「8月の米新築住宅販売4.1%増・5カ月ぶりプラス」ということで、一見米国不動産市場の不調が止まったかの様に見えるが、実態を良く見ると、状況は余り変わっていない。7月の販売件数を大幅に下方修正したため、上昇に見えただけで、減速状況に変わりは無い。ちなみに、過去3ヶ月の当初発表値を並べたものと修正後の数値を並べたものを以下に示す。
(当初発表値)
6月1,131,000 ⇒ 7月1,072,000(▲5%) ⇒ 8月1,050,000(▲2%)
(6、7月修正値)
6月1,120,000 ⇒ 7月1,009,000(▲10%) ⇒ 8月未修正1,050,000 (+4%)
これだけ修正でずれると、対前月での多少の増減を議論しても仕方ない(8月分も下方修正の可能性あり)。対前年では、8月の対前年▲17.4%であり、依然低迷している事態に変わりは無い。
一方、価格は、回復を見せているが、在庫は増加しており、中古ほど値下げが進んでいないようだ。
(価格)
medium 6月$231,300 ⇒ 7月$230,000 ⇒ 8月$237,000
average 6月$290,600 ⇒ 7月$293,500 ⇒ 8月$304,400
(在庫)
6月6.1ヶ月 ⇒ 7月6.5ヶ月 ⇒ 8月6.6ヶ月
以上、中古ほど減速感が鮮明ではないが、悪化した状況に改善は見られないというのが実態であろう。
また、耐久財受注も、事前予想(0.4%増)を下回った(0.5%減)。
◎8月の米新築住宅販売4.1%増・5カ月ぶりプラス
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M2702U%2027092006&g=MH&d=20060927
◎New Home Sales (US Census Bureau)
http://www.census.gov/cgi-bin/briefroom/BriefRm
◎8月の米耐久財受注0.5%減
http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT2M2702E%2027092006&g=MH&d=20060927