補足で、賃料が下がった時のグラフ。
http://www.calculatedriskblog.com/2009/02/what-if-rents-cliff-dive.html
悲観シナリオで緑が賃料10%減、水色が25%減。十分ありそうな10%減でみると、悲観シナリオも楽観的に過ぎる感が強い(バブル崩壊後は歴史的なPrice-to-rentレシオ水準を下回ることも十分想定される)。
補足で、賃料が下がった時のグラフ。
http://www.calculatedriskblog.com/2009/02/what-if-rents-cliff-dive.html
悲観シナリオで緑が賃料10%減、水色が25%減。十分ありそうな10%減でみると、悲観シナリオも楽観的に過ぎる感が強い(バブル崩壊後は歴史的なPrice-to-rentレシオ水準を下回ることも十分想定される)。
米政府が行おうとしているストレステストでは2つのシナリオがあるようだ。使い方等十分フォローできていないが、一応2つのシナリオの内容を簡単に見てみる。
http://www.calculatedriskblog.com/2009/02/stress-test-house-price-scenarios.html
以下の表がシナリオのサマリー。ベースシナリオは、実質GDP成長率が2009年:-2.0%、2010年:2.1%、悲観シナリオが2009年:-3.3%、2010年:0.5%。うーん、直近の状況をみると、ベースシナリオは論外、悲観シナリオも若干楽観的に過ぎると思われるがどうだろうか。
上記のシナリオの前提とっている価格下落をPrice-to-rent ratioの推移にプロットしたのが、以下のグラフ。Rent価格がフラットの前提のグラフだが、実際には激しく落ちているため、このグラフよりも傾斜が緩やかなのが実態である。
直近の状況を考えると、ベースケースは楽観的に過ぎ、悲観ケースも若干楽観的か。
さらに最近注目の商業用不動産崩壊は、これまでのトレンドをベースにシナリオを組む限り過小評価されている可能性が高い。
ストレステストでOK、で一旦市場に安心感が広がるが、実際金融危機が続く、という最悪のシナリオも想定しておく必要があろう。
色々ご紹介したことがあるが、時間がなかなか取れないので、手短に。
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先ほど発表の米週間失業保険申請数は、前週比3.6万増の66.7万。継続受給者も11.4万増の511.2万。 さらに悪化のペースは加速。詳しくは、
http://www.calculatedriskblog.com/2009/02/weekly-claims-continued-claims-over-5.html
さて、個人的にも良くウォッチしている日本の不動産市場だが、底打ちは早くて2010年、ただ2010年も既発の商業不動産担保証券(CMBS)の満期が集中するリスクがあるという(※1)。
※2で英中銀総裁は世界経済は昨年10・11月に「がけから落ちた」と述べたという。普通は目の前にがけがあることは、落ちる前に気づくはずだが、そのことへの言及はなかったか。
※1 国内不動産相場は底打ちまでに3─4割下落=ラサール
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36707420090226
・・・
80─90年代のバブル崩壊後に東京のオフィス価値は約6割下落したが、不動産の価値が経済予測と切り離された「批准法」で評価されていた当時と違い、現在は市場メカニズムに基づくDCF法が導入されており、日本は「成熟市場」とみなすことができる。「歴史的に、成熟した不動産市場では山から底までの下落率が30─40%で、日本もピークからの下落率は30─40%になる」と述べた。同社は直近の国内不動産相場のピークは07年末だったと分析している。
国内不動産相場の回復見通しについては「景気後退の深さや長さ次第」として明確な言及は避けたが、景気予測としては「個人的には09年の回復は期待できないと考えており、10年の回復に妥当性があるとみている」と述べた。ただ、既発の商業不動産担保証券(CMBS)の満期が2010年に集中するため「借り換えや追加資本の投入ができないファンドがつぶれ、銀行からの差し押さえや強制売却で不動産価格がさらに下落し、景気にマイナス影響を与える可能性もある」と述べ、景気回復シナリオに不確実要素があることも指摘した。
・・・
※2 世界経済は昨年10・11月に「がけから落ちた」=英中銀総裁
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36707820090226
英イングランド銀行(中央銀行)のキング総裁は26日、世界の経済情勢について昨年10月と11月に「がけから落ちた」との見方を明らかにした。議会委員会で証言した。・・・・
このブログでたびたび指摘している商業用不動産崩壊が今年のテーマとなるという認識もFRBも持っている様だ。
○商業用不動産の問題、回復の足かせとなる可能性=米地区連銀総裁
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36641920090223
・・・
「2007―08年は悪い意味で住宅不動産の年だったが、09年は商業用不動産の年になる可能性がある。わたしの安眠を妨げている国内要因の1つだ」・・・・
世界経済・金融システムについての厳しい見方が広がっている。ソロス氏は世界の金融システムは実質的に崩壊し生命維持装置に繋がれているとし、ボルカー米経済諮問会議議長は世界経済の悪化、大恐慌時より急速の可能性があるとの見方をしている。
一方、米金融機関の国有化について、米金融当局や経営陣は必死になって否定している。例え国有化せざるをえないと思っていたとしても、現時点で少しでも検討の時間が欲しいのだから、国有化はない、と言い続けるのはとても理解しやすい。仮にXデーが来るとしたら、「頑張ったのですが、X銀とY銀とZ銀は国有化します。他の銀行は大丈夫なので、安心して下さい」というメッセージを出すことで、世界の金融市場株式市場の崩壊を防ぐために、それまでの急速な株価下落は、なんとしても避けなければならないからだ。住宅市場が居住用、商業用とも悪化の一途をたどる中、現実はどこまで時間の猶予があるのか、予断を許さない状況が続く。
○世界の金融システムは実質的に崩壊=ソロス氏
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-36616720090223
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ソロス氏は「われわれは金融システムの崩壊を目撃した」とし、「金融システムは生命維持装置につながれた。今もまだ同じ状態にあり、景気の底入れが近いとの兆しはみえていない」と述べた。
オバマ米政権の経済再生諮問会議議長を務めるボルカー元米連邦準備理事会(FRB)議長もこの日、世界の鉱工業生産は米国よりも速いペースで減少している、と述べている。
ボルカー氏は「大恐慌も含め、いかなる時代においても、全世界で景気がこれほど急速に悪化するのを見たことがない」と述べた。
○世界経済の悪化、大恐慌時より急速の可能性=ボルカー米経済諮問会議議長
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-36608420090221
・・・・
ボルカー氏は「状況が非常に速くかつ世界中で一様に悪化する事例は、おそらく大恐慌の時期も含めてなかったと記憶している」と述べた。