in 2007
http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/02/subprime-impact-on-existing-home-sales.html
![](https://bp3.blogger.com/_nSTO-vZpSgc/Rdc6FwBPctI/AAAAAAAAAW8/0IFhyDI3FdA/s400/subprimeShare.jpg)
※5
◎NovaStar Discussion
http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/02/novastar-discussion.html