一緒に世界の将来について考えよう

世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

大恐慌!?その348 週間失業保険申請数は悪化の一途

2008-12-27 23:37:03 | 世界経済

もうひとつ、12/20の週の週間失業保険申請数は58.6万といよいよ60万台が目前に迫ってきた。雇用者数が違うので、絶対値だけで比較すると、過去のレセッションとのレベル感を見誤るが、2つ目につけた総雇用者数調整後のグラフでも、今回の失業の状況が02年の不況を超え、91年の状況に迫っていることが分かる。残念ながら、まだまだこれからであろう。

 

Weekly Unemployment Claims: 26 Year High

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/weekly-unemployment-claims-26-year-high.html

In the week ending Dec. 20, the advance figure for seasonally adjusted initial claims was 586,000, an increase of 30,000 from the previous week's revised figure of 556,000. The 4-week moving average was 558,000, an increase of 13,750 from the previous week's revised average of 544,250.

Weekly Unemployment Claims Click on graph for larger image in new window.

 

 

 

 

 

 


Weekly Unemployment Claims This graph shows the 4-week average of initial weekly unemployment claims (blue, right scale), and total insured unemployed (red, left scale), both as a percent of covered employment.


大恐慌!?その347 米住宅市場在庫高止まり、ローン金利低下の効果も限定的

2008-12-27 23:30:54 | 世界経済

通常300IP前後のブログアクセス数が突如跳ね上がり、12/25は1781IPでgooブログで79位となった。ありがとうございます!どなたかにご紹介頂いたのか分かりませんが、有り難い話です。最近アクセスされた方で、急上昇の要因をご存知の方、コメントいただけると嬉しいです。

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さて、今週アップできなかったので、週のラップアップとして米住宅市場を見ていると、

・新築・中古とも在庫水準が販売数の11か月分を超え、過去最高水準で高止まり(※1、2)。在庫の絶対数自体は、落着きを見せつつあることを好感する見方も出てきている様であるが、販売数の急速なリバウンドが見込みずらいとすると、全く楽観できる状況ではない。

・米長期金利の歴史的水準の低下による住宅ローン金利の低下、ローン申請数の急増が期待感を高めている様だが、この点も注意が必要。住宅ローン金利が低下しているのは、ローンの額が一定以下のConforming Mortgage Ratesの話であり、ローンの額が大きいJumboローン金利とのスプレッドは過去最高の大きさになっているという(※3)。カルフォルニアなどの不動産バブルの震源地では、不動産価格が高騰しすぎてJumboローンでなければ買えない状況が続いており、Jumboローン金利が下がらないとあまり意味がない状況の様である。一方、リファイナンスには良い、と思えても、住宅価格の下落でローン金額の方が住宅の価値よりも大きい”underwater”の住宅保有者は、ローン申請をしてもはねられてしまう様だ(※4)。ローン申請数だけを見て判断できないのはこのあたりの背景もある。

ということで、急激に下落中とは言え住宅価格が未だ歴史的には高止まりの水準にあるうちは、住居向け不動産市場の回復は早急には見込みにくい。その間にも、前々から指摘している商業用不動産市場の崩壊が急ピッチで進行中(マンハッタンの空室率も急上昇中の様だ。※5)で、全体として、残念ながら新年に向け米不動産市場は回復の期待が視界に入る状況にはない=米経済・世界経済の先行きは著しく不透明なまま、年を越すことになりそうである。。。

 

※1 Existing Home Sales Plunge in November

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/existing-home-sales-plunge-in-november.html

米中古住宅在庫は販売数11.2か月分(過去最高は1985年の11.5か月分)
Existing Home Sales Months of SupplyThe third graph shows the 'months of supply' metric for the last six years.

Months of supply increased to 11.2 months.

This follows the highest year end months of supply since 1982 (the all time record of 11.5 months of supply). 
 

 

 

※2 New Home Sales in November

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/new-home-sales-in-november.html

米新築住宅在庫は販売数の11.5か月分。10月は11.8か月分に修正され過去最高。
New Home Months of Supply and Recessions "Months of supply" is at 11.5 months.

The months of supply for October was revised up to 11.8 months - the ALL TIME RECORD!

 

 

 

 

※3 Conforming Mortgage Rates Fall, Jumbo Spread at Record

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/conforming-mortgage-rates-fall-jumbo.html

The average 30-year fixed rate for home loans of more than $729,750 remains almost 2 percentage points above conforming rates and the spread between them may set a record this month, according to financial data firm BanxQuote.
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It's jumbos rates that matter for most of California and other higher priced markets.

 

※4 Low Mortgage Rates, Few Qualify

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/low-mortgage-rates-few-qualify.html

This is a key point - these lower rates don't help underwater homeowners.

 

※5 Manhattan Office Vacancy Rate Rises to 10.9%

マンハッタンのオフィス空室率は対前年3%以上アップの10.9%The overall vacancy rate rose to 10.9 percent in the fourth quarter, the highest level in two years and more than three percentage points greater than a year ago, according to the report released by FirstService Williams.・・・・・

 


大恐慌!?その346 サブプライムローンは0.7兆ドル、今崩壊中の商業用不動産ローンは3.5兆ドル!

2008-12-21 00:14:46 | 世界経済

以下の記事に非常に興味深い情報が載っている。もっとも強烈なのは、これだけ世界を震撼されたサブプライムローンの規模は0.7兆ドルに対し、各種先行指標や実際のオフィス、モール等の需要縮退から今現在激しく崩壊中で当面崩壊し続けると想定される商業用不動産ローンの規模は3.5兆ドルに及ぶという厳然たる事実である。まさに本番はこれからという感を強くせざるをえない。

T2 Partners: "Why There Is More Pain to Come"

http://www.calculatedriskblog.com/2008/12/t2-partners-why-there-is-more-pain-to.html


T2 Partners Click on graph for larger image in new window.

 

 

 

 

このグラフはダブルカウント等もあり、注意が必要、とのことだが、いずれにしても今起こっている商業用不動産市場の崩壊がサブプライムローン市場の崩壊よりもずっと規模の大きなものとなりうることは明白であろう。

この記事でリンクされている116ページに上るPDF資料は非常に興味深い情報が満載である。

http://www.designs.valueinvestorinsight.com/bonus/pdf/T2_Housing_Analysis.pdf

例えば、p.54金利が下がったというが、住宅ローン金利で下がっているのは政府に買われる住宅ローンのみ

p.59 2010~2011年がOptionARM、ALT-Aの金利変更のピーク

 


大恐慌!?その345 とうとう日本のバブル処理の教訓をポジティブに評価する見方が

2008-12-20 00:27:05 | 世界経済

日本のバブル崩壊後の処理は、「失われた10年」とかとかくネガティブな評価をされがちであるが、日本の教訓について、少なくとも最終的な成功例としてポジティブに見る見方も出てきた。やっと世界も日本の苦い例を学ぶ謙虚さが出てきた様だ。

 

○再送:COLUMN-〔インサイト〕生かされる日本の教訓、2年後に始まる米金融危機回復への動き=Mスタンレー フェルドマン氏

http://special.reuters.co.jp/contents/insight/index_article.html?storyID=2008-12-19T064925Z_01_TK0228106_RTRIDST_0_ZHAESMA16438.XML

・・・ しかし、米国が覚えるべきである日本の教訓はゼロ金利政策、量的緩和だけではない。むしろ、はるかに大事な教訓がある。日本のバブル後の金融改革は後手後手で失敗、という評判だが、実は成功例でもある。なぜ失敗したかよりも、なぜようやく成功ができたかがむしろ大事な課題である。
・・・

 <金融界改革の「五事」>孫子の兵法は「五事」で始まり、戦いは、「之を計るに五事を以てし、之を較ぶるに計を以てして、其の情を求む」と書かれているが、金融改革にも「五事」がある。日本の場合、この「五事」を実行する努力が1995年前後から本格的になり、2002─04年にようやくそろった。

・・・

<金融パニックが衰え、持続性のある成長が課題>こう考えると、金融改革の「五事」に関して、米国がかなり進歩したと言える。もちろん、大きな不況は避けられない。しかし、日本の苦しみが世界を助けているのも確かである。2002年の五事がそろった日本は2004年に完璧と言えなくとも目に見える景気回復があった。そろそろ、米国も五事がそろうなら、2年間ぐらいで目に見える回復が始まるだろう。

 


大恐慌!?その344 つなぎ融資決定

2008-12-20 00:10:28 | 世界経済

とうとう米自動車大手へのつなぎ融資が決定した。これで3月末まで先送りされたわけだが、この非金融機関で、非効率な巨大私企業を政府として支える決定は、米不況の解決までの時間がとても長くなることを象徴する事件と言えよう。毎月数十万人がどんどん失業する中で、非効率な自動車メーカだけが救済されると、一段と政府の支援を求める声が強まるのは必至であろう。

 

○米自動車大手に総額174億ドルのつなぎ融資 ブッシュ大統領

http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081219AT2M1903G19122008.html

ブッシュ米大統領は19日記者会見し、ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーに総額174億ドル(約1兆5400億円)のつなぎ融資を実施すると発表した。金融安定化法に基づく公的資金を活用する。これに伴い、自動車大手は3月末までに抜本的な再建計画を策定する。金融危機に端を発した米自動車大手の経営危機は、政府による企業救済の形でひとまず決着する。 ・・・