映画「4分間のピアニスト」:剥き出しになった痛みを体現する音 2008年01月05日 19時43分18秒 | 映画(新作レヴュー) タイトルが表すラストの4分間の演奏シーンの迫力ばかりが喧伝されているが,そこに到るドラマの周到な構築術が冴え渡った,実に技巧的な作品だ。 ピアニストと女教師の二人の主役が持っている演技の質と温度の差が,音楽に対して持ち続ける同質の情熱と鮮やかな対比をなす対話シーンの緊張感は,ラストの演奏シーンを上回る。ダイアローグの重みに潰されることなく,お互いに上手を引いて渡り合う二人から発せられた熱が,音符を . . . 本文を読む