映画「湖のほとりで」:日常に潜む静かな狂気を炙り出す知性 2009年11月10日 23時45分22秒 | 映画(新作レヴュー) 各方面から絶賛されているイタリア産のミステリーだが,私が「イタリア映画」に対して抱いていたステレオ・タイプの「明るさ」とは別種の,知的なポジティブさとでも呼ぶべき感触が,新鮮な後味を残す。 イタリアの片田舎,静かな湖の畔で若い女性の絞殺死体が見つかる。イタリア版の「ツイン・ピークス」かと思われるようなオープニングから展開されるのは,被害者が関わっていた4つの家庭を巡るゆったりとした推理劇だ。陽光 . . . 本文を読む