一緒に世界の将来について考えよう

世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

大恐慌!?その187 新規失業保険申請件数はリセッション危険水域に近付く

2007-12-30 22:33:32 | 世界経済

毎週発表される新規失業保険申請件数は、徐々に悪化のトレンドを増しており、レセッションの危険水域とされる月35万件に近付いている。※2のグラプで示すように、過去のレセッションの際は、35万件を超えて増加していったが、今後35万件を超えて更に増加していくかどうかが注目される。

 

※1 新規失業保険申請件数

http://www.daikiusa.com/indicators/past/jobless_claims.html

(単位:1,000件)
NY 2007/12/27(Thu)
 新規失業保険申請件数:34万9,000件

米労働省発表の12月12日まで1週間の新規失業保険申請件数は、前週比1,000件増の34万9,000件となった。市場予測は34万件。

4週間移動平均は、前週比1,000件減の34万2,500件。継続受給者総数は、前週比7万5,000人増の271万3,000人。失業保険受給者比率は前週と変らず2.0%。

マーケットでは、雇用環境は引き続き下降トレンドにあると評価されている。大規模な人員削減は行われていないが、企業は新規雇用の創出に消極的であり、消費環境への悪影響が懸念される。
【Daiki Futures, Inc.】
新規失業保険申請件数の見方

※2 Weekly Unemployment Insurance Claims

http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/12/weekly-unemployment-insurance-claims.html

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Weekly Unemployment ClaimsClick on graph for larger image.

This graph shows the weekly claims and the four week moving average of weekly unemployment claims since 1989. The four week moving average has been trending upwards for the last few months, and the level is now approaching the possible recession level (approximately 350K).

Labor related gauges are at best coincident indicators, and this indicator suggests the economy is close to recession.


大恐慌!?その186 新築住宅販売恒例の下方修正は5万戸

2007-12-30 21:47:38 | 世界経済

(一つ前の投稿から見てください)

恒例の過去発表分の下方修正は、8月、9月、10月計5万戸。当初発表値と11月発表値での修正率は以下の通り。

<COLGROUP> <COL style="WIDTH: 122pt; mso-width-source: userset; mso-width-alt: 5184" width=162> <COL style="WIDTH: 54pt" span=10 width=72>
  3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 平均
11月発表値 83 90.7 86.1 79.7 79.6 70.1 69.9 71.1 64.7 78.8
前月比 -1.2% 9.3% -5.1% -7.4% -0.1% -11.9% -0.3% 1.7% -9.0% -1.9%
修正率 -3.3% -7.5% -5.9% -4.4% -8.5% -11.8% -9.2% -2.3% 0.0% -6.6%

ただ、7~9月が当初発表比8%以上下方修正しているのに比べると、10月の下方修正は今月では2.3%に留まる事、11月も当初発表から前月比-9%と、批判を受けて、方法が見直されている可能性もある。

 


大恐慌!?その185 米11月新築住宅販売数前月比-9%の急落

2007-12-30 21:41:00 | 世界経済

米商務省が発表した11月の新築1戸建て住宅販売は、前月比9.0%減の年率64万7000戸(アナリスト予想は72万戸)と、12年強ぶりの水準に落ち込んだ。販売在庫は9.3カ月分の供給に相当し、前月の8.8カ月から拡大。なお、商務省の統計においてキャンセルされた戸がそのまま在庫から差し引かれているため、その影響を調整すると、※2にあるように11.3ヶ月という計算も出来る様だ。いずれにしても、販売数、在庫、価格全ての指標で悪化の一途を辿っている。※2の過去35年のグラプを見ると、今回の市場崩壊のスケールの凄まじさに改めて驚愕させられる。過去35年の市場崩壊が全て小さいものに見えるが、それでもほとんどの場合レセッションに至っていることは、改めてしっかりと認識するべきだろう。もはや難しい理屈をうんぬんする時期は明らかに過ぎていると感じるのは私だけだろうか。

 

※1 11月米新築住宅販売が9%急減、12年強ぶり低水準

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-29569920071228

 [ワシントン 28日 ロイター] 米商務省が28日発表した11月の新築1戸建て住宅販売は、前月比9.0%減の年率64万7000戸と、12年強ぶりの水準に落ち込んだ。

 ロイターがまとめたアナリスト予想は72万戸。前月は71万1000戸に下方修正された。

 11月の販売価格は中央値で23万9100ドルと前年の24万0100ドルから下落。販売在庫は9.3カ月分の供給に相当し、前月の8.8カ月から拡大した。

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※2 More on New Home Sales

http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/12/more-on-new-home-sales.html

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This also means that the months of supply is understated. The Census Bureau reported the months of supply as 9.3 months. After adjusting for the impact of cancellations, the actual months of supply is probably closer to 11.3 months.

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New Home Sales and RecessionsClick on graph for larger image.

This graph shows New Home Sales vs. Recession for the last 35 years. New Home sales were falling prior to every recession, with the exception of the business investment led recession of 2001.

This is what we call Cliff Diving!

 

  


大恐慌!?その184 米年末商戦 実質ベースでは売り上げがネガティブ成長か

2007-12-27 22:59:35 | 世界経済

11月の米個人消費の強さを持って、米経済の安定性の証拠と考えている人も多いかと思うが、12月も含めた年末商戦全体としては、厳しい状況であった可能性を伝えるデータが出てきた。

米調査サービスのスペンディングパルス(マスターカード傘下)が25日発表した今年の米クリスマス商戦の売上高は3.6%増(ガソリンを除くベースでは2.4%増)となり、同社予想レンジ(3.5─4.0%増)の下限付近にとどまった。CPIのインフレ率が4%を超えていることを考えると、実質ベースではネガティブ成長となる。今後、正規の統計が待たれる。

 

◎First Results on Holiday Retail Sales: Falling in Real Terms

Nouriel Roubini | Dec 26, 2007

The first hard data on the retail sales during the holiday season (going from Black Friday until December 24th) are in: excluding spending on gasoline retail sales were up a mediocre 2.4% relative to a year ago; including gasoline they were up 3.6% on the lowest end of forecasters’ expectations.

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Retail sales growth was much worse in real terms; since CPI inflation is running now above 4% retail sales this weak imply negative real retail sales throughout the holiday season. i.e. falling consumption spending. The retail sales data announced today exclude sales on automobiles that, based on separate evidence, look like they have been weak during December.

Thus, while waiting for official data on retail sales for December and personal spending for December, one can make the educated guess that real retail sales and real personal spending in December are likely to turn out negative, compensating for a strong November and confirming a weak October.  So real private consumption, that accounts for over 70% of aggregate demand, looks like it finished the year with a very weak momentum signaling potential further weakness into 2008.

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◎再送:米クリスマス商戦の売上高、3.6%増=米調査

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-29516720071226

[ニューヨーク 25日 ロイター] 米調査サービスのスペンディングパルスが25日発表した今年の米クリスマス商戦の売上高は3.6%増となり、同社予想レンジ(3.5─4.0%増)の下限付近にとどまった。

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 調査対象期間は、感謝祭翌日の金曜日(11月23日)から12月25日午前零時まで。前年同期との比較を可能にするため、日数を調整している。

 スペンディングパルスは、マスターカード傘下マスターカード・アドバイザーズの小売り調査部門。

 クリスマス商戦時期の小売店売上高は、ガソリンを除くベースでは2.4%増だった。

 マスターカード・アドバイザーズのバイスプレジデント(調査・分析担当)、マイケル・マクナマラ氏は「予想の下限に近い水準だったが、クリスマス商戦突入後に下方修正された予測とは、ほぼ一致した」と指摘。

 「クリスマス商戦を景気拡大の起爆剤として期待していたのであれば、おそらく失望を招く内容だろう」と述べた。

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 今回のデータには、近年ギフトカードの人気拡大で売り上げが増えているクリスマス後の消費動向は含まれていない。

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大恐慌!?その183 10月米住宅価格は過去最大の低下率、後何年落ち続けるのか。

2007-12-27 22:39:16 | 世界経済

10月の米S&P/ケース・シラー住宅指数が発表され、 一戸建て中古住宅価格(主要10都市圏)が前年同月比で名目6.7%低下(実質は10%近く)で過去最大の下落率、主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数は、前年比6.1%低下。それぞれ前月比1.4%減であるが、単純に12倍すると17%減という激しいペース(※1)。※2でグラプを示しているが、今回あがった3都市はバブルにおいて上がらなかったエリアのみである。

いつまで下落は続くのだろうか。日本の住宅バブル崩壊においても、不動産価格が長期的に下落し続けた事が、景気に悪影響を与え続けたが、価格があがる時は急ピッチであがることもあるが、下方硬直性が強く徐々にしか調整が進まない不動産市場の特性は米国も一緒。早くも1年前のビジネスウィークの記事で、次のピークに達するのに15年は必要とされている。

参照:(大)不況!? その47 Business Week:米住宅市場が次のピークに達するのに15年は必要

※3で紹介されているロスアンゼルスの例は、非常に強烈である。ロスは1989年12月にピークをつけてから、7年間でインフレ調整後の実質ベースで41.4%価格が下落している。グラプを見れば歴然な通り、1989年当時のバブルと比べ、今回は比較にならないほど大きな価格の急騰が起こっている。

1990年に、ピーク価格から最初の1年間で実質ベースで9.3%下落したが、今回は同じ期間に12%下落したと言う。コメントにもあるとおり、バブルの激しいエリアにおいては、今後数年間価格が下落し続ける事が想定される。そして、今回は全米全域に住宅バブルが起こったおそらく歴史上初の例であり、その複合的な影響のマグニチュードは、想像を絶するものとなる可能性がある。

サブプライムローンのテクニカルな話だけを聞いて、評価損のネガティブなニュースフローがひと段落した途端に安心している人はまだまだ多いと思うが、住宅価格が下落し続ける限り、ローンの質は低下し延滞率は上昇する。住宅バブル崩壊の本格的な影響は、まだ始まったばかりである。 

 

※1 10月米住宅価格は下落、過去最大の低下率=S&P/ケース・シラー http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-29530920071226

[ニューヨーク 26日 ロイター] スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)/ケース・シラーが26日発表したデータによると、10月の米一戸建て中古住宅価格は、主要10都市圏の価格動向を示す指数が前年同月比で6.7%低下の209.68と、過去最大の低下率となった。

 下落率は1991年4月のマイナス6.3%を上回った。前月比では1.4%低下。

 主要20都市圏の住宅価格動向を示す指数は、前年比6.1%低下の192.89。前月比では1.4%低下した。

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 サントラスト・バンクスの首席エコノミスト、グレゴリー・ミラー氏は、大量の住宅在庫を一掃するには価格が買い手に魅力的な水準まで下落する必要があると指摘。「住宅市場の回復は2009年になる可能性が高い」との見方を示した。

 

※2 Case-Shiller: Cities with Price Increases

http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/12/case-shiller-cities-with-price.html

Charlotte (4.3% increase), Seattle (3.3%), and Portland, OR (1.9%).

Case-Shiller Indices Selected CitiesClick on graph for larger image.

This graph shows the Case-Shiller prices for these three cities compared to the Case-Shiller composite 10 price index.

 

 

 

※3 Los Angeles Real House Prices

http://calculatedrisk.blogspot.com/2007/12/los-angeles-real-house-prices.html


Case-Shiller Los Angeles Real Prices Click on graph for larger image.

After the peak in December 1989, prices in Los Angeles fell 41.4% over about 7 years, in real terms (adjusted for inflation).......
So far, in the current bust, nominal prices have declined almost 9% in LA, and about 12% in real terms.

Case-Shiller Los Angeles Comparing Price Peaks The second graph aligns, in time, the December 1989 price peak with the October 2006 peak.

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In 1990, real prices had declined 9.3% during the first 12 months after the price peak. For the current bust, real prices have declined 12% for the same period.

This suggests that price declines have just started, and that there will be several more years of price declines in the bubble areas.