あけましておめでとうございます。昨年は皆様に色々なコメントを頂きながら、何とかブログを続けることができました。今年もよろしくお願いいたします。
このブログも長い冬休みをとってしまいましたが、リフレッシュして復帰したいと思います。
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本ブログにて、過去数年来予想してきた通り、世界経済は100年に一度の危機と叫ばれるような厳しい局面が続いて、2008年が終わった。以下は昨年の正月に書いた2008年の予想であるが、概ね予想した様な展開を見せた。
○大恐慌!?その188 大予想:2008年は世界大恐慌元年か (2008/1/2)
・・・(レセッションは)当初はマイルドなものに留まり、また政策当局者の場あたり的な対策が時々発表されて、2009年には立ち直ると言うストーリーが当面は残ると思うが、事態が改善するどころか時間が経つごとに深刻さを増す中で、やがて楽観論が消えてゆくであろう。 ・・・
米国の不動産恐慌の継続、世界的な資産バブルの崩壊のダブルパンチにより、世界の他の地域にもレセッションが波及していく。欧州、アジア等世界中で米国に負けず劣らない不動産バブルが生じてしまった現状を考えると、世界経済はそのまま世界大恐慌的な状況に突入していく可能性があろう。その場合、底を打つのは2009年か2010年以降か。・・・
さて、2009年はどうか?「2009年は100年に一度のチャンスの年」というこの記事のタイトルを見ておやっ、と思った方も多いかもしれないが、私は世界経済の見通しについて、楽観的な見方に切り替わったわけではない。
米国は一昨年来の居住用住宅のバブル崩壊に続き、現在商業用住宅のバブル崩壊真っ盛りである。景気後退による企業のリストラ、不要オフィススペースのカット等もあいまり、益々崩壊のペースは加速しよう。
でも書いた様に、300兆円を上回り、サブプライムローンの様に証券化が進んでいる商業用不動産ローンの損失は、世界中の金融機関に追加の重石となり、経済悪化をさらに加速させよう。
居住用住宅についても、販売数自体は遠からず下げ止まるとしても、歴史的水準からしていまだに高い住宅価格は当面下落を続けざるをえず、居住用、商業用両面での下落が景気に激しい下落圧力を与え続ける厳しい1年となろう。
オバマ次期大統領が約束する景気刺激策は一定の効果はあろうが、あくまで景気後退のインパクトを弱めるクッション材程度の役割しか果たせない可能性があろう。事実関係をしっかり確認したわけではないが、ルーズベルト大統領のニューディール政策が米国を世界大恐慌から救ったというより、戦争が米国経済を復活させた、というのはよく聞く説である。また、景気刺激策で言っているくらいの規模の政府の財政支出が、金融機関の追加支援で必要となる事態も考えられる。
また、国際的な政治情勢も不安定感を増している。ガザにイスラエルが侵攻するなど不透明感を増す中東情勢、タリバンが勢いを増すアフガン、トップの健康状態が懸念される北朝鮮情勢など、経済が悪化すればするほど、はげぐちとして、政治・軍事的な緊張が高まろう。
これらすべてのことはすでに起こった未来として、今後数年間にわたって現実のものとなっていく可能性は多分にあると思われる。
では、何がチャンスなのか?私はこうした危機そのものがチャンスだと思っている。危機に対処するために、人々はそれまで当たり前であったやり方を改め、新しいやり方を取り入れる。それまでの勝ち組が負け組となり、新しい時代にあった人々なり組織が勝ち組となる。危機をチャンスとして受け止められる人々にとって、絶好のチャンスとなりうるタイミングである。
経済の悪さについての情報は、今や誰もかれもが発信する様になった。私的に重要と思われる情報は引き続き書いていきたいが、今年は新しい変化の芽、100年に一度のチャンスをとらえようとする動きみたいなものを、しっかりとウォッチしたいと思う。