ミャンマー・日本語学校ブログ

ミャンマーでの生活、教育、ビジネスなど
ヤンゴン在住12年の作者がお届けします。

お坊さんバス

2008年10月21日 | ミャンマーでの生活

お坊さんが乗っているバスではない。
お坊さんが運転するバスなのである。

昨日、ヤンゴン市北部インセイン方面からダウンタウンに下る市内バス(48番特別)に乗っていたときのこと。

車内からずっと仏教のお経を読む声が聞こえている。
初めは、テープでお経を流しているのかと思ったが、そうでもない。
(お経は難かし~いパーリ語なので意味はさっぱりわからない。)

よく注意してみると、バスの運転手さんが自分でお経を唱えていたのだ。
腹話術のようにほとんど口を開けないで発音しているので、誰の口から発しているのかわからなかった。
乗ってから降りるまでの約30分の間、最初から最後までずっとお経を唱えていた。

周りの乗客も特に気にしている様子もなく、珍しいとも思っていないようだった。

頭が坊主刈りだから、つい最近までどこかの僧院に出家していて功徳を積まれていたのだろう。

この市内バス、(元)お坊さんが運転するのだから静かに穏やかに運転してくださるかと思えばさにあらず。
急発進、急ブレーキ、急ハンドルの連続でメチャ乱暴なのである。

「お坊さん、どうか気をお静めになって、ゆっくり穏やかに運転して....」と心の中でお願いしてみたが、運転はますますメチャクチャになる一方だった。

道を渡っている人がいても、平気で突っ込んで行くし。

お経を読む声は静かなものの、ときどき罵声が発せられるのはもう他の運転手と同じ。

「ナンミョーホーレンゲキョー......こらっバカ!そこの車。割り込むんじゃねえ、どこ向いて運転してんだ、このアホ!.....
(再び)ナンマイダナンマイダ......おいっ、歩行者!急に飛び出すんじゃねえ、死にてえのか?」

というような調子で、この方、僧院で何を学んだのでしょうか。

車内にはシュエダゴンパゴダのポスター、お釈迦様が悟りを開かれた様子を描いた絵、仏様にお供えする花も飾られて、まさに仏教ワールドなのだ。

そして、本物のシュエダゴンパゴダが進行方向の左側に見えて来ると、運転しながら目を閉じて、手を合わせて拝んでいらっしゃる。

仏教に熱心なのは良いけど、こっちの命まで考えてほしい。