一緒に世界の将来について考えよう

世界の将来について、一緒に考えていくブログ
-2006年から大恐慌の到来を予想
-6年半ぶりに投稿

日本の不動産市場も減速の兆し?

2006-08-31 16:52:39 | 世界経済
日本の不動産市場も減速の兆しが見えるのかもしれない。特に、7月の分譲住宅が前年同月比25.5%減、マンションが38.3%減というのは、相当な減速の様に見える。賃貸物件だけが増えているが、資金の集まったREITだけが、賃貸物件の拡大を広げているのだろうか。賃貸物件だけが元気と言う状況は、REITにとって難しい局面を想定させる。金利の上昇や不動産価格に煽られて駆け込みの需要が一巡した後では、REITにとって物件のEXIT戦略が描きにくくなる。こうした動きが数ヶ月続くようだと、業者が業者に売る形で急上昇をしてきた日本の不動産市況に曲がり角が来るのも、余り先でないかもしれない。

◎7月の住宅着工は7.5%減
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060831AT3L3104931082006.html
 国土交通省が31日発表した7月の新設住宅着工戸数は前年同月比7.5%減の10万6649戸となり、6カ月ぶりに減少した。貸家は16カ月連続で増加したものの、持ち家と分譲住宅が減少した。季節調整済み年率換算では120万9000戸で、前月の128万2000戸を下回った。

 持ち家は1.0%減だった。公庫融資による持ち家が24.8%減、民間資金による持ち家も0.2%減となり、いずれも減少した。

 分譲住宅は25.5%減。マンションが38.3%減と大幅に減少し、一戸建て住宅も0.0%減だった。マンションは首都圏、中部圏、近畿圏の3大都市圏での減少が響いた。首都圏は51.6%減の6952戸、中部圏は56.1%減の603戸、近畿圏は25.2%減の2992戸だった。

 一方、貸家は3.1%増となった。民間資金による貸家が4.9%増となり、25カ月連続で増加した。

「住宅の減速、消費にも影響」だけではすまされない!?

2006-08-31 12:58:13 | 世界経済
1/31の投稿でも書いたように、米国の昨年の米貯蓄率は72年ぶりにマイナスであった。所得以上に消費をしているというこの異常事態が正当化され、余り懸念視されなかったのは、不動産市場の長期的な高騰により、不動産の含み益(ホーム・エクイティ)をベースとしたローンによって、高水準の消費が支えられており、不動産の高騰が続く限り、問題ではないという論理によってであった。

現在、米国不動産市場においては、過去最高水準の在庫が積みあがっているが、いまだ大幅な価格下落は起こっていない。余りに価格上昇が恒常化したために不動産事業者ももう少し待てば事態が好転して、また価格が上昇に転じるのではないか、という甘い期待のもとにHoldしているとも考えられるが、在庫がこれだけ積みあがる中で、その見込みは少ない。一旦、値下げをしなければ売れないというのが常識となった途端に、際限の無い値下げ競争に突入する可能性は大いにある。

米国不動産価格の妥当性についても、色々な議論があるところだが、おそらく2003~2004年くらいまでの価格上昇は、賃料の上昇と金利の低下で正当化できるレベルであった。しかし、賃料の上昇が頭落ちとなり、金利が明確に上昇局面に入った現状では、不動産価格は下がって当然で、そこで下がらないのは、過去の価格上昇によるモメンタムが生み出す幻想---早い話がバブルが発生しているというのが正しい理解のように思える。そして、このバブルの要因は、日本のバブルと同じ金利低下による過剰流動性と、あとはREITという新しい投資形態の発達による過剰な資金の流入の2つであろう。

今の頂点での均衡状態は、とても長続きするようには思えず、どこかで価格下落が始まれば、ホーム・エクイティの縮小、ただでさえ不均衡な消費と貯蓄の是正を通じ、米国の消費を直撃しよう。それが、原油高で弱りつつある米国経済のモメンタムでカバーできる範囲なのかどうか、私には非常に疑わしい。米国株式市場が5ヶ月ぶりの高値をつけ、歴史的にも最高値圏にあるが、いつまでもつのだろうか。。。

日本の不動産市場も、米国の後を追って同じ様な状況になりつつあるように思われる。世界的な不動産高騰が長期的な好景気をもたらしたとすると、世界的な不動産が不況が世界的な長期的不況をもたらすリスクは、単なる推定の域を超えた、厳然する事実のように思える。


◎住宅の減速、消費にも影響・FRB議長
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060831AT2M3100E31082006.html
 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は下院議員に提出した書簡の中で「住宅市場の減速は家計の貯蓄率をある程度押し上げる要因になるだろう」と述べた。住宅価格の上昇をあてにした個人消費の拡大に歯止めがかかり、景気の足を引っ張りかねないとの懸念を表明した。

 書簡は共和党のブラウンウェイト下院議員にあてたもので、同議員の事務所が30日公開した。7月20日の下院証言の追加質問に答えた。

 議長はここ数年の住宅価格の上昇が個人消費を刺激し、家計の貯蓄率を押し下げたと指摘。その関係が逆転し、住宅の減速が消費にも影響するとの懸念を示した。

 ただ「可処分所得の増加が消費の緩やかな拡大を後押しし、経済全体の成長を下支えするはずだ」とも指摘。雇用や所得の着実な回復が消費の失速を食い止めるとの見通しを示した。

 書簡は8月18日付で、約2年間続いた利上げを休止した10日後に提出した。

国債残高の伸び鈍化・税収増や消却拡大で

2006-08-29 09:52:23 | 日本関連
国債残高の伸びが鈍化しているということで朗報だ。ただ、忘れてはいけないのは、今は未曾有の長期的な好景気の真っ只中にいるということで、そういう時期ですら、残高が増え続けているのは、憂慮すべき事態であることには一向の違いはない。

次期首相の最有力候補とされる阿部晋三氏は、小泉路線を引き継いで小さな政府を目指していると聞くが、政府部門の徹底したリストラはまった無しの状況である。


◎国債残高の伸び鈍化・税収増や消却拡大で
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20060829AT3S2801R28082006.html
 国の借金である国債の残高の伸びが鈍化している。税収増と歳出削減で新規発行額が抑えられていることに加え、財務省が市場などからの買い入れ消却を増やしているためだ。景気回復にもかかわらず長期金利が低い水準で安定している一因にもなっており、景気の持続性をより高める好循環が生まれている。このまま国債残高の伸びが低く抑えられれば、深刻さを増す財政悪化に一応の歯止めがかかる。

 今年7月の国債残高の伸び率は前年同月比で4.7%増にとどまった。これは1993年11月以来、ほぼ13年ぶりの低い伸び。2005年2月(13.4%増)を直近のピークに、伸び率が急低下している。


暴力の連鎖?  トルコvsクルド人

2006-08-28 16:52:59 | 中東問題
米国によるイラクで武力(暴力)による解決、7/25の投稿で書いた様にイスラエルのレバノンへの攻撃の容認など、米国が暴力解決に対し寛容の姿勢を見せていることが、中東で連鎖反応を起こしている様にも見える。トルコがイラクのクルド地域を空爆し、報復かどうかはまだ不明だが、トルコで連続爆発が起こっている。

最近半籐一利さんの「昭和史」を読んでいて思うが、第二次大戦後これまでは、戦争を実際に経験した世代が各国の指導者層にいた為に、暴力による解決が、最終的には如何に悲惨な結果をもたらすかを、生で理解していたために、幾度も危機的な局面はあっても本格的な対立は避けられてきたのではないか。そうした生の体験を持たない世代同士が睨み合った場合、歴史から十分に学ばない民族は、過去の人類の歴史を繰り返すことになるのではないか。これからの時代は、偶発戦争のリスクが、これまでよりもずっと高まってくるのではないか、と思わずにはいられない。

◎トルコで連続爆発、4カ所で20人以上負傷
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20060828AT2M2800J28082006.html
 トルコからの報道によると27日夜から28日未明にかけ、トルコ最大の都市イスタンブール1カ所と、南部地中海岸のリゾート都市マルマリス3カ所の計4カ所で連続して爆発が起きた。ロイター通信によると合計で27人が負傷した。負傷者には10人の英国人観光客が含まれているという。

 爆発がテロによるものかどうかは明らかになっていない。マルマリスでの爆発はミニバスの内部や港の近く、住宅地など別々の場所で時間をおいて起きたもよう。バスでの外国人の負傷者は12人にのぼるとの情報もある。

 トルコでは少数民族のクルド人による独立国家を目指す武装組織、クルド労働者党(PKK)などによるテロが散発的に起きており、25日にも南部の港湾都市アダナで2つの爆発があり、4人が負傷したばかり。トルコ軍は最近、PKKによるトルコ兵士の殺害が相次いでいるとして、掃討作戦としてイラク北部のクルド自治区にあるPKK拠点の空爆にも踏み切った。

◎8/26トルコ軍用機、イラク北部のクルド地域を越境空爆
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M26019%2026082006&g=G1&d=20060826
 トルコ軍用機が23日、イラク北部で同国領空を侵犯、クルド系武装組織「クルド労働者党(PKK)」の拠点を空爆したことが26日までにわかった。被害は不明。ロイター通信が報じた。イラク北部クルド自治区のPKK拠点に対しては今年春以降、イラン、トルコ両国軍がしばしば越境攻撃を実施しているが、空爆は異例。

 PKKは主にトルコ東部でクルド系民族の分離独立を目指す闘争を続けており、トルコ政府はこれを武力で抑え込む方針だ。イラク政府もPKKの武装闘争を認めない立場だが、近隣諸国に分散するクルド系民族の統合を目指す機運が強いクルド自治区内には、PKKへの協力者が多い。

イラン核問題は新しい局面に --- 重水製造施設の稼働を宣言

2006-08-26 22:53:16 | 中東問題
イランが重水製造施設の稼働を宣言したことで、イラン核問題は新たな局面に入ったと言える。欧米が国連を通じたより強硬な制裁策に出るのは必至で、ヒズボラやイランのシーア派も含めたシーア派による反米の動きは、より激化することが懸念される。イランが最後に武器に使うのは、イラク、レバノンなどの中東の地政学的リスクを高めること、及び石油禁輸をちらつかせることによって、原油価格の不安定さを助長し、米国の強権発動の封じ込めをすることだろう。不動産市場の停滞で、ただでさえ経済後退懸念が高まるブッシュ政権にとって、更に難しい舵取りが要求されよう。

イランがここまで強気で臨むことについて、ある種の驚きは隠せないが、フセインが倒されるのを横で見ながら、アフマディネジャド大統領は、次の標的にならないことは一筋縄ではいかないことを学んだ様に思われる。世界は、今後ともイランから目を離す事はできないだろう。


◎イラン大統領、重水製造施設の稼働を宣言
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060826it13.htm?from=top
 イランのアフマディネジャド大統領は26日、西部アラクに建設した重水製造施設が稼働を開始したと宣言した。

 重水は原子力発電所で使用する計画で、新たな核関連施設を稼働させたことは、核開発の全面停止を求める国連安全保障理事会の決議に逆行する動きといえる。米欧を中心に対イラン制裁の発動を求める声が強まるのは必至の情勢だ。

 国営テレビによると、大統領は重水製造施設で演説し、「イラン国民は核開発分野で譲歩するつもりはない」と述べるとともに、その目的は平和利用であると強調した。

 アガザデ副大統領兼原子力庁長官によると、同施設は8月11日に試験運転を開始。年間16トンの重水製造が可能という。

 重水製造施設は、イランがウラン濃縮とは別に進める重水炉計画の一環。重水炉の使用済み核燃料からは核兵器にも転用可能なプルトニウムを抽出することができる。イランはアラクで実験用重水炉の建設を進めており、2011年に稼働を開始すると言われる。重水製造施設はそのための付帯施設となる。

 国際原子力機関(IAEA)理事会はイランに対し、度重なる決議で重水炉建設の見直しを要求。安保理が7月末に採択した制裁警告決議は、重水炉建設には直接言及していないが、ウラン濃縮と核燃料の再処理に関連する活動を今月31日までに停止するよう求めている。