映画「さよなら渓谷」:虚空を穿つ真木よう子の視線 2013年08月07日 23時20分03秒 | 映画(新作レヴュー) ある男が過去に起こした性犯罪の犠牲者と家庭を持つ。犠牲者の心情からすれば,通常ならあり得ないと思われる展開に,説得力を持たせられるかどうかが,作品の成否を決める重要な要素だったはずだ。 制作者はこの勝負において,ヒロインのかなこを演じた真木よう子の目力に賭け,そして見事にモスクワ国際映画祭で審査員特別賞を獲得することとなった。 批評的に勝利を収める要因となっただけでなく,おそらくは多くの女性客の共 . . . 本文を読む