家具工房ウッドスケッチの108の仕事

家具工房の108の仕事を紹介していきます。

材木市場一部始終其の三

2005年09月11日 | 2005年

セリから離れて土場の丸太に背中をもたれかけさせて休んでいると、
「久しぶり、元気?」
という声。顔を見ると確か奈良から来てる木工職人。
「まあ、なんとかやってますわ。」
としばらく世間話。
「この春に二人目がうまれて。」
と私がいえば、彼はもうすでに三人の子持ちで、子供の話。家族の話・・・。
「ところで、君の名前はなんだっけ?」
私も久方ぶりの材木市、彼と話したのはもっと前なので、名前も忘れてる。
それでも彼がどんな材料を買ってるかってことは、わりと憶えているんですよね。材料の話、仕事の話・・・。
いつも、一人でもくもくと仕事をしているせいか、こんな風に話すことが嬉しく感じます。
いろんな新しい情報や技術も教えたり、教えられたり。
そうこうしている内に、
「あつ、ごめんちょっと行って来るわ。」
と、またセリの人だかりに飛び込んだ私でしたが、しまった、遅かりし。
欲しかった材料のセリ番はとうに過ぎて後の祭り。
振り返ると、奈良の人ももうそこからいなくなっていて、
私の気持ちもセリに戻っていきました。
あとで、土場を見渡してもその奈良の木工職人はみつからなくて、今度会うのは
いつにことやら・・・。続く。